溝口健二

西鶴一代女(1952)

溝口健二は今では小津安二郎や黒沢明と並ぶ 巨匠という評価が定着しているものの この「西鶴一代女」でヴェネツィアで国際賞を獲得する以前は 好不調の波が激しく失敗作も多く、特にこの作品を発表するまでは 長いスランプに喘いでいたそうです しかし時代が…

近松物語(1954)

すごい・・ こんなにも破壊的、破滅的な愛の物語があるなんて。 以前、興味があって (何に興味を持っているのでしょう?笑) 明治大学の通称「拷問博物館」に行ったことがあります。 磔(はりつけ)柱や、生首のさらし台はレプリカでしたが 外国人が撮影し…

赤線地帯(1956)

「女を撮らせたら溝口」 敗戦後の1946年から売春防止法が施行される1958年まで 公認で売春が行われていた地域を赤線 非公認は青線と呼ばれていたそうです。 東京、吉原にある「夢の里」という遊郭。 さまざまな事情で働く女たち。 可愛い娘はひとりだけ。 ナ…

祇園囃子(1953)

「それはお金のある人が言うことえ」 戦後間もない京都、祇園。 戦前(1936)に撮影された「祇園の姉妹」という作品では ヒロインの芸奴は「おもちゃ」という名でした。 そうです、男のおもちゃという意味の名前です。 しかし時代は変わり、日本に新憲法ができ…

山椒大夫(1954)

ジャン・リュック・ゴダール監督が 好きな映画監督を3人あげてくださいという質問に 「ミゾグチ、ミゾグチ、ミゾグチ」 と答えたのは有名な話ですよね。 しかし私がいままで見ている溝口監督作品は 「祇園の姉妹」と「雨月物語」だけではないかと思います。…