シリーズ第17作
原題も「Golden Eye」(黄金の目)
EMP(電磁パルス)爆弾搭載の(架空の)衛星秘密兵器のこと
EMP爆弾とは、原爆と同レベルの電磁波を発生する化学兵器で
広範囲にわたる電子機器の基盤を破壊
工場生産や流通、通信はもちろん
(人体に直接影響しない)未来型非殺傷兵器のこと
そこまで大がかりな化学兵器を開発しなくても
ロシアや中国という大国に
エネルギーや食物や生産力を頼らなければならない現実が
今ではわかりましたけど
冒頭のエピソードは、1986年
しかし任務達成の為、007は006を残したまま工場を爆破します
そして9年後
盗まれたNATOのヘリコプターによってロシアの基地が襲われ
(わざわざNATOから盗む必要があったのか 笑)
秘密兵器「ゴールデンアイ」の起動キーが
ロシアンマフィア「ヤヌス」によって奪われてしまいます
起動を防ぐため007は再びロシアに飛びますが
そこに立ち塞がったのは、死んだと思っていた006でした
主題歌:ティナ・ターナー「GoldenEye」 (詞曲はU2のボノとジ・エッジ)
007/ジェームズ・ボンド (ピアース・ブロスナン)
- 5代目ボンド
- 「ウォッカマティーニ、ステアでは無くシェイク」
- 「ボンド、ジェームズ・ボンド」のお約束は守られている(笑)
- ナターリア(イザベラ・スコルプコ)
本作のメイン・ボンドガール
セヴェルナヤの宇宙センター研究所に勤めるプログラマー
ゴールデンアイの攻撃を生き延びる
オナトップ(ファムケ・ヤンセン)
ボンドがマークしていたグルジア人女性
サディスティックな性癖があり、太ももで相手を窒息死させるのが好き
シリーズ最強インパクトボンド・ガール
オナトップとは「you're on the top(貴方が上に乗って)」
=騎乗位という意味だそうです(笑)
本作での黒幕
ボンドとの作戦で死を偽り「ヤヌス」と名乗る犯罪シンジケートを設立
- 両親は旧ソ連で迫害を受けていたコサックで
- 第二次世界大戦ではナチス・ドイツに協力
- ナチス敗戦後は大勢のコサックと共にイギリスに亡命
- しかしイギリスは裏切り、コサックをソ連に引き渡してしまいます
- 大勢のコサックはソ連で処刑され、生き残った両親は罪の意識で自殺
- イギリスに復讐を誓ったアレックはMI6のエージェントとなり
- 二重スパイとして働くようになります
ジャック・ウェイド (ジョー・ドン・ベイカー)
ボンドと任務に就いたベテランCIA将校
ヴァレンティン・ズコフスキー(ロビー・コルトレーン)
ロシアの元KGB将校でギャング
「ヤヌス」とボンドの会談を手配する
ボリス・グリシェンコ(アラン・カミング)
ナターリアの同僚のエンジニアで友人
実は「ヤヌス」の協力者だった
アーカディ・グリゴリビッチ・ウルモフ(ゴットフリード・ジョン)
キャロライン(セレナ・ゴードン)
ボンドが誘惑するMI6の心理精神医学的評価者
M(ジュディ・デンチ)
新任のダブルオーセクション長でボンドの上司
MI6で長年分析官を務めていたため「数字の魔女」とあだ名されている
- Q (デスモンド・リュウェリン)
MI6研究開発部門責任者
ビル・タナー(マイケル・キッチン)
Mの首席補佐官
マネーペニー(サマンサ・ボンド)
Mの秘書
シリーズ最強「ボンド推し♪」キャラ(笑)
「消されたライセンス」の興行の失敗をもとに
毎回監督を変えるという「エイリアン」シリーズ方式?を導入
さらにCGの進歩で、人間技を越えたアクション時代の到来
戦車で脱出して市街地の行進はもはやコント
でもネクタイを直す姿はたまらない(笑)
機関銃を撃ちまくりは、アメリカ的すぎて悲しかった
その甲斐あって、本作からのシリーズは若者からも受け入れられ
(任天堂64のおかげかも知れない 笑)興行成績は大幅にアップ
その人気はダニエル・グレイブ版まで引き継がれることになります
こちらは往年の007ファンから、評判悪いみたいですね(笑)
ボンドとナターリアもキューバへ向かい
セスナ機で(ゴールデンアイ起動のための)パラボラアンテナを探しますが
全く見つけることができなうえ
突如攻撃を受けジャングルに墜落、オナトップから襲撃されます
一方、アレックと将軍は
湖の底に隠していたパラボラアンテナと基地を出現させ
ゴールデンアイを使ってロンドンを攻撃しようとしていました
オナトップを倒し基地に向かったボンドは
ヤヌスがボリスを使って不正アクセスによりロンドン銀行から大金を引き出させ
その記録をゴールデンアイで隠蔽する計画だったことを知ります
(やってることは単なる泥棒じゃねえか 笑)
ナターリアはゴールデンアイのプログラムを書き換える事に成功
ゴールデンアイを大気圏で自爆させます
基地を爆破したボンドはパラボラアンテナの上でアレックと対決
死闘の末(Qのボールペン爆弾が活躍)
アレックはアンテナの下敷きになり死亡
ボンドとナターリアはCIAのヘリコプターに救出されるのでした
「007は二度死ぬ」じゃなくて
「006は二度死ぬ」かよ(笑)
プレイボーイで、お茶目で、洒落たセリフのボンド復活
相変わらずツッコミどころも満載
娯楽作品として安定した面白さに間違いありません
【解説】allcinema より
「007/消されたライセンス」以来、6年のブランクをおいて製作された新生007の第1弾。殆どのスタッフ・キャストを一新させた意欲作で、5代目のジェームズ・ボンドには、以前より噂のあったP・ブロスナン(TV「レミントン・スティール」)が選ばれ、監督にはTV「刑事ロニー・クレイブン」で注目を集めアクション大作「ノー・エスケイプ」で全米ヒットを飛ばしたM・キャンベルがあたった。“ゴールデンアイ”と呼ばれる電磁波攻撃用の衛星システムをめぐって、ヨーロッパから南米へと飛び交うボンドの活躍を描く。
「007/私を愛したスパイ」以降、どんどんジリ貧になっていくシリーズを憂えての判断だが、その新たな方向性は正しかったと言えるだろう。すでに死語と化している“スパイ”を現代で大活躍させるという、そのリアリティと絵空事のバランスは申し分なく、普通の刑事や警官が大惨劇を独りで救うという作品を見馴れた分には、ヒーロー然とした主人公の持つケレン味は心地よい。旧ソ連で展開されるオープニング、ペテルブルグの戦車チェイス、クライマックスのスペクタクル(「サンダーバード」などで天才的なミニチュア・ワークを見せたデレク・メディングスの遺作となった)とアクション・シーンも好調。ブロスナンは線の細さを残すものの、若々しく新鮮なボンド像を提供している。女優陣では、ボンドに協力するロシアのコンピュータ技師に扮し最初から最後まで爆破ぜめに合うI・スコルプコも悪くないものの、色情狂めいた野性味あるF・ヤンセンの悪女ぶりがいい。上司Mも女性に代わり、とにかく“新しい007”にこだわったスタッフの健闘が光る。そして、唯一ヘンな秘密兵器ばかり造っているQ(D・リュウェリン)の姿に、従来のファンは嬉しくなるだろう。リュック・ベッソンとのコンビでお馴染のE・セラによる音楽も、控え目ながら好印象を残す。主題歌はティナ・ターナー。