特捜部Q カルテ番号64(2018)

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原題は「Expediente 64」(ファイル64

過去の未解決事件を専門に扱うコペンハーゲン警察の

「特捜部Q」シリーズ待望の4作目

 

1961年にスプロー島にあった女子収容所と

「特捜部Q」でアサドが異動になるまでの1週間

アパートの解体中に見つかった3体のミイラ化した遺体の捜査が

並行して描かれます

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デンマークでは、従兄弟と関係すると近親相姦になるのでしょうか

ニーデは従弟のテーイと愛し合っていましたが

父親に見つかり更生施設に入れられてしまいます

 

ニーデと同じ部屋のリタは漁師に

お金がなくても女の子ができること”をして欲しいものを手に入れたり

看護婦のギテと”ヒヨス”と幻覚作用のある草の(マリファナのようなもの)

お茶を飲み淫らな行為をしていました

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テーイの子を妊娠しているニーデは、リタに脱走させてあげると騙され

漁師にレイプされそうになったうえ、収容所に連れ戻され

クアト医師に中絶され、不妊手術まで行われます

(手術シーンがリアルすぎてヤバイ)

 

1960年頃までにデンマークで行われていた
強制不妊手術はわかっているだけで約11,000

しかも「優生思想」や移民に対するヘイトクライムにより

病気や移民女性の強制不妊手術を医師や官僚や警察が

組織的に施していたというのです

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もちろん私は差別や、強制的な不妊手術には反対ですが

北欧の国々のように社会保障の高い国の国民ほど

実は移民や障害者に対する不満が大きいのではないかと思います

自分たちの払っている高額な税金が、移民や仕事のできない人間に使われ

物価は上がり、教育の質は下がり、治安は悪化

将来が不安になる

 

スプロー島の収容所を出所したニーデは

リタと、看護師のギデと、クアト医師を訴えますが

フィリップ弁護士によって裁判は却下され

3人と弁護士に復讐する決意をします

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カール警部補(ニコライ・リー・コス)とアサド(ファレス・ファレス)

紅一点のローセ(ヨハン・ルイズ・シュミット)は

スプロー島の管理人や、遺体で見つかった弁護士の妻から証拠を集めますが

 

管理人は殺され、ローセは襲われ

カールとアサドが乗った車は火が放たれ証拠の書類が燃えてしまう

ただひとつ残ったのが「ファイル64

ニーデのカルテでした

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カールがニーデに会いに行ってる頃

アサドはスーパーを営む友人の娘、マールが行方不明になり

マールが父親に内緒で中絶手術をしたクアト医師の病院に探しにいきます

 

しかし同僚の警官がクアト医師の仲間で

アサドは腹を撃たれて倒れてしまいます

そこに気を失っていたマールが目を覚まし、クアト医師を殴り

危篤のアサドに駆け付けたカールが救急車を呼びます

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クアト医師は「優秀な者だけが子孫を残す資格がある」

という考えを信奉する「寒い冬」の代表でした

それは寒冷地に住む白人種こそ優生種と信じる団体で

クアト医師らは社会的弱者を強制断種するための不妊手術を現在でも続けていて

一方では白人種の高齢女性や不妊女性には高度な不妊治療をしていたのです

 

日本でも女性の強制不妊手術を訴える動きが出てきていますが

その背景にある社会問題もしっかり追及するべきでしょう

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3作に比べるとサスペンス性は薄れ、残忍さも欠けて

犯人もオチも予想がついてしまいますが()

カールとアサドとローセのトリオはやっぱりいい

 

病院で目が覚めたアサドに「特捜部に残ってくれ」と頼むカール

アサドを抱きしめるローセ

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原作はシリーズ8作目まで発表されているんだから

まだまだこのトリオで続けてもらわなきゃ困るよ(笑)


【解説】映画.comより

累計1000万部以上を売り上げるデンマークの大ヒットミステリー小説「特捜部Q」の映画化第4作。過去の未解決事件を専門に扱うコペンハーゲン警察の新部署「特捜部Q」。今回彼らが挑むのは、1980年代に起きたナイトクラブのマダム失踪事件。調査によると、ほぼ同時に5人の行方不明者が出ているという。やがて、壮絶な過去を抱える老女と、新進政党の関係者が捜査線上に浮上する。キャストにはカール役のニコライ・リー・カース、アサド役のファレス・ファレスらおなじみのメンバーが続投。「恋に落ちる確率」のクリストファー・ボー監督がメガホンをとり、「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」のニコライ・アーセルが脚本を手がけた。ヒューマントラストシネマ渋谷&シネ・リーブル梅田で開催の「未体験ゾーンの映画たち2019」上映作品。