シャッター アイランド(2009)

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原題も「SHUTTER ISLAND

シャッターアイランドと呼ばれる

重度の精神異常犯罪者が収容される(架空の)孤島が舞台

「妄想オチかよ」とか「シックスセンス(1999)」だの

「シャイニング(1980)」かよという酷評も多いですが(笑)

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特筆すべきは、脇を固める豪華実力派俳優の競演

ベン・キングズレーマーク・ラファロの安定した演技

   男が逆らえないオーラ全開なミシェル・ウィリアムズ

居るだけでエロいエミリー・モーティマー

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そして相変わらずオカルトなマックス・フォン・シドー(笑)

曲がった背中に、眼鏡の奥から覗き込む眼光は

本当にナチスの幹部だったと思うくらい

まるで後ろに何か憑いているよう(笑)

その存在感にはいつもながら圧倒されます

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ストーリーは連邦保安官のテディ(レオナルド・ディカプリオ)が

相棒のチャック(マーク・ラファロ)と共に

シャッターアイランド”で失踪した女を探すというもの

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その島でテディが直面したのは

ダッハウ強制収容所での夥(おびただ)しい死体の山

ドイツ人戦争捕虜の殺害(虐殺に加わったかは描かれていない)

戦争PTSDによる妻ドロレスとの不和

放火魔”レディス”の存在という

「幻覚」と「正気」が何度も行き来するものでした

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カメラはロバート・リチャードソン

この人は残虐なシーンや死体の描き方が綺麗ですね

目を背けたくなるような、腐った死臭が全くしない(笑)

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見ている側は、テディが夢でお告げを受けるのを不審に想いながら

どこまでが現実なのか、妄想なのか

誰が真実を言っているのかは、終盤までわからない

どいつもこいつも怪しい香りがプンプン(笑)

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結局は精神を病んでしまったに殺された3どもの死によって

妻の精神障害が乗り移ってしまった男の話で

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ラスト、チャックはテディに治療の効果がないと

院長に(ロボトミー手術を受けさせる)合図を送りますが

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実は正気に戻ったテディが

どもを失った苦しみに耐えきれず
自ら狂ったふりをして、記憶を消し去る手術を選び

それに気付いたチャックは、テディの意思を尊重することにしたのでした

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でも考えてみると、いまこうしている私たちの生活も

どこまで自分がマトモで、どこまで真実かという保証は

どこにもないのですよね(笑)

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もしかしたら、家族も、友人たちも、仕事も、自分が作り上げた妄想で

気付いていないのは、自分だけなのかも知れないのです




【解説】allcinema より

マーティン・スコセッシ監督とレオナルド・ディカプリオの4度目のタッグとなるミステリー・サスペンス。「ミスティック・リバー」の原作者デニス・ルヘインの手によるトリッキーな謎解きスリラーを映画化。精神を患った犯罪者だけを収容する病院が建つ絶海の孤島“シャッター アイランド”を舞台に、ある目的を秘めこの地を訪れた連邦保安官が、次々と直面する謎や職員たちの不審な言動に振り回され、次第に混乱と恐怖に呑み込まれていくさまを、様々な仕掛けと重厚な映像表現でスリリングに描き出していく。共演は「ゾディアック」のマーク・ラファロ、「砂と霧の家」のベン・キングズレー、「ブロークバック・マウンテン」のミシェル・ウィリアムズ
 ボストンの遥か沖合に浮かぶ孤島“シャッター アイランド”。そこに、精神を患った犯罪者を収容するアッシュクリフ病院があり、厳重な監視の下に運営されていた。ところが19549月、レイチェルという女性患者が忽然と姿を消してしまう。事件を調べるため、連邦保安官のテディが新たな相棒チャックと共に島を訪れる。折しも、激しい嵐が近づいており、捜査の行方に不安がよぎる。さっそく2人は、患者たちへの聞き込みを開始するが、テディは事件と無関係な“アンドルー・レディス”という人物についての質問を繰り返す。実はその人物は、アパートに火をつけ最愛の妻ドロレスを殺した放火魔で、テディはレディスがこの病院に収容されていると知り、その行方を探っていたのだ。そして、レディスへの復讐こそが、テディがこの島へやって来た真の目的だったのだが…。