「ああいう苦しみを持った子に弱いんです」
原作は石坂洋次郎の同名小説
原作では高校教師の主人公は偽善性や卑怯さを持った
典型的な日本人男性の心情が描かれているそうですが
裕次郎にドロドロ感はなく、あくまで爽やか(笑)
女子生徒からの愛情を受け止めかね、困惑しながらも
自分の気持ちを正直に伝えるという勇気を持っているという役柄
でも内容がどうのこうのというより
ほぼ小百合ちゃんを見るためだけに作られたような映画
怒った小百合ちゃん、笑った小百合ちゃん、泣いた小百合ちゃん
そこに清楚で美人だった頃の浅丘ルリ子さんと
(今がブスみたいな言い方じゃない 笑)
熟女の怪しい魅力を振りまく三浦充子さんが登場
こんな女性たちに囲まれたら、男なら誰だって優柔不断になってしまう(笑)
九州、長崎のミッションスクール
数学教師の裕次郎は、毎朝遅刻してくる女生徒
そして歴史教師の浅丘ルリ子が気になっています
アプローチの仕方は小学生並みなんですけど(笑)
学校の帰り道ルリ子姐さんから
小百合ちゃんが書いた作文を手渡された裕次郎
そこには自分の父親は誰かわからず
母親の恋愛遍歴のなかで生まれた私生児であること
料亭を営む母が世間から娼婦と呼ばれていること
その境遇を受け止めながらも、奔放な母親に反発していること
ルリ子姐さんは裕次郎に父親の面影と、恋愛対象として憧れることで
小百合ちゃんが心の均衡を保っているのではないかと打ち明けます
そしてその作文を裕次郎に託すのです
これって凄いな(笑)
どっちの女を選ぶのか、裕次郎の気持ちを試そうとしている
その夜、小百合ちゃんと母親の三浦充子が革靴のプレゼントを持って
裕次郎の下宿を訪ねてきます
(官能小説を声を上げて読みあげる下宿屋のオヤジ 笑)
本来は保護者からの贈り物禁止なものを、受け取り方がスマート
(実際昭和は教師がガンガン贈り物もらっていたがな)
母親だけが帰った後、すれ違いでやって来たルリ子姐さん
慌てて押し入れに隠れる小百合ちゃん
いったん渡した手紙を、返して貰いに来たり
着物姿で現れるところなど、やっぱりルリ子姐さんが上手
というか当時の映画は「男が好きなタイプの女性」を
描くのがうまいのだろうな
だけど修学旅行の夜、行方不明になり雨の中彷徨っていた
小百合ちゃんの激情を、抱きしめることで受け入れてしまう裕次郎
そうして、小百合ちゃんは自ら”妊娠した”というデマを流すのです
裕次郎に対するルリ子姐さんの態度は冷たいものでしたが
先生を必要としているのは小百合ちゃんだと、はっきり言います
その瞬間裕次郎は、自分が本当に愛しているのは
ルリ子姐さんのほうだと確信するのです
面倒なほうの女がだんだん嫌になってきたんだな(笑)
小百合ちゃんに気持ちを伝えるため会いに行くと
そこは母親の三浦充子さんと若い愛人、北村和夫の修羅場でした
北村和夫さん、酒飲みのヒモ男でDVかと思ったのですが
実は一番マトモなのかも(笑)
怒りながらも、不幸な母親を憐れみ助けようとしている
でも喧嘩の仲裁に入った裕次郎がケガをして意識を失ってしまう
翌日学校を休んだ裕次郎を、ルリ子姐さんが心配してやってきますが
母親はわざとらしく小百合ちゃんの介抱ぶりを誇張したため
早々に立ち去るしかありませんでした
ルリ子姐さんを追って、学校に向かう裕次郎
裕次郎を追う小百合ちゃん
そこで裕次郎はルリ子姐さんが好だと打ち明けます
裕次郎の気持ちは最初から知っていたと
来た道を戻って行く小百合ちゃん
文学の世界の中で男を惑わす美しい女は
高い確率で作者に殺されるけど(笑)
確かにこういうストーカータイプの女の子
は自殺(未遂)するかもしれないな
未遂なのは、結局は好きな男を奪いたいから
自分に自信のある女が本当に死んでたまるか(笑)