ベルリン国際映画祭受賞作品

6才のボクが、大人になるまで。(2014)

「それで要点は?」 「要点なんかないよ」 原題は「Boyhood」(少年時代) まるでどこかの家庭のドキュメンタリーを見せられているようですが(笑) れっきとしたフィクション 12年もの間、毎年同じスタッフ同じキャストが集まり 脚本にミーティングで出た…

心と体と(2017)

原題は「TESTROL ES LELEKROL」(身体と魂について) ベルリン国際映画祭で金熊賞 国際批評家連盟賞、エキュメニカル審査員賞のトリプル受賞 アカデミー賞では外国語映画賞にノミネート (受賞はセバスティアン・レリオ監督の「ナチュラルウーマン」) 冒頭…

ゆきゆきて、神軍(1987)

「今日の結婚式は、花婿と媒酌人が共に反体制活動をした 前科者であるがゆえに実現しました たぐいまれなる結婚式でございます」 凍り付く花嫁と親族たち(笑) すみません、これはコメディ映画でしょうか 「田中角栄を殺す」 「宇宙人の聖書!? 」の選挙カー…

マグノリア (1999)

「誘惑してねじ伏せろ」 「イチモツを敬え」 原題も「Magnolia」(マグノリア) マグノリアとはアメリカ南部を象徴する木蓮の花のことですが ここではポール・トーマス・アンダーソン(PTA)監督の故郷 ロサンゼルス郊外サンフェルナンド・バレーの 「Magnol…

レインボー (2015)

目でなく心で眺める 周りは魔法だらけ 魔法が見えたらつかんで飲み込むんだよ 原題も「Dhanak」(虹) 10歳の姉が8歳になる盲目の弟に 角膜移植の手術を受けさせるため 300キロを旅するロードムービー よかったです 見ず知らずの大人たちの親切に温かい気持…

ドライブ・マイ・カー(2021)

村上春樹の短編小説「女のいない男たち」の中から 「ドライブ・マイ・カー」「シェエラザード」「木野」 3つの物語から構成されたドラマ テーマは男が過去を見つめ直し、強さや威厳より 自分の弱さを認めて再生していくもの(たぶん 笑) 各賞を総なめにし、…

袋小路(1966)

原題も「CUL-DE-SAC」(袋小路=行き詰まり) クラッシック映画の名作を見て思うことは とびきりの美人女優が出ているだけで傑作になること その役がアバズレだろうがビッチだろうが 可愛い小悪魔にしか見えないことを、名匠はわかっている ロケ地はイングラ…

象は静かに座っている(2018)

原題は「大象席地而坐」(象は席に座る) ハンガリーの名匠タル・ベーラ (「サタンタンゴ」(上映時間7時間30分)で知られる) を師と仰いだというだけあって(雰囲気はガス・ヴァン・サントだけど 笑) 長回しの圧倒的な力のある、監督の胡波(フー・ボー 19…

海辺のポーリーヌ(1983)

エリック・ロメール「喜劇と格言劇」シリーズ第3作目 ロメールの中でもっとも有名な作品 原題「Pauline à la plage」(ビーチでポーリン) 副題は「Qui trop parole, il se mesfait」(言葉多き者は災いのもと) ショートボブに青い襟のセーラー服、どこか寂…

希望のかなた(2017)

原題は「TOIVON TUOLLA PUOLEN」(希望の向こう側) カウリスマキが欧州の社会問題を描くとこうなる(笑) シリアからの難民を取り上げたデッドパン(無表情)でシュールなコメディ そして人々の善意こそが希望であるというメッセージ 洋品店にシャツを卸売り…

嘘をつく男(1968)

「僕の話をしよう 少なくともそう努めたい」 原題も「L'HOMME QUI MENT/THE MAN WHO LIES」(嘘をつく男)またもや現実と虚構とSMしかも"嘘"がテーマなので、少しややこしいロブ=グリエが戦争PTSDを描くとこうなります 【ここからネタバレあらすじ】 第二次…

別離 (2011)

原題は「جدایی نادر از سیمین (英:Nader and Simin, A Separation)」(ネーダーとシミン、分離)ネーダーとシミンという夫婦の離婚問題と平行に介護や経済格差、宗教や女性差別という社会問題が描かれていきますそこに妊婦の転落事件にまつわるミステリーが加…

チョコレート(2001)

非白人女性(ハル・ベリー)が初のアカデミー主演女優賞を受賞したことで話題になりました 原題は「Monster's Ball」(怪物の舞踏会)アメリカの刑務所は死刑執行前日に看守たちが行う宴会のことをこう呼ぶそうです 面白かったです車の中でビリー・ボブ・ソ…

魔女と呼ばれた少女(2012)

原題はフランス語で「REBELLE」国賊や反逆者、反抗という意味があるそうです 紛争の絶えないコンゴ民主共和国日本のメディアは芸能人の些細な失言とかは大きく取り上げてバッシングするくせにアフリカで今も起こっている大虐殺はまず報道しない私も日常生活…

ゴーストライター(2010)

わっ! イーライ・ウォラックが出てるよ!! 涙がでる~ この年の日本公開洋画のキネマ旬報ではベストワン ベルリン国際映画祭はじめ海外でも多くの賞を受賞しているのは これが理由かと思いました(笑) だいたいカーナビが勝手に重要人物の家に案内してくれ…

グッバイ、レーニン!(2003)

広い宇宙からすれば地球はちっぽけな星 資本主義とか社会主義などと対立したり 東と西に分かれていがみ合わず 家族の思い、人々の思いが通じ 皆仲良く暮らせればそれに越したことではないか 私がこの母親と同じ立場だったら やはり息子に「素晴らしいわ」と…

グランド・ブダペスト・ホテル(2013)

ウェス・アンダーソン監督の作品はお初です 海外では高い評価を受け、ヒットしたという本作 ごめんなさい、映画の質は別として どこがそこまで面白いのか、よくわかりませんでした 戦争や、差別、ファシストや、共産主義に対する 風刺や皮肉が込められている…

めぐりあう時間たち(2002)

「人生に立ち向かい 、いかなる時も 人生から逃れようとせず あるがままを見つめ 、最後には受け入れ あるがままを愛し 、そして立ち去る 」 時代も居場所も違う、三人の女性のある一日の様子。 私には難解な作品でした。 この作品を理解するためには、レズ…