シリーズ第5作目
原題の「YOU ONLY LIVE TWICE」(人は二度しか生きることがない)は
松尾芭蕉の英文俳句からの引用
が、シリーズの中では1、2を競うばかばかしさ(笑)
公安の特殊部隊が忍者とか(笑)
ボンドを日本人漁師に変装させるとか
ムチャクチャもいいところ、まるでギャグ漫画
かといって作品が崩壊しているわけではなく
これぞウェル・カム・トゥJAPAN!!(笑)
ボンドが観光親善大使にさえ見えます
日本のサブカルチャーに思い入れがあることがわかりますし
フレミングも日本の文化に興味深かったそうです
香港で中国人女に裏切られ銃殺されたボンドは
イギリス海軍によって水葬されます
が、死体袋は潜水艦に回収されボンドは生きていました
その頃、米ソの宇宙船が行方不明になり
両国が対立しようとしていました
(大きいロケットに小さいロケットが食べられる 笑)
MI6では謎の飛行物体が日本に着地したという情報のもと
日本の公安トップ、タイガー田中に会うよう命じられたボンドは
日本に上陸します
しかも泳いで(笑)
入国したボンドはネオン街の路地から蔵前国技館に入り
(当時はこういう造りだったのか?)
タイガー田中のもとに連れて行かれ
(日本のお風呂のイメージってどうしてこうなんだろうな 笑)
オーストラリア人の協力者、ヘンダーソンを紹介されます
しかし彼はボンドに会った直後殺されてしまいます
殺し屋を追ったボンドは「大里化学工業」という企業に辿り着き
化学薬品会社に勤める外国人ビジネスマンを装って「大里化学工業」を訪ね
秘書のヘルガ・ブラントと大里社長に面会します
ボンドの正体を見破った社長はヘルガに殺害を命じるものの
アキに助けられたボンド
しかしアキとボンドが寝ている時、アキが寝がえりをうったため
ボンドの代わりに天井から垂れてきた毒に毒殺されてしまう
「大里化学工業」の貨物船が事件に関わっている可能性があると
ボンドが神戸港を調べていると、船員と乱闘になります
港から脱出したボンドは、タイガーに頼み来日してもらったQから
「リトル・ネリー」(小型飛行機)を受け取り
宇宙船が着陸したと思われる離島に向かうと
数機のヘリコプターがやってきて交戦になりますが
「リトル・ネリー」に装備されたQの秘密兵器を使い敵を撃退するのでした
アキ(若林映子)
タイガー田中(丹波哲郎)
キッシー鈴木(浜美枝)
大里(島田テル)
公安調査員 (牧村旬子)
ヘルガ・ブラント(カリン・ドール)
M(バーナード・リー)
Q(デスモンド・リュウェリン)
マネーペニー(ロイス・マクスウェル)
ブロフェルド(ドナルド・プレザンス)
公安の忍者訓練所(姫路城)で
「日本人になってもらう」とタイガーに言われたボンドは
カツラをかぶり、体毛を剃られ、忍者になるトレーニング姿は
一歩間違えば志村けん(笑)
日本人に成りすまし(どう見ても見えないがな 笑)
任務のため島の女性と結婚することになります
撮影では刀や手裏剣が姫路城に当たるシーンがあり
姫路城管理局は撮影を禁止「国宝に傷を付けた」として
映画会社に損傷した城壁を全て修復させたそうです
合同結婚式で、現れた女性の顔を見るたび気まずい表情のボンド
やっと美人が現れ、その女性が花嫁でニンマリ
式の後、住居を紹介されると「俺たちは夫婦だ」と口説きも絶好調
だけど妻のキッシーは仕事だと、寝床も別でなかなか手ごわい
翌日からキッシーと島にあるはずの秘密基地を探すボンド
麦わら帽子で手拭いを首に巻くサー・コネリーの漁師姿は
歴史に残る衝撃映像(笑)
火山に隠された大がかりな秘密基地を見つけたボンドは
全身タイツ姿(衝撃映像その2)で忍び込み
捕えられていた米ソの宇宙飛行士たちの解放には成功したものの
妨害ロケットの発射をくい止めるのに間に合いませんでした
基地は米ソの核戦争を目論む国際犯罪組織スペクターのものでした
(ちなみにピラニアは人を食べないそうです)
そこでボンドははじめて(私たちも)
スペクターNo.1、ブロフェルド(D・プリーゼンス)の顔を見るのです
その時タイガーの指揮する忍者部隊がなだれこみ、スペクターとの激闘が展開
キッシーだけは(違和感たっぷり)ビキニ姿というサービスぶり(笑)
ボンドはコントロール・ルームに入り
妨害ロケットの爆破装置を押すことに成功
一方ブロフェルドは秘密基地を爆破させるためのレバーを引くのです
ブロフェルド・キャット、爆破音にマジ怯えて
本気でブロフェルドの腕から逃げ去る(笑)
火山は大爆発を起こし、海上へ脱出したボンドとキッシーは
飛行機から投げ落されたゴム・ボートに乗り
はじめてゆっくりと抱き合うのでした
本作は日本でも大ヒットし、ボンドファンがいっきに増えたとか
確かに、違う意味で最高に面白い作品でした
【解説】KINENOTEより
イアン・フレミングの小説をロアルド・ダールが脚色し、「第7の暁」のルイス・ギルバートが監督した007シリーズ第五作目。撮影は「ドクトル・ジバゴ」のフレデリック・A・ヤング、音楽は「さらばベルリンの灯」のジョン・バリーが担当した。出演は「素晴らしき男」のショーン・コネリー、「寒い国から帰ったスパイ」のバーナード・リー、「ミクロの決死圏」のドナルド・プレゼンスのほかに丹波哲郎、浜美枝、若林映子など。製作はハリー・サルツマンとアルバート・R・ブロッコリ。