シリーズ第8作目
原題の「LIVE AND LET DIE」に
(”WE”LIVE AND LET ”THEM”DIE ”我々は”生き延び”彼らは”死ぬ)
「死ぬのは奴らだ」ってタイトル付けた井上一夫はやっぱ天才だな
サー・ロジャー・ムーアの記念すべきボンドデビュー作
登場する悪役はほぼ黒人なのは後にも先にもこれだけ
有名なワニの頭飛び越えはこれだったか(笑)
前作に続きガイ・ハミルトンが続投したせいか
サー・コネリーのイメージが強いボンドを
違和感なくすんなり演じたサー・ロジャー
(こう見えてサー・ロジャーはサー・コネリーより3歳年上)
ただしストーリーも前作に引き続き、取るに足りない内容(笑)
でもこの漫画チックさと、面白キャラの強烈な脇役が
サー・ロジャー版ボンドの魅力と言えば魅力
その証拠に今でも出演最高記録7本を保持し
その全7作品も、主題歌も、全て世界的に大ヒットしたのだから
サー・ポール・マッカートニーが歌う主題歌も
(制作者は評価していなかったらしい)
サー・ポールのコンサートではイチバン盛り上がる人気曲で
007に馴染みにない若い人たちでも聞いたことがあると思います
ハーレムの大物Mr.ビッグ(変装したDr.カナンガ)は
レストラン「フィレ・オブ・ソウル」のチェーン店で麻薬を無料で配布し
アメリカを麻薬中毒患者でいっぱいにし、その後麻薬の値段を吊り上げ
大儲けしようという計画を立てていました
Mr.ビッグの正体を知ったボンドは、彼に指示を与えている霊能者
ソリテアに会うためカリブ海に向かうことにします
英国のMI6エージェント
殺害された3人の仲間のエージェントの調査をMに依頼され
ニューヨーク、ルイジアナ、そしてカリブ海のサンモニーク島に向かう
ミス・カルーゾー(マデリン・スミス)
ボンドが自分のオフィスに連れ込んだイタリア人エージェント
(ボンドのオフィスが初めて登場しかもベッド付き、ホテルか! 笑)
Dr.カナンガ/Mr.ビッグ(ヤフェット・コットー)
スメルシュのメンバーでニューヨークのハーレムを支配する
黒人麻薬王 Mr.ビッグの正体はサンモニーク島の首相Dr.カナンガだった
サメに喰われて死ぬのかと思ったら
まさかこの場面で圧縮ガス弾が使われて膨張死するとは
ソリテア(ジェーン・シーモア)
タロットカード占いで未来を予知しカナンガに指示を与えている
(まさかのヒロインがカードゲームの名前 笑)
将来のカードに「恋人」が出てしまい(ボンドのイカサマ)
処女を失ったことで予知力を失い(カナンガは彼女を妻にしようとしていた)
ボンドと共にカナンガに命を狙われることになる
フェリックス・ライター(デヴィッド・ヘディソ)
ボンドと同じくMr.ビッグを調査しているCIAのエージェント
ボンドがやらかした破壊活動を後始末するけなげさ(笑)
ストラッター(ロン・サットン)
ニューヨークのボンドを支援するCIAエージェント
ペッパー保安官(クリフトン・ジェームズ)
ルイジアナ州保安官、品の無さはシリーズ最強
強烈なインパクトで人気が出たのか?(笑)
次作でも再登場
アダム(トミー・ライン)
ルイジアナ州でボートアクション中の007を車で追うカナンガの殺し屋
ロージー・カヴァー(グロリア・ヘンドリー)
サン・モニークでボンドを支援するCIAエージェント
実はカナンガに心を操られた2重スパイだった
サメディ男爵(ジェフリー・ホールダー)
オカマ丸出しのブードゥーの司祭、カナンガの殺し屋
ティー・ヒー(ジュリアス・W・ハリス)
義手の怪人でカナンガの用心棒
ボンドと寝台車で格闘中、義手のワイヤーをニッパ—で切られ開かなくなり
窓から放り出される(再登場しなかったので死んだのだろう)
ウィスパー(エアリー・ジョイ・ブラウン)
ソファーでどっかに消えちゃうカナンガの部下
名前の通りウィスパーボイス(ささやき)で喋る
クォレル・Jr(ロイ・スチュワート)
ジャマイカの現地諜報員
「ドクター・ノオ」でボンドを助けた現地諜報員クォレルの(おそらく)息子
Mrs.ベル(ルース・ケンフ)
ボンドが乗っ取った飛行機のおばあちゃんパイロット
M(バーナード・リー)
マネーペニー(ロイス・マクスウェル)
気になるのはQの不在ですが、理由は明かされませんでした
私は007シリーズはサー・ロジャーがデビューなんですが
なんでこんなにくだらないのに、ここまで大人気だったかというと
やれワニだ、サメだ、超人的だけどユーモラスな悪役が出てきて
小学生にもウケる面白さだったんですね(笑)
結果、お父さんが子どもにねだられ、家族で見に行く分興行成績も上がる
「スターウォーズ」が登場するまで、子どもも、大人も揃って
劇場で見て楽しめる映画は少なかったのです
そうしてそのばかばかしさへの快進撃は
次回作以降も続く(笑)
【解説】KINENOTEより
ショーン・コネリーから三代目ロジャー・ムーアにバトン・タッチされて新たに登場したシリーズ八作目。製作はハリー・サルツマン、アルバート・R・ブロッコリ、監督は「007/ダイヤモンドは永遠に」のガイ・ハミルトン、イアン・フレミングの原作をトム・マンキーウィッツが脚本化。撮影はテッド・ムーア、音楽はジョージ・マーティン、主題歌をポール・マッカートニーとリンダ・マッカートニーが作曲し、“ジェームズ・ボンドのテーマ曲”をモンティー・ノーマンが作曲している。編集はバート・ベイツ、レイモンド・ポールトン、ジョン・シャーリーが各々担当。出演はロジャー・ムーア、ヤフェット・コットー、ジェーン・シーモア、クリフトン・ジェームズ、ジュリアス・W・ハリス、ジェフリー・ホールダー、デイヴィッド・ヘディソン、グロリア・ヘンドリー、バーナード・リー、ロイス・マクスウェル、ロイ・スチュアート、B・J・アーノウ、マデリン・スミスなど。
ジェームズ・ボンド(R・ムーア)が、ベッド・メイトと楽しい時を過ごしていた時、突然三人の情報員の死の知らせと“M”の指令がとびこんできた。ボンドは急ぎ、ドクター・カナンダ(Y・コットー)と対決すべくニューヨークへ飛び立った。が、早くもその動きを察知した組織はボンドを襲った。招き入れられたレストラン、突然回転したテーブルはボンドを神秘的美女ソリティア(J・セイモア)の前に連れだした。落着きはらった彼女の手から謎のタロット・カードが開かれ、ポンドの死を告げた。即座に危機を感じたボンドはティー・ヒー(J・W・ハリス)のメカニック・アーム(義手)から逃れ、ドクター・カナンダの本拠地に潜入すべく、サン・モニクへ向かった。しかし、ボンドの行動はソリティアの超人的霊感能力によってことごとく敵に筒抜けだった。ボンドが泊った部屋には毒蛇が待ち受けていた。危機を脱した直後CIAの連絡員だというロージー(G・ヘンドリー)にであった。ボンドは彼女を二重スパイと見破ったが、実は彼女はカナンダによって心を操られていたのだ。この地に、人を寄せつけぬほどの断崖上に邸宅があった。その秘密の一部屋で、ソリティアはカナンダに占い告げていた。ボンドはすぐここに来るだろう、と。その夜、ボンドは闇に乗じて邸宅に忍び入った。ソリティアは動じる事なくボンドを迎え、タロット・カードでの火花を散らす対決が始まった。ボンドは勝利を収め、カードが示す意味同様に彼女の部屋でベッドを共にした。彼女は初めて男に身を任した事によって予言力を失うことになった。カナンダの報復は免れえない。二人は脱出した。地上、そして空中からの追跡を逃れたのもつかの間、空港での待ち伏せにであった。セスナが格納庫に突っ込む。ボンドはとっさに飛び乗った飛行機で脱出した。サン・モニクに戻ったボンドはサメディ男爵(G・ホルダー)になるブードー教の生けにえにされるソリティアの危機を知り救出に向かった。二転三転の格闘の末、カナンダは体を破裂され、サメディ男爵は蛇の群れの中で死んだ。事件の解決を見たと思われたボンドとソリティアは列車での旅の途中、最後の危機にみまわれた。しかし執念深いティー・ヒーとの格闘の末、彼を窓の外へ突き落したボンドは、今やっとソリティアと二人きりになれた。