007/ムーンレイカー(1979)

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原題の「MOONRAKER」とは

(水面に写った)月(ムーン)を熊手(レイカー)で掻き集めようとする人

実際は手に入らないものを手にしようとする人の意味で

(アホがやりそうなことを示す)イギリスの古典的隠語ということ

 

スター・ウォーズ」(1977)「未知との遭遇」(1978)が大ヒット

同年には「エイリアン」の公開(この3本が特殊撮影技術の基礎を作った)

そこでSFX時代の幕開けに便乗し「ユア・アイズ・オンリー」を制作するはずが

急遽大スペクタクルSF映画を作ることに方向転換

そのポリシーのなさが作品のなかでも存分に発揮されています

しかもビームの銃でピュンピュン撃ち合いしたり
SWを堂々とパクっているという潔さ(笑)

そのわりには宇宙に行くまでがやたら長い

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アメリカから英国へ空輸中のスペースシャトルムーンレイカー」が

何者かに強奪される

その頃ボンドは、アフリカからの任務の帰り飛行機内でジョーズと対決し

墜落する飛行機から脱出

ロンドンのMI6本部に戻ったボンドは、Mとグレイ国防大臣から

ムーンレイカー」をNASAと共同開発した億万長者

ドラックスの身辺を探るよう命令されます

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アメリカ・カリフォルニアへと飛んだボンドは

ドラックスのヘリのパイロットであるコリンヌに案内され

NASAの宇宙飛行士のホリーと知り合います

(ぐるぐるマシーンで死にそうになる)

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次にコリンヌに近づき、謎の設計図のマイクロフィルムを発見したボンドは

設計図に書かれているのがイタリア・ベニスにある

ガラス工房で作られている製品だと知り、現地に向かうとホリーと再会

 

ガラス工房の奥には、人間だけを殺す殺人ガスの研究所があり

グレイ国防大臣にそのことを知らせ研究所に向かうと

既に跡形もなくドラックスが待ち受けていました

ボンドはMから「恥をかかされた」と休暇を言い渡されますが

 

研究所にリオデジャネイロからの貨物があったのを思い出し

ブラジルに飛び現地の連絡員マニュエラの協力で

ドラックスの関連会社を探ろうします

そこにはドラックスの新たな殺し屋ジョーズがいました

 

ロンドンに戻ったボンドは、Qに依頼していた

ベニスで発見した殺人ガスの主成分は

アマゾン川上流に生息する珍種の蘭から生成されいると聞かされます

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ボンドがアマゾンに向かうと、なんとそこにはホリーが

ボンドはホリーと共にアマゾンを探索しているとドラックスの秘密基地を発見

そこからは次々とシャトルが発射されていたのです

 

サー・ロジャーすでに50

しかも、もともと運動音痴だったらしく、アクションシーンの吹き替え

カット割りでのごまかしがまるわかり(笑)

なのに大蛇とまで戦わされる(このシーンは必要だったのか 笑)

 

それでも(作品の質や格はおいておいて)

「楽しさ」という観点では本作がシリーズナンバーワンかも知れません

 

 

プライベートジェット客室乗務員レイラ・シェンナ

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オープニングシーケンスで登場

 

プライベートジェットパイロットジャン=ピエール・カスタルディ

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オープニングシーケンスで登場



ジェームズ・ボンド(ロジャー・ムーア)

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ムーンレイカー」宇宙計画から盗難された

シャトルの行方を調べるMI6エージェント

 

サー・ヒューゴ・ドラックス(マイケル・ロンズデール)

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ドラックス・インダストリーズの経営者で実業家

人類が宇宙ステーションで暮らせる

ムーンレイカー」宇宙計画を実行しようとしていたが

本当の目的は美しく優れた人間だけを宇宙ステーションに移し(ノアの箱舟計画)

そこから地球上のすべての人間を毒殺することだった



ホリー・グッドヘッド博士(ロイス・チャイルズ)

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ドラックス・インダストリーズで働くNASA宇宙飛行士科学者

実はCIAのエージェント



コリン・ダフォー(コリンヌ・クレリー

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ドラックスの専属パイロット兼秘書

ボンドに協力したせいでドラックスの2頭の猟犬に殺される



チャントシロー・スガ 菅敏郎

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ドラックスに雇われている殺し屋

本職は合気道の講師



ジョーズ(リチャード・キール)

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ボンドに殺されたチャンの代わりにドラックスに雇われる

パラシュートなしでスカイダイビングしても

ケーブルカーが止まらず大破しても、ボートが止まらず滝に転落しても

宇宙ステーションが大破しても無傷で無敵の殺し屋、彼女ができて改心する

 

ドリー(ブランシュ・ラヴェレック

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ジョーズとお互い好意を持ち合う

 

スコット大佐マイク・マーシャル

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アメリ宇宙海兵隊司令官



Mバーナード・リー

防大フレデリック・グレイ卿(ジョフリー・キーン

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バーナード・リーのMは本作がファイナル・アピアランス



Qデスモンド・リュウェリン

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マネーペニー(ロイス・マクスウェル

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ゴゴール将軍(ウォルター・ゴテル)

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KGBのボス

深夜のMからの連絡に「起きていたよ」「寝てられるかね?問題ばかりだ」

イギリスと共にドラックスを阻止する約束をするが

ベッドにはダイナマイトバディなギャル

(このシーンは必要だったのか その2 笑)

 

 

ドラックスに捕らえられたボンドとホリーですがあっけなく脱出

宇宙飛行士になりすましシャトルに乗り込みドラックスを追います

(お前操縦できんのか! 笑)

しかも行きは 「フライト・プログラムはセットされてる」と言ったくせに

帰りは「手動」で大気圏突入(笑)

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ホリーから宇宙基地の位置を知らされたNASAは基地を攻撃するための部隊を派遣

一方ドラックスは地球に向けて殺人ガスのカプセルを発射

ボンドは味方になったジョーズとドラックスへの反撃を開始

ドラックスを宇宙空間へと放り投げ

ホリーとムーンレイカーに乗り、大気圏に突入しながら殺人カプセルの破壊に成功

 

そしてMやグレイ国防大臣らに見守られながら

衛星中継に映し出されたのは無重力で抱き合うふたりの姿でした

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グレイ国防大臣「何をしとる?」

Q「再突入でしょう」(I think he's attempting re-entry sir.

さすがQ、秘密兵器だけじゃない

下ネタも気が利いています(笑)

 

 

【解説】KINENOTEより

ハイジャックされた有人宇宙連絡船“ムーンレイカー”をめぐって、ジェームズ・ボンドがベニス、リオ、アマゾンそして大宇宙へと飛び出し、地球人類抹殺を企む謎の組織に挑むシリーズ11作目。製作はアルバート・R・ブロッコリ、監督は「暁の7人」のルイス・ギルバートイアン・フレミングの原作を基にクリストファー・ウッドが脚色。撮影はジャン・トゥルニエ、音楽はジョン・バリー、編集はジョン・グレン、製作デザインはケン・アダム、視覚効果はデレク・メディングス、スタント・アレンジャーはボブ・シモンズが各々担当。出演はロジャー・ムーア、ロイス・チャイルズ、ミシェル・ロンダール、リチャード・キール、コリンヌ・クレリー、バーナード・リー、ジェフリー・キーン、デズモンド・ルウェリン、ロイス・マックスウェル、エミリー・ボルトン、トシロー・スガなど。

アメリカからイギリスへ空輸中のスペース・シャトルムーンレイカー”が、アラスカ上空で突如何者かにハイジャックされた。捜査を委任された英国情報部は、007ジェームズ・ボンドロジャー・ムーア)を任務に当てた。早速、上司M(バーナード・リー)から事件の背後に浮かぶ謎の大物について聞かされ、彼は現地に飛んだ。その人物とは、独自の力で米国西部に宇宙センターを築き、NASA(米航空宇宙局)に協力して“ムーンレイカー”を開発、製造してきた謎の科学者ドラックス(ミシェル・ロンダール)だ。出迎えの女秘書コリンヌ(コリンヌ・クレリー)の操縦するヘリで降り立ったボンドの前に、不気味なカリスマ的ムードのドラックスが姿を現わした。センター内を案内されたボンドは、そこでNASAの協力員として研究に従事する女性科学者ホリー(ロイス・チャイルズ)と会った。その夜、ボンドは色仕掛けでコリンヌに迫り、ドラックスの書斎に侵入し、事件のカギとみられるマイクロ・フィルム撮影に成功した。しかし、手をかしたコリンヌは翌日猛犬のエジキにされた。フィルムに写っていたガラス店をたよりにベニスに飛んだボンドは、そこでドラックスの指命を受けた殺し屋たちに襲われ、猛烈なカー・チェイスを展開する。敵を倒すと、昼間目をつけておいたガラス店奥の秘密ラボに潜り、そこで貴重と思われる薬品のサンプルを手にした彼は、ドラックスの部下チャン(トシロー・スガ)の攻撃をかわし、同じくベニスに来ていたホリーの宿泊先へと押しかけた。ボンドは、そこで彼女がCIAのスパイであることを見破った。翌日、ロンドンから急行したMらの立ち合いのもとで、秘密ラボの現場検証が行なわれるが、それはドラックスらの陰謀により、跡形もなくなっていた。残る手がかりは、ガラス店にあったリオからの貨物便だ。現地に向かったボンドは、ドラックス産業系列の輸出入会社C&Wの慌しい動きを監視するが、その頃彼と同じ行動をホリーもとっていた。互いに牽制しながらも行動を共にしていた2人は、シュガーロー山をケーブルで下山している途中、チャンの亡き後に雇われたジョーズリチャード・キール)に襲われ、ホリーが敵に捕えられてしまう。リオの情報部出先に出頭したボンドは、Mから謎の毒ガスが、アマゾン上流で採れる黒蘭から抽出した特殊神経ガスであることを知らされた。秘境に向かったボンドを、またもやジョーズが襲った。危機を脱したボンドの前に、一人の美女が現われ、彼を巨大な古代遺跡群に案内した。その地下にあるとてつもなく広がる宇宙基地こそ、敵の牙城だった。彼らは動植物を除いて地球人類を抹殺し、選ばれた新人類による帝国を築こうとしていた。ボンドとホリーを閉じこめ毒ガスカプセルを積んだムーンレイカーがドラックスと新人類を乗せて飛び立った。そして辛くも脱出に成功したボンドとホリーも6号機を奪い、宇宙へ飛び立った。巨大な宇宙ステーションにドッキングした2人は、スキを見てステーションの位置をNASAに知らせた。しかし、それに気がついたドラックスはすかさず地球へ向けて毒ガス・カプセルを投下した。再び捕われの身になった2人は、ドラックスの新人類計画の盲点を衝いてドラックスとジョーズの引き離しに成功。その時、ボンドら救出のために駆けつけたコマンド部隊がドラックスの配下たちと戦闘を展開した。ボンドはドラックスを追いつめ、彼を宇宙の永遠の塵に変えてしまう。そして爆発寸前のステーションから無傷のムーンレイカーにホリーともども乗り移り、投下された毒ガスの追跡を開始した。そして、すべてを壊滅させ、人類絶滅の危機から救うのだった。