イスラーム映画

パピチャ 未来へのランウェイ(2019)

原題は「Papicha」 パピチャとは、アルジェリアのスラングで (愉快な、魅力的な、常識にとらわれない)「素敵な女性」や 「綺麗なお姉さん」のことを言うそうです タイトルからして、希望に満ちた明るいハッピーエンドかと思ったのですが 違いました 1991年…

桜桃の味(1997)

「不幸な人間はそれだけで人を傷つけてしまう」 原題は「طعم گيلاس 」(さくらんぼの味) でも作中に出てくるのは桑の実(笑) (日本語訳が違うのかな) そして突然のメイキング映像で終わるラスト 最初見た時は訳がわからなかったけど(笑) アッバス・キ…

風が吹くまま(1999)

「美しいかもしれない天国や 響きのいい約束よりも 目の前の葡萄酒」 原題は「باد ما را خواهد برد,」(風が私たちを運んでくれる) これもまたアッバス・キアロスタミの意地悪な映画 でもこの巧みな展開には唸ります、うますぎる(笑) テヘランから約700キ…

オリーブの林をぬけて(1994)

「僕の幸せはただひとつ」「君の幸せだ」「君を幸せにしたいんだ」 原題は「زیر درختان زیتون」(オリーブの木の下で) 映画作りの現場を映画にするというアイデアは フランソワ・トリュフォーの「アメリカの夜」(1973) と同じ 「アメリカの夜」は「突然炎の…

そして人生はつづく(1992)

「道はどこかへ続いているものだ」 原題は「زندگی و دیگر هیچ 」(人生、ほかに何もない) 1990年6月、イランで起きたマンジル・ラドバール地震 約4万人が死亡、約30万人が負傷、約50万人が家を失い 「友だちのうちはどこ?」の出演者の安否確認のため現地を…

ホームワーク(1989)

原題は「مشق شب」(宿題) アッバス・キアロスタミの「友だちのうちはどこ?」(1987) の次に 制作されたインタビュー・ドキュメンタリー イラン政府の検閲と妨害により映画製作が困難ななか 「子供の話なら可」という条件で撮影許可がおりたそうです 小学校を…

友だちのうちはどこ?(1987)

原題も「خانه دوست کجاست ؟」(友だちの家はどこですか?) 友だちの宿題ノートを間違えて持ち帰ってしまった少年が ノートを返すため友だちの家を探しにいくという ただそれだけのシンプルなストーリー アッパス・キアロスタミは小津安二郎のファンを公言し…

別離 (2011)

原題は「جدایی نادر از سیمین (英:Nader and Simin, A Separation)」(ネーダーとシミン、分離)ネーダーとシミンという夫婦の離婚問題と平行に介護や経済格差、宗教や女性差別という社会問題が描かれていきますそこに妊婦の転落事件にまつわるミステリーが加…

セールスマン(2016)

アプローチは「わらの犬」に似ていますが イラン映画なのでペキンパーのような過激な描写は一切ありません 作中でも国家の検閲がいかに厳しいかが描かれています それどころか、直接的な映像もなく、ただ匂わすだけのセリフ 見る側の想像力にすべて委ねてい…

花嫁と角砂糖(2011)

イラン映画といえば「別離」という作品が アカデミー賞外国語映画賞などの大きな賞をいくつか受賞したことで 話題になりましたね。 日本でも意外にも多くのイラン映画が上映されてきたようですが 私はたぶんこの作品が初体験になると思います。 アラブの国々…