
原題は「Папа, сдохни」(お父さん、死ね)
内容もそのまんまでした(笑)

幼いころ自分をレイプした父親を殺してくれと恋人に頼まれた青年
ところが父親はとんでもなく強い現役警察官でした
しかもレイプされたという話は嘘で
お金に困っていた彼女が、父親が横領して持っていた大金を見つけ
せしめようとしていただけだったのです

監督・脚本・演出を手がけたキリル・ソコロフ(1989年生)は
ロシアのタランティーノと呼ばれているそうですが(笑)
確かにタランティーノやコーエン兄弟をはじめて見たときの感覚がありました
若々しいセンスに溢れている
逆に言えば、深く考えちゃダメなやつ(笑)

スタイリッシュ&バイオレンスな映像
これでもかと舞う血しぶき
誰が悪者なのか、善人なのか、予想のつかない壮絶な殺し合い
さらに賄賂社会という社会主義国家への皮肉
なのにクスッと笑わせる(笑)

独特のリズムもあって、低予算の(机や壁が仕込みなのがバレバレ 笑)
ワンシチュエーションものにしてはかなり上手い
警察官のアンドレイが食事をしていると、(娘の)オルガはいないかと
ボーイフレンドのマトヴェイと名乗る青年がやってきて
アンドレイと妻のナタリアは彼を招き入れます

マトヴェイは持ってきた金槌をベルトに隠し
テーブルに座ると、金槌を落としてしまい(笑)
気付いた父親が銃を持ち出して来て発砲
マトヴェイが逃げると、弾はソファに当たりそこから大金が散らばります
ふたりは格闘を続け、浴室のパイプに手錠で繋がれてしまうマトヴェイ
アンドレイは、マトヴェイが何者か誰が彼を送り込んだのか尋問を開始
さらに拳だけでは物足りないとマトヴェイの足にドリルを打ち込みます

いったんお金を集めるために浴室から出たアンドレイ
マトヴェイは腕を折って手錠を外し
銃を取りアンドレイに向けると、オルガに電話するよう命令します
ところがオルガは電話でボーイフレンドなんていない
マトヴェイのことなど知らないという
自分が利用されていただけだと落ち込むマトヴェイ
その隙を狙ってアンドレイがマトヴェイの首を絞めているとき
アンドレイの同僚で親友のエフゲニッチがアパートにやってきます

数週間前、エフゲニッチとアンドレイは
ストリッパーのバラバラ殺人の犯罪現場を捜査しているとき
妻の病気の治療に大金が必要なエフゲニッチは、犯人の少佐の釈放と引き換えに
少佐の金持ちの両親を脅迫しようとアンドレイに提案します
少佐は釈放され、アンドレイは両親から大金を受け取りましたが
エフゲニッチには両親はお金を持ってこなかったと伝え
お金をネコババしたのです

妻は治療できず死に、激怒したエフゲニッチは
少佐を待ち伏せし殴り殺してしまいます
エフゲニッチは散らばった大金を見るとアンドレイを責め
ふたりは銃を向け合い、エフゲニッチはアンドレイの肩を撃ち
アンドレイはエフゲニッチの腹を撃ちます

その時オルガが帰って来て
マトヴェイに父親を殺すよう頼んだことを認めます
アンドレイはそのせいでエフゲニッチを殺すはめになったとオルガを非難
彼女に札束を投げつけると
いずれにせよマトヴェイは知りすぎたので、殺さなければならないと言います
あっさり同意するオルガ
オルガが奥の部屋に移動すると、話を聞いてショックを受けた母親が
首を吊って死んでいました

オルガが(マトヴェイの腹を刺してから)確認のため外に出ると
近所から騒音の苦情があったと、2人の警察官が立っていました
しかし彼らはオルガの身分証明書を見ると
彼女が上司の娘であることを知り
証明書に付いた血痕に気付かないふりをして去っていきました

アンドレイが今日起こった全てを、よくある犯罪として組み立てていると
母親が死んだのにと(今さらかよ 笑)オルガはアンドレイの背中を撃ち
瀕死のアンドレイが、お金を持って逃げようとしたオルガの首を撃つ
奇跡的に生きていたマトヴェイは大金に目もくれず
死体だらけのアパートを去って行ったのでした
(治療費くらいは貰ってもよかったんじゃないかな 笑)
【解説】映画.COMより
青年と悪徳刑事とその娘が繰り広げる壮絶なバトルを、ブラックユーモアを散りばめながら容赦ないゴア描写とポップな映像で描いたバイオレンススリラー。とあるアパートを舞台に、恋人の父親の殺害を決意した青年、そう簡単に殺されそうにない筋金入りの悪徳刑事、そんな父親に復讐心を抱く娘という3人の殺意が激突し、血みどろの死闘へとなだれ込んでいく。ロシアの新鋭キリル・ソコロフの長編デビュー作。「シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション2020」(20年10月30日~11月12日、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷ほか)上映作品。
2018年製作/100分/PG12/ロシア
原題または英題:Why Don't You Just Die!
配給:ブラウニー