メガロポリス(2024)

原題はMegalopolis

面白かったのはジョン・ヴォイト御大がロビン・フッドの仮装して

俺のイチモツの凄さを自慢し、弓で悪妻のオーブリー・プラザ を一撃

さらに甥のシャイア・ラブーフのお尻にも2発弓矢をお見舞いするところ

ジョン・ヴォイトが嬉々と演じていて(笑)

最低助演男優賞受賞は誇りに思っていいと思います

(「プー あくまのくまさん」でも受賞したのよね 笑)

製作監督、脚本を手がけたフランシス・フォード・コッポラ

1億2000万ドルという私財を私財を投げ売ち

自分の撮りたいように撮った・・等

公開される前からすでに話題になっていたので

今さら私が説明する必要もありませんが

コッポラは「地獄の黙示録(1979)の撮影終盤に

古代ローマで起こった「カティリナの陰謀」(カティリナ弾劾演説)から着想し

1983年にローマの叙事詩映画を作ることを決定し資料を集めはじめますが

映画の規模、技術的難易度、コッポラ自身の破産により叶いませんでした

1989年と2001年の2度、再び映画の製作を試みたそうですが

いずれもスタジオが映画の資金調達を拒否

そのため製作費をワインビジネスで築くまで待ったそうです

同じように、巨匠と呼ばれた監督が自己満足のため作った映画は

黒澤明の「夢」や、近年では宮崎駿の「君たちはどう生きるか」がありますが

私的にはこちらのほうが良かったですし、とっつきやすかった

フェデリコ・フェリーニスタンリー・キューブリックも難解ですし

そのこだわりが自己満足と批判されることもあったようです

この映画が批評家から最大級嫌われてしまった理由は

出生主義、エリート主義というものを
擁護するような内容になってることだと思います

私はこの映画を見に行く直前(2025622日朝)

トランプ大統領イランの核施設空爆したと発表した」

というニュース速報を見たこともあってか

(核施設と言えば他国を空爆してもいいと思ってるクソどもが)

ガザにトランプの金の像を立てるイメージ映像を思い出したり

フェイク映像に民衆のデモ

墜落するソ連人工衛星は、まるで空爆のようだし

メガロポリスを富裕層と移民たちを隔てる囲う高い壁

家族の絆を深めるハッピーエンドなラストも

トランプ一家を見ているようで、嫌な気分になりました

もし40年前にこの映画が作られていたら、全く違う感想だったと思います

アフターコロナの世界を見抜いた、先見の明ではないでしょうか

動く歩道は今ではあたりまえ(笑)

新素材「メガロン」とは、どんなに薄くても細くても

メガ強度を持超高張力鋼

つまりどんなに高い超高層ビルや、空飛ぶ自動車を作ることも夢物語じゃない

さらに再生医療にも使えてiPS細胞のような役割も果たすのです

映像的に特筆すべきは衣装の素晴らしさで、現代的にアレンジされた美しいトーガ
古代ローマ人が着用した一枚布を体に巻き付けるような外衣)
女性たちは神話の世界から出てきたまるで女神のよう
なのにアカデミー賞衣装デザイン賞ではノミネートさえされていないという

でもコッポラは酷評にもめげず、次回作を作る気満々らしいので
お元気で頑張って欲しいです
(脚本は違う人に任せたほうがいいと思うけど 笑)

【観覧注意 ここからネタバレ】

21世紀のニューローマでは

ローマ人は貧困の中で苦しい生活を強いられ

パリピ貴族階級とエリート階級に支配されていていました

新素材「メガロン」の発明でノーベル賞を受賞した建築家の

カエサル・カティリナ(アダム・ドライバー)は

スラム街から住民を立ち退かせ、新都市メガロポリス」を建設して

ニューローマを活性化しようとしています

そのビルの解体現場でカエサルと同じく時間が止まったのを見た

ニューローマ市長の娘ジュリア(ナタリー・エマニュエル )は

カエサルに特別なものを感じます

カエサルのモデルは、「賽は投げられた」や「ブルータスお前もか」

などの名言で有名な古代ローマ時代の政務官ユリウス・カエサル

1年は365日と1/4日というユリウス暦を定めたことから

「時間」に関係していることと

時間を止める能力があるのは、ニーチェ的「超人」思想
ということでしょうか

カエサルと新都市開発計画に反対している

ニューローマ市長フランクリン・シケロ(ジャンカルロ・エスポジート)

フランクリンが地方検事だった頃から因縁の仲

カエサルの妻が車ごと川に落ちた事故で

当時担当だったフランクリンが(女遊びが過ぎた)カエサル

(証拠不十分で無実になったものの)妻殺しで起訴した過去がありました

カエサルの恋人のワオ(オーブリー・プラザ)が司会する討論型の番組で

カエサルはメガロンを使ったユートピア的な都市主義を語り

一方のフランクリンはカジノを作ったほうが税収をもたらすと主張します

 

ワオはカエサルの叔父で、クラッスス国立銀行の頭取

世界一の富豪でもあるクラッスス3世(ジョン・ヴォイト)に

インタビューしたのをきっかけに、クラッススと結婚します

財産目当なことは決まっています(笑)

結婚式はコロシアムのような劇場で盛大に行われ

そこで新都市開発の資金調達のため

結婚まで処女を守り夫に尽くすという条件で

ピューリタン(自己に対して厳格で潔癖な人)の男性相手に

16歳のポップスター、ヴェスタ(グレース・ヴァンダーウォール)の

オークションが始まります

(未成年の娘を買うことのどこがピューリタンなんだという認識のズレ)

どんどん値は上がり、ついに1000億ドル

そのときクラッススの甥(カエサルのいとこ)でポピュリスト

(既存の政治や体制を批判して庶民を煽り支持を集める政治家や運動家のこと)

クロディオ(シャイア・ラブーフ)が(女装が似合いすぎる 笑)

カエサルを陥れよるためヴェスタとのベッドシーンの映像を流します

オークション会場は荒れ、男たちから暴行を受けるカエサル

フランクリンはカエサルが未成年をレイプした逮捕します

カエサルの建設事務所で働き始めたジュリアはカエサルに好意を抱くようになり

彼の無実を晴らすため(市役所の戸籍?を調べ)ヴェスタが16歳ではなく

23歳だという書類を見つけると、父親に突きつけカエサルを救います

 

カエサルは激しく殴られたせいで時間を止める能力を失ってしまい

落ち込むカエサルにジュリアは私のために時間を止めてと励まします

カエサルはジュリアと一緒なら時間を止められることを発見すると

ジュリアにキス、ふたりは愛し合うようになります

間もなくしてソビエトの古い衛星カルタゴがニューローマに墜落

街の大部分が破壊され、カエサルはそこに「メガロポリス」を作る支持を集めるため

テレビに主演すると、より良い世界と生活が可能になることを主張

しかし家を失い路上での生活を強いられているローマ人にとって

メガロポリスの莫大な建設費は納得いくものではありません

全て自分たちが支払っている税金なのです

クロディオは側近のアラム(バルサザール・ゲティ)と共に

メガロポリス」に反対する群衆に金を配ると

カエサルを倒すためローマ人たちを扇動します

クロディオの行動はクラッスス銀行の後を継ぐため

クラッススに認めてもらおうと、やってるにしかすぎないのですが

群衆のクロディオへの支持が高くなっていくほど

彼の言動はポピュリスト的なものから

ファシズム的なものになっていきます

ジュリアは妊娠し、父親とカエサルを和解させようとしますが

カエサル思想を理解できず、彼の過去の女性関係を許せないフランクリンは

カエサルにジュリアと別れてくれと懇願します

条件にカエサルの自殺した妻の遺体が見つかっていたにもかかわらず

フランクリンはそれをジェーンドゥ (身元不明の女性)として

カエサルを起訴するため隠蔽したことを打ち明け、その証拠を渡します

それを公表すればフランクリンは地位も身分も失います

それほど娘をカエサルと結婚させたくないのです

ジュリアは両親のもとに戻りますが

ホテルの前でカエサルと運転手(ローレンス・フィッシュバーン )を見かけ

駆け寄ろうとします

そこに12歳だという(クロディオに雇われた)少年が

カエサルサインを求めにやってきてカエサルの頭を撃ち抜いて去ります

 

ジュリアは助けを求め、カエサルは彼の担当医師たちによって

メガロンを使った頭蓋骨再生手術が行われます

(あれで死ななかったの?それとも死んでも助かるの?

カエサルが死んだと思った?フウはクラッスス銀行のカエサルの口座を凍結

クラッススの屋敷にお金を取り戻しに来たカエサル

ターミネーターみたいでカッコいいと思ったんだけど(笑)

なぜかすぐに元の顔に戻っている

それだけメガロンが凄い物質なのか、単にCG予算がなくなったのか(笑)

クロディオを誘惑されたワオがクラッスス

クラッスス銀行のCEOと会長の権利をクロディオに譲る書類に

サウナにそんな重要な書類持ってくるか? 笑)

サインするよう頼むと、クロディオが髪の毛を切っただけであっさりOK

クロディオが自分を騙そうとしていることに気付き怒りだすと

脳卒中を起こして倒れてしまいます

農神祭の日、ワオとクロディオが

寝たきりでロビンフッドの仮装をしたクラッススをからかうと

クラッススは衣装の下に隠した弓矢でワオを殺し

クロディオのお尻にも矢を2本刺し負傷させます

そこから物語は急展開を迎えます

ジュリアは女の子を出産しサニー・ホープと名付けます

クロディオの支持者たちは暴動を起こし市庁舎を襲撃

フランクリンは妻とジュリアとサニー・ホープを連れ地下鉄で避難

暴徒たちの前に現れたカエサルが、より良い未来を信じようと演説をすると

カエサルの言葉に人々は奮い立ち

民衆の怒りの矛先はクロディオに向けられます

逆さ吊りにさせられるクロディオ

クラッススカエサルに財政支援することを証明し

(寝たきりだったのに起き上がれるようになったんかい 笑)

民衆とフランクリンからの支持を得たカエサルメガロポリスを完成

フランクリンは嫌がっていた歩く歩道にやっと乗ります

カエサルとジュリアは正式に結婚し

晦日の日、カエサルとジュリアは時間を止めますが

サニーホープだけは元気に動き回っていました

それはサニーホープカエサルとジュリアと同じ

「超人」という証なのでしょう

 

 

【解説】映画.COMより

巨匠フランシス・フォード・コッポラが40年をかけて構想したSF叙事詩アメリカをローマ帝国に見立てた大都市ニューローマを舞台に、理想の新都市メガロポリスを通じて未来への希望を描き出す。
21世紀、アメリカの大都市ニューローマでは、富裕層と貧困層の格差が社会問題化していた。新都市メガロポリスの開発を進めようとする天才建築家カエサル・カティリナは、財政難のなかで利権に固執する新市長フランクリン・キケロと対立する。さらに一族の後継を狙うクローディオ・プルケルの策謀にも巻き込まれ、カエサルは絶体絶命の危機に陥る。コッポラ監督がH・G・ウェルズ原作の映画「来るべき世界」に着想を得て1980年代より脚本を構想し、2001年には撮影準備を進めていたが9・11同時多発テロの影響で中断。そのまま頓挫の危機に陥ったが、2021年にコッポラ監督が私財1億2000万ドルを投じて製作を再始動させ、2024年についに完成させた。「スター・ウォーズ」シリーズのアダム・ドライバーが天才建築家カエサル役で主演を務め、彼と対立する市長キケロ役でドラマ「ブレイキング・バッド」シリーズのジャンカルロ・エスポジートキケロの娘ジュリア役でドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」シリーズのナタリー・エマニュエルが共演。2024年・第77回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。

2024年製作/138分/PG12/アメリ
原題または英題:Megalopolis
配給:ハーク、松竹