(どうやって100万ドルを盗むのか)
ただ盗むのは現金でなく、100万ドルの価値はあるといわれている
チェリーニのヴィーナス像
だだし贋作
これは素晴らしい邦題で、まさしくおしゃれ
おしゃれという言葉がぴったり
舞台はフランス
衣装はユベール・ド・ジバンシー
オードリー・ヘプバーンが乗る車は1965年型アウトビアンキ EdenRoc
ピーター・オトゥール。が乗るのは1965年型
ホテルはリッツカールトン
レトロで格式ある建物、重厚でクラッシックな家具
10万ドルかけて収集した、なんと本物の「贋作」(笑)
額縁は5万ドルかけた本物のアンティークだとか
監督はウィリアム・ワイラー、音楽はジョン・ウィリアムズ
カメラはチャールズ・ラング
西部劇の悪党でお馴染みのイーライ・ウォーラックが
ほんの脇役に贅沢で高すぎるレベルの演技力(笑)
オトゥールがヘプバーンのハートを盗むのが
一番「おしゃれ」(笑)
美術館に贋作の「チェリーニのヴィーナス像」を貸し出すことになります
そのヴィーナス像を美術館が科学鑑定にかけると言い出したからおおあわて
一人娘のニコルは屋敷にゴッホの絵画を盗もうと侵入した泥棒
デルモットにヴィーナス像を盗み出すことを依頼します
しかし彼はシャルルのコレクションに疑問を抱いた美術商に雇われた
大学教授で犯罪防止の権威だったのです
見どころはやはり警備の厳重な美術館から、いかにして美術品を盗むかで
ブーメランは何に使うの?
鍵の位置の計測は何のために?
のひとつひとつの種明かしが楽しい
しかも場所はふたりが潜む
夜の美術館の狭い階段裏の物置部屋
いやでも身体は密着し、ハラハラ、ドキドキ
恋が芽ばえるのも必然なのです
化粧もかなり濃いものになっていますが
それでもチャーミングに見える不思議
2時間という時間の長さを感じさせないのも
さすがワイラー監督
女の子が休日にクッションを抱えて
甘いおやつを食べながら見るのにも、ぴったりですし
現代でも十分満足できると思います
贋作画家シャルル・ボネの家に、内偵中の私立探偵シモンが忍び込んだ。ところがたちまち、画家の娘ニコルに発見されてしまう。シモンを泥棒と信じたニコルは、美術館からビーナス像を盗み出すことを依頼する。警戒厳重な美術館に、二人は潜入することに成功するが……。オードリーのロマンティック・コメディ。