百恵&友和第10作目の記念映画のオリジナル・ストーリーを一般公募し
受賞作を藤田敏八と小林竜雄が脚色
今までの文芸的な作風とはうってかわって
外国語教室、品川ナンバーのオープンカー
業界でスタイリスト、商社勤務、シングルマザー
インスタント食品、女性向けスクーター、海外旅行
70年代から80年代(バブル)へ向かう時代の風俗が懐かしい
(飲酒運転OKだったかどうかは知らないけれど 笑)
スペイン・ロケというのも確実に配給収入を見込める
当時の百恵ちゃん(20歳)の人気ならでは
だけど展開はかなり無理やりで強引(笑)
”ホワイト”がスペインの田舎の民家の壁の色が”白”
からきているのかどうかは知らない(笑)
スペイン語教室に通う百恵ちゃん
学校のロビーで友和さんの火の付いた煙草のケースが誤って飛んでしまい
白いワンピースが焼け焦がされてしまいます
洋服を弁償すると約束して翌日待ち合わせるふたりでしたが
百恵ちゃんに急用が入り友和さんは待ち惚け
再びスペイン語教室で再会するわけですが
実は友和さんは外国語に堪能でスペイン語もペラペラ
臨時講師として働いていたのです
外国語を話せる人間にヨワイ日本人あるある(笑)
百恵ちゃんは元商社勤めの友和さんの虜になっていくわけですが
友和さんは、外国人相手のポン引きをしている岩城滉一の助手として
身銭を稼いでいました
何かとすれ違い、金銭トラブルや女性問題を抱える友和さんと
距離をおくようになる百恵ちゃん
そして死んだと思っていた行方不明の父親が危篤で
スペインで末娘の百恵ちゃんに会いたがっていると
父親の親友の北村和夫から知らされ
急遽、北村和夫とスペインに向かう百恵ちゃん
そして友和さんも、スペインまで百恵ちゃんを追って行きます
ここからはもうノリと勢いだけで作ったのか(笑)
ツッコミどころ満載
しかもイキナリ百恵ちゃんスペイン語ペラペラ
すぐに市街で友和さんの元恋人、范文雀と出会う
住んでいるアパートまで発見(なんという土地勘の強さ)
瞼の父親(小林桂樹)と涙の再会も、翌日あっさりお別れ
友和さんとふいたりで元恋人を探しに旅立ちます
(父親と会うためここまで来たんじゃなかったのか?笑)
そこで友和さんから、スペイン駐在時代の恋人范文雀が
職場の上司、高橋昌也にレイプされてしまい妊娠
(友和と高橋、どちらの子かわからない)
中絶するため電車でフランスに向かう途中駅で
范文雀が消えてしまったことを打ち明けます
百恵ちゃんはそっと部屋を出ていきました
しかし「ケン」の血液型は友和の子ではなく
だけど友和の子だと思って育てていると告白します
そして百恵ちゃんを追う友和さんを窓から見送ると
窓の柵が壊れ落下、范文雀は死んでしまい(死体は置き去りかよ)
ふたりは「ケン」を連れて、”あの時の子”だと
駐在所の高橋昌也に会いに行くものの
突然「私たちで育てる」と言い出し
高橋が養育費だと渡した小切手を、鼻チンして投げ返す
まあ、そこまではドラマの演出としてアリだとしても
いくら母親が死んだからって、スペイン生まれの子どもを
平然と日本に連れて帰っていいものなのか
(それって誘拐だと思う)
さすがに共演10作目とあって百恵ちゃんと友和さんの息はぴったり
脇を固めるのもベテランの芸達者な名優ばかり
にもかかわらずこのリアリティのなさ
(コメディだと思って見ればいいのか 笑)
ただ、人気アイドルの主演映画の脚本の一般募集というのは
今でもやって欲しいですね
脚本家を目指す素人作家のメジャーデビューのチャンスになりますし
埋もれた才能の持ち主の発掘になるかもしれない
そうしたら私も応募しよう
今から構想を練っておかねば(笑)
(オマエが書いたらアイドル映画じゃなくて、変態映画になるわ)
【解説】KINENOTEより
スペイン語を習うスタイリストの女と、スペイン語講師との愛を描く。山口百恵、三浦友和共演十作を記念して、オリジナル・ストーリーを一般公募し、選ばれた中川美知子の原案をもとに、脚本は「もっとしなやかにもっとしたたかに」の小林竜雄と「帰らざる日々」の藤田敏八の共同執筆、監督は「ピンク・レディーの活動大写真」の小谷承靖、撮影は「炎の舞」の萩原憲治がそれぞれ担当している。