レインボー (2015)

目でなく心で眺める

周りは魔法だらけ

魔法が見えたらつかんで飲み込むんだよ

 

原題も「Dhanak」(虹)

10歳の姉が8歳になる盲目の弟に

角膜移植の手術を受けさせるため

300キロを旅するロードムービー

よかったです

見ず知らずの大人たちの親切に温かい気持ちになります

一方で闇組織の甘言による誘拐に巻き込まれるかも知れない怖さ

 

インド映画とは思えない(笑)

1時間40分という尺の短さも見やすい

全年代で楽しめる名作だと思います

インドの砂漠地帯にあるジェスタン州チュル村

2009年プシュカルの)事故で両親を亡くした

10歳のパリーと8歳になるチョトウ

優しいけど甲斐性なしのおじさんと、怖いおばさんに育てられています

チョトウは4歳のとき、ケチなおばさんのせいで栄養失調になり

失明していました

おじさんはおばさんの目を盗み、毎週ふたりを映画に連れて行きます

劇場で映画スター、シャー・ルク・カーンの

「角膜移植提供に協力(募金)を」のポスターを見たパリーは

弟の目を治してほしいとカーンに手紙を書きます

しかし返事は来ず

 

パリ―はチョトウを連れ

カーンが撮影ロケをしているというジャイケルメールの町まで

直接会いにいくことにします

この姉弟、とにかく口が達者(笑)

パリーは頭が良く、優しくてしっかり者のお姉さん

チョトウはかんしゃくもちで、毒舌の天才

ふたりのやりとりは、もはや漫才(笑)

 

最初に出会ったのは休憩していたトラックの運転手

パリーが「水を分けてくれませんか」と頼むと

運転手は快くペットボトルを差し出し、途中まで乗せてくれました

次に出会ったのは結婚式向かう親族と芸人たち

パリ―とチョトウを招待し、ふたりはご馳走になります

 

カーンの元劇団仲間と自称する女性宗教指導者シラタマさまの巡礼地では

警官の尋問から巡礼者の男が助けてくれたおかげで

翌朝バスに乗ることが出来ましたが

男は「姉のほうは高値で売れる」と何者かに電話します

バスを降りた先で、愛のメッセージを広めるために旅する

ヒッピーなアメリカ人と出会い意気投合

そこにシャルマという男が現れ、行く方向が同じだと言うので

パリ―とチョトウはアメリカ人にバイバイ

車で送ってもらうことにしました

ドライブ中シャルマからもらったお菓子を食べると

ふたりは激しい睡魔に襲われ眠ってしまいます

シャルマは巡礼者の男の仲間で人身売買組織の一員でした

(本当の悪人は聖人を装って人を騙す)

 

そこに遊牧民の女性現れ、ライフルで男を脅し

姉弟を自分の村に連れていきます

村では予言者のばあさまが「小太りの男が助けてくれる」とアドバイス

 

翌朝、バス停で小太り奇妙な男を見かけた姉弟

彼に付いていくことにします

その直後激しい砂嵐に襲われ、小太りな男の家に避難できたおかげで

ばあさまの予言通り、ふたりは助かりました

さらにバイクの故障で困っていた、ガイドゥ兄さんと偶然出会うと

小太りな男は(もとは修理工だった)

兄さんのバイクをあっという間に直してしまいます

小太りな男にバイバイ

兄さんのバイクに乗って撮影所に向かうパリ―とチョトウ

 

ついに撮影所に到着

しかしカーンはすでに帰ったあとでした

スタッフから教えられたカーンの行き先に向かうパリ―とチョトウ

だけど水を忘れたうえ砂漠で迷子になり、倒れてしまう

夢の中で王子様が現れ救けてくれます

パリ―が病院で気がつくとおじさんがかけつけてくれました

しかもチョトゥの目の手術まで行われることになります

 

パリ―は椅子の上に忘れられた手紙を発見

それはパリ―がカーンに宛てたものでした

微笑むパリ―

チョトゥの9歳の誕生日、包帯が取られました

うっすらとパリ―の顔が見えてくる

テーブルの上にはバースデーケーキ

ろうそくの灯に小さな虹がかかっている

 

目が見えるようにり、砂がきれいだと何度も砂を見るチョトゥに

「きれいね、この世界は」と答えるパリ―

世の中の全てがキラキラと綺麗に見えるのは

君たちの心が綺麗だからなんだよ

手術代(または募金)を出したのは、意外とおばさんかも知れません

(郵便局長が預かっていた)カーンへの手紙は

おじさんが子どもたちの夢を壊さないよう

そっと置いたものでしょう(たぶん)

 

 

【解説】ウィキペディア(英語版翻訳)より

Dhanak(レインボー)は、ナゲシュ・ククヌールが脚本・監督を務めた2015年のインドのヒンディー語の子供向けロード映画です。マニッシュ・ムンドラ、ナゲシュ・ククヌール、エラヘ・ヒプトゥーラがプロデュースしたこの映画は、ヘタル・ガダとクリッシュ・チャブリアを3人の子供として主役で兄弟姉妹を演じ、チェット・ディクソン、ヴィピン・シャルマ、ガルファム・カーン、ヴィバ・チバー、フローラ・サイニ、ヴィジェイ・マウリヤのサポートパフォーマンス。この映画は、2016年4月5日に広く肯定的なレビューを受けてインド全土でリリースされました。ダナックは、第65回ナショナルフィルムアワードで最優秀児童映画トロフィーを受賞しました。ダナックは、ベルリン国際映画祭で、ジェネレーションKplusの子供審査員による最優秀長編映画の特別言及クリスタルベアを受賞しました。