「世界をあげたのに」
「世界じゃ不足だ」
シリーズ第19作
原題の「The World Is Not Enough」(世界を手に入れても足りない)は
ボンド家に伝わる家訓のこと
ブロスナン・ボンドにしては、後のダニエル・クレイグを思わせる
(脚本は全クレイブ版を手掛けたニール・パーヴィス )
シリアスでやや複雑なストーリー
しかもまさかのメイン・ボンド・ガールが人格障害で
ボンドが射殺してしまうという後味の悪さ
が、カジノから出てくるスズキムネオ風?や
コントにしか見えない建物の崩壊や自動車の破壊
気球で爆死、バグパイプバズーカに潜水艦ドリル、ノコギリヘリコプター
〆は女性の裸も覗けるサーモグラフィーという(笑)
おバカアイテムとツッコミどころは相変わらず
Mが誘拐されたり、意外な所でボンドが拉致されるのは
今までにない展開でよかったけど
ハードな面を強調したかったのか
いつもの女好きで洒落た娯楽アクションにしたかったのか
どっちもつかずで中途半端
正直、失敗作だと思います(面白くないわけではない)
ロシアからヨーロッパへ石油を運ぶ
石油王キング卿が”レナード”と呼ばれる国際テロリストに殺されます
さらに”レナード”はカザフスタンの核燃料解体処理施設から核弾頭を盗み
パイプラインを爆破させようとしていました
やがてそのことはキング卿の娘で後継者であるエレクトラ嬢が
”レナード”と仕組んだ自作自演であることがわかります
ふたりは核爆弾でパイプラインを破壊し
世界を混乱に陥れようと企んでいたのです
主題歌「The World is Not Enough」ガービッジ
007/ジェームズ・ボンド(ピアース・ブロスナン)
本作のメイン・ボンド・ガール
ボンドが護衛する巨大石油パイプラインの相続人で
ストックホルム症候群、”レナード”に洗脳されている
(女児が父親に対して強い独占欲的な愛情を抱くこと)
だけど父親との確執がセリフだけでサラッと終わるので
憎しみが伝わらない(笑)
ハボール(ジョン・セル)
エレクトラのボディーガード
ロバート・キング卿(デヴィッド・カルダー)
イギリスの石油王でエレクトラの父親
”レナード”に殺される
ラシェーズ(パトリック・マラハイド)
キング卿の盗まれた大金を取り戻そうとするスイスの銀行家
クリスマス・ジョーンズ(デニス・リチャーズ)
おバカなネーミングは本作でも健在(笑)
頭良さそう(物理学者)に見えないけど、核の専門家
しかも男に関心ゼロなのに、その格好はないだろ(笑)
ヴィクター・ゾーカス 通称”レナード”(ロバート・カーライル)
元KGBエージェントのハイテクテロリスト
パイプラインを破壊して世界を混乱に陥れようという企んでいる
かってエレクトラを誘拐し、彼女に好意を抱かれている
「痛みを感じない」というアイディアはよかったものの
放っておけば死んでしまう設定なので
その機能は発揮されないまま終わる
ドクター・ウォームフラッシュ(セレナ・スコット・トーマス)
MI6エージェントで医師
レナードの脳内の弾丸が彼を無敵に見せていることを証明
アカキエヴィチ大佐(クロード=オリバー・ルドルフ)
ズコフスキー(ロビー・コルトレーン)
ボンドがレナードの情報を探ろうと接触する
元ロシアンマフィアでカジノのオーナー(ゴールデンアイから再演)
ブル(ゴールディー)
ズコフスキーのボディーガード
シガー・ガール(マリア・グラツィア・クチノッタ)
ボンドと銀行家に葉巻を渡し殺そうとした
”レナード”のために働くプロの暗殺者
ダヴィドフ(ウルリク・トムセン)
アゼルバイジャンのパイプラインの治安責任者
”レナード”の連絡係
M(ジュディ・デンチ)
ピンチになるシーンは、後のスカイフォールで再現
ビル・タナー(マイケル・キッチン)
Mの参謀総長
チャールズ・ロビンソン(コリン・サーモン)
Mの副参謀長
Q(デスモンド・リュウェリン)
シリーズ17作に主演した本作が遺作 (交通事故で死亡)
お疲れさま、そして最期までありがとう
R(ジョン・クリーズ)
引退間近のQに代わって配属
新たなボンドカー(BMWZ8)をボンドに提供
「2000年問題による誤作動かもしれない」の返しは秀逸
(懐かしいね、2000年問題 笑)
マネーペニー(サマンサ・ボンド)
Mの秘書
シリーズいち豪華なボンドガールなのに
ソフィーマルソーの悪女っぷりには最後までイライラ(笑)
ロバート・カーライルも微妙に気持ち悪い(笑)
エレクトラを射殺したボンドは、レナードが奪った潜水艦に侵入
クリスマスを救い出し、レナードを倒します
潜水艦から脱出したボンドとクリスマスは祝杯をあげるのでした
【解説】KINENOTEより
英国諜報部MI6の諜報員007ことジェームズ・ボンドの活躍を描くシリーズ第19作。監督は「ネル」のマイケル・アプテッド。脚本は「トゥモロー・ネバー・ダイ」のブルース・フィアステイン、ニール・パーヴィス、ロバート・ウェイド。原案はパーヴィスとウェイド。製作のバーバラ・ブロッコリとマイケル・G・ウィルソンと音楽のデイヴィッド・アーノルドは「トゥモロー・ネバー・ダイ」に続く参加。撮影はエイドリアン・ビドル。美術は「タイタニック」のピーター・ラモント。編集はジム・クラーク。出演は「トゥモロー・ネバー・ダイ」に続きピアース・ブロスナン、「ファイアーライト」のソフィ・マルソー、「ワイルド シングス」のデニーズ・リチャーズ、「フル・モンティ」のロバート・カーライル、「危険な動物たち」のジョン・クリーズに加えて、レギュラー陣のデズモンド・ルウェリン(本作撮影後に死去し、遺作となった)、ジュディ・デンチらが登場。
MI6本部内で石油王ロバート・キング卿が爆殺された。ジェームズ・ボンド(ピアース・ブロスナン)は作戦会議上で、M(ジュディ・デンチ)から事件の主犯が元KGBのテロリスト、レナード(ロバート・カーライル)であることを知らされ、彼が卿の娘エレクトラ(ソフィ・マルソー)を狙っていることを知る。父の後を継ぎ、ロシアから中近東、ヨーロッパとまたがる巨大石油パイプラインの計画に取り組むエレクトラの護衛についたボンドだが、ミステリアスな彼女に翻弄されながらもお互いにひかれていく。そんな矢先、レナードが核研究所から大量のプルトニウムを盗んだ。クリスマス・ジョーンズ博士(デニーズ・リチャーズ)と行動を共にしたボンドは、レナードが核兵器を作り上げ、世界を危機に陥れる計画を立てていることを知る。かくしてボンドはレナードの陰謀を阻止すべく奔走し、事件の背後に隠された意外な事実を知るのだった。