シリーズ第10作目
原題も「THE SPY WHO LOVED ME」
サー・ロジャーボンドで最も人気評価が高い作品で
特にオープニングの掴みは最高
核ミサイルを搭載したイギリスの原子力潜水艦「レンジャー」と
同じくソ連の原子力潜水艦「ポチョムキン」が相次いで消息を絶ちます
KGBのトップが調査のため凄腕エージェント「トリプルX」に電話すると
電話に出た男は「仕事」でオーストリアに行くと
ベットを共にしていた女に伝え、次に男から女が電話を受けとる
アンタが「トリプルX」だったんかい(笑)
一方、英国では国防大臣がMに潜水艦の捜索を命じ
Mはボンドを呼び出すことにします
オーストリアの山小屋で女性バカンスを楽しんでいたボンドは
渋々女と別れ小屋を出ていき、スキーで山を滑り降りると
待ち伏せしていたロシアのエージェントたちが発砲しながら追ってくる
ボンドはストックに仕込んだ銃で相手を倒し、断崖絶壁から落下
絶体絶命と思いきや、ユニオンジャックのド派手なパラシュートが開く
(オマエ、本当にスパイか 笑)
そこで「♪誰もあなたにはかなわない♪」と
スイートにカーリー・サイモンが歌うタイトルクレジット(笑)
英国軍艦にヘリコプターで降り立ったボンドは
何者かに「レンジャー」の航路が完全に読まれていたと聞かされ
その潜水艦追跡システムのマイクロフィルムが売られていたという
カイロに向かいます
同じ頃「トリプルX」ことアニヤ・アマソヴァ少佐もカイロに派遣され
英ソ協力のもと両国の原子力潜水艦の行方を探すことになります
(砂漠のシーンでは「アラビアのロレンス」のテーマ曲を流すサービス 笑)
しかしオーストリアで恋人がボンドに撃たれ死んだことを知ったアニヤは
「これが終わったら殺すわ」とボンドに宣言するのでした
ジェームズ・ボンド(ロジャー・ムーア)
MI6エージェント、英ソ両国の潜水艦捜索のミッションを与えられる
アニヤ・アマソヴァ(バーバラ・バック)
英国情報部の内部情報にかなり詳しい
セルゲイ・バルゾフ(マイケル・ビリントン)
ゴゴール将軍(ウォルター・ゴテル)
KGBのボスでアニアの上司
東西冷戦期であったが英国と協力しあう決断を下す
ログキャビン・ガール(スー・バナー)
オーストリアの山小屋でボンドとベッドを共にする女性
実はKGBのエージェント
ストロンバーグ(クルト・ユルゲンス)
ストロンバーグ商船を率いる海運王
海を愛するあまり、海底都市を建設しそこに人類を移住させ
新しい文明を築くという誇大妄想を実現させるため
核ミサイルで世界を破壊しようとしている
ストロンバーグに雇われた殺し屋
強人な肉体と鋼鉄の歯を持ち、武器は一切使わず敵を噛み殺す
ストロンバーグの基地アトランティスが破壊されたとき海に投げ出されるが
泳いで姿をくらます
次作「007 / ムーンレイカー」にも登場
ナオミ(キャロライン・マンロー)
ストロムバーグの愛人で専属パイロット、殺し屋
シェイク・ホセイン(エドワード・デ・ソウザ)
ボンドの古い友人、ケンブリッジの同級生
フェケシュ(ナディム・サワラ)
追跡システムの所有者マックス・カルバに会うための仲介人
ジョーズに殺されてしまうが、彼の手帳からマックス・カルバの居場所を知る
マックス・カルバ(ヴァーノン・ドブチェフ)
カイロのナイトクラブのオーナー
ストロンバーグの秘書が売った追跡システムを持っていたが
カーター艦長(シェーン・リマー)
「ウェイン・E・マイヤー」(アメリカ海軍のミサイル駆逐艦)艦長
英潜水艦「レンジャー」の捜索協力のためボンドとアニヤを艦に乗せるが
妨害電波によりストロンバーグの巨大貨物船「リパラス号」に拿捕(だほ)される
そこには行方不明の英ソの潜水艦があり乗組員たちが監禁されていた
タルボット(ブライアン・マーシャル)
「レンジャー」のキャプテン
Q(デスモンド・リュウェリン)
アニヤがQのことを「ブースロイド少佐」と呼ぶシーンがあり
Qが軍人であることと、Qの本名がわかる
M (バーナード・リー)
マニーペニー(ロイス・マクスウェル)
ジョーズを倒しシステムを奪ったボンドとアニヤでしたが
気を許したボンドに煙草の先から薬を浴びさせ、システムを持ち去るアニヤ
しかし英ソ、そしてアメリカ海軍のもと
ふたりは再び協力し合いストロンバーグのリパラス号を探ることになります
しかし囚われたリパラス号で正体がばれたアニヤは
ストロンバーグによって海洋基地「アトランティス」に連れ去られてしまいます
(拉致されたのになぜかセクシードレス姿 笑)
ボンドは収監されている英ソの乗組員を解放し
武器庫から銃を取り出しリパラス号の船員たちを制圧
核ミサイルの起爆装置で司令室の壁を爆破し、敵の司令官も爆死し
ボンドとカーター艦長はそれぞれの潜水艦の攻撃目標の座標を
お互いの潜水艦に変更、海中でお互いの原子力潜水艦を衝突爆破させ
(海洋汚染シリーズが止まらない)
アニヤを助けるため「アトランティス」に向かうのでした
ラストの、豪華な救命ボートはいいなあ(笑)
なるほど、アニヤの「殺す」っていうのは
「昇天させる」って意味だったのね(笑)
【解説】KINENOTEより
KGBの美女スパイと共に敵地へ乗り込んでいくJ・ボンドの姿を描く「007」シリーズ第10弾。製作はアルバート・R・ブロッコリ、監督は「暁の7人」のルイス・ギルバート、脚本はクリストファー・ウッドとリチャード・メイバウム(ノヴェライゼーション/クリストファー・ウッド著『新わたしを愛したスパイ』早川書房刊)、原作はイアン・フレミングの「わたしを愛したスパイ」(早川書房刊)、撮影はクロード・ルノワール、音楽はマーヴィン・ハムリッシュが各々担当。主題歌をカーリー・サイモンが唄っている。出演はロジャー・ムーア、バーバラ・バック、クルト・ユルゲンス、リチャード・キール、キャロライン・マンロー、バーナード・リー、デズモンド・ルウェリン、ウォルター・ゴテル、スー・ヴァナーなど。