ありがとう、サー・ロジャー・ボンド
ありがとう、ロイス・マックスウェル・マネーペニー
シリーズ第14作目
原題は「A VIEW TO A KILL」(殺しへの眺め)
「オクトパシー」のやりすぎで時代との誤差を少しは感じたのか(笑)
再びジョン・グレン色を取り戻したもののマンネリ感を拭うことはできず
「007はオジサンの見る映画」と評される時代に突入
そこで当時絶大な人気だったデュラン・デュランに主題歌を歌わせ
興業のためにはなんのプライドも恥もないわけですが(笑)
ここまでやり遂げたのは、サー・ロジャーのサービス精神のおかげ
実際サー・ロジャーボンドの伝説も多くあるそうで
カビー・ブロッコリら制作者、スタッフとも関係が良好なうえ
自他共に認める運動音痴については各所で
「アクション映画はいい、危険なシーンはスタントがやってくれる」
と自虐ネタ (スタントチームへの賛美)を披露
そんな人柄からか、スタントチームからは
サー・ロジャーは本人が言うほどスタントに消極的ではない
むしろティモシー・ダルトンの方スタントに任せきり、と
何か理由でもあるのかダルトンに矛先が向く(笑)
003がソ連の雪山で遭難し、彼が持っていたICチップをボンドが回収
そのことに気づいたソ連軍がボンドを追いかけるが逃げ延びるボンド
そのICチップは電磁波力の影響を受けない特別なチップで
ボンドは製造元である「ゾリン産業」を調査することになります
競馬場でゾリンと謎の女性メイデイを発見
そこではゾリンの所有している馬が勝ちます
(八百長と思われる)
その後パリでゾリンを調査している探偵がいると知ったボンドは
彼から、常人離れした能力を持つゾリンとメイデイは
ナチ収容所で「ステロイドによる知能向上のための遺伝子実験」によって
産まれたステロイド児だと聞かされます
しかし探偵は話が終わる前に毒針によって殺されました
犯人はメイデイでした
パリから再びサンフランシスコに向かったボンドは
ゾリン所有の馬のオークションや、馬小屋を調べるうち
ゾリンに捕らえられてしまいます(殺されないのはお約束)
そしてゾリンがIC製造と販売と国際カルテルを牛耳るため
地下道を掘り海水を取り込んだあと地震を起こし
シリコンバレーを水没させる計画を知るのです
主題歌「A View to a Kill」 (デュラン・デュラン)
本作がファイナル・アピアランス
マックス・ゾリン(クリストファー・ウォーケン)
ソ連から亡命した実業家、ナチの遺伝子実験の産物
シリコンバレーを破壊し、エレクトロニクスの分野でトップに立つことを企んでいる
メイデイさえもいとも簡単に裏切る冷淡で狂人的な性格
ステイシー・サットン(タニア・ロバーツ)
石油大物の孫娘、ゾリンに不正に会社を奪われ復讐に燃えている
ゾリンを倒すためボンドに協力する
メイデイ(グレース・ジョーンズ)
ゾリンの恋人であり、忠実な僕で優秀な殺し屋
ゾリンに裏切られたことにショックを受け、最後はボンドの味方に付き爆死する
あまりのビジュアルのインパクトの強さに
見終わった後は彼女しか印象に残らない(笑)
ジェニー・フレックス(アリソン・ドゥーディ)
メイディのアシスタントのひとり
パン・ホー(パピヨン・ソー・ソー)
メイディのアシスタントのひとり
スカーピン(パトリック・ボーショ)
ゾリンの部下で殺し屋
カール・モートナー博士(ウィロビー・グレイ)
ナチスの科学者でゾリンの父親
ボブ・コンリー(マニング・レッドウッド)
チャック・リー(デヴィッド・イップ)
サンフランシスコでボンドとステイシーを支援するCIAエージェント
ポーラ・イワノバ(フィオナ・フラートン)
ゴゴール将軍が派遣したKGBエージェント
「NIPPON RELAXATION SPA・HOT TUBS」という看板のある場所で
その名の通りお風呂でくつろぐボンド(笑)
ベンツ(ドルフ・ラングレン)
KGBの殺し屋
M(ロバート・ブラウン)/ティベット卿(パトリック・マクニー)
右=M
中央=ティベット卿
馬のトレーナー、ボンドがゾリンの屋敷や厩舎に潜入するのを手伝う
Q(デスモンド・リュウェリン)
マネーペニー(ロイス・マクスウェル)
本作がファイナル・アピアランス
ゴゴール将軍(ウォルター・ゴテル)
ボンドにレーニン勲章を授与したい考えをMに伝えるが
Mはボンドが行方不明であることを理由に辞退する
クリストファー・ウォーケンの怪演もだけど、何と言っても見どころは
シリーズいち笑いを忘れないアクション
車の前半分だけで走るカーチェイス
消防車の梯子にぶら下がるハードなスタントしながら
運転中のおじさんのカツラを蹴り飛ばしハゲをさらしたり
停車中のカップルの車の屋根を吹っ飛ばしたらエチしていたり
幸せなカップルの結婚式にお邪魔して台無しにしてしたり
飛行船からロープでぶら下がるシーンでは避雷針に股間をぶつけてしまう(笑)
さらば、お茶目でコミカルで
愛しきジェームズ・ボンドよ
【解説】KINENOTEより
地球破壊を狙う実業家ゾリンとイギリスの諜報部員ジェームズ・ボンドの対決を描くスパイ・アクション。“007”シリーズ第14作目。製作はアルバート・R・ブロッコリ。エグゼキュティヴ・プロデューサーはマイケル・G・ウィルソン。監督は「オクトパシー」のジョン・グレン。イアン・フレミングの原作を基にリチャード・メイバウムとマイケル・G・ウィルソンが脚色。撮影はアラン・ヒューム、音楽はジョン・バリー、主題歌はデュラン・デュランが担当。出演はロジャー・ムーアなど。
極寒のロシア氷河からの脱出に成功してイギリスに戻った諜報員“007”ことジェームズ・ボンド(ロジャー・ムーア)は、休む間もなく、M(ロバート・ブラウン)と国防相に呼ばれた。英国が開発した防衛システムに不可欠のマイクロチップが奪われたが、どうやらKGBが関係しているらしいというのだ。早速調査を依頼されたボンドは、その事件に、大富豪のマックス・ゾリン(クリストファー・ウォーケン)が関わっていることをキャッチ、ゾリンをマークすることにする。彼は石油で大もうけし、それを基にエレクトロニクスと高度技術を開発し、さらに競馬で巨大な財産を築いた実業家であり、一方では反共産主義者として知られていた。ロイヤル・アスコット競馬場でゾリンの持ち馬が次々と勝ち続けるのを目にするボンド。フランスの競馬クラブが、ゾリンの勝ち方に疑問をもち探偵オーベルジン(ジャン・ルジュリ)を雇って調査にのり出すが、オーベルジンは何者かの手によって殺された。Mから紹介されたチベット(パトリック・マクニー)と共にゾリンの種馬飼育場に乗り込むことに成功したボンドは、そこでゾリンの忠実な部下、スカーピン(パトリック・ボーショウ)や飼育コンサルタントのカール・モートナー博士(ウィロビー・グレイ)等に会った。ゾリンの所有する豪華な城での種馬オークションが終了すると、ミステリアスなアメリカ美女、ステイシー・サットン(タニア・ロバーツ)が到着。ボンドは彼女に500万ドルの小切手が渡されるのを見た。その夜、ボンドとチベットは、ゾリンの馬が勝つ秘密を知り、さらに木箱につめられたマイクロチップを目撃する。しかし、チベットは、ゾリンの片腕、メーデー(グレース・ジョーンズ)に殺され、ボンドもピンチに遭う。一方、ゴーゴル将軍(ウォルター・ゴテル)は、ゾリンが反ソに転向したもとKGBのスパイであることをつきとめた。サンフランシスコ郊外にあるシリコン・バレーを破壊して、一挙に電子科学の分野を制圧、世界を征服しようと企みアメリカに渡ったゾリンを追うボンド。ステイシーは市の地質に関する資料をゾリンに提供していたのだが、ゾリンの正体を知らされた彼女はボンドの目の前で13億円もの小切手を破り捨て、二人はシリコン・バレーへと急ぐ。シリコン・バレーの地下鉱山では、大爆発の準備が進められていた。ゾリンはそこで側近以外の部下をすべて射殺。裏切られたと知ったメーデーはボンドらに協力し、自らは爆裂死を遂げる。ステイシーを人質にしたゾリンは飛行船で逃げるが、金門橋上で遂にボンドと格闘することになり、激闘の末、ゾリンは滅びた。