
原題は「The Zero Theorem」(零点定理)
多項式が共通してゼロになる点(幾何的な性質)と
互いに「双対」の関係にあることを示すもの
はい、もうわかりません(笑)

でもテリー・ギリアムお得意の
サイバーパンク(SFでいうディストピアな近未来)的な映像はやはり最高
今見ても、いい

コーエン・レス(クリストフ・ヴァルツ)がゼロの定理
「それ自体存在しないことの証明」に挑戦するというもの

さらに彼はかって一度だけかかってきた(カルト宗教の勧誘だろうか 笑)
「人生の意味を教えてくれる」謎の電話を待っているため
家(火災被害を受けた教会)から出たくありません

会社に障害休暇と在宅勤務の許可を求めますが
産業医はコーエンは健康であると判断し
AIセラピスト(ティルダ・スウィントン)から
カウンセリングを受けるようになります

上司(デヴィッド・シューリス)のパーティに出席したコーエンは
(上司はコーエンを「クイーン」と呼び、コーエンは皆を「ボブ」と呼ぶ)
社長のマネジメント(マット・デイモン)に会うと在宅勤務を申し出ます
その後固形ハーブを喉に詰まらせたところを
ベインズリー(メラニー・ティエリー)という女性に助けられ
彼女に少なからず好意をもちます

後日、コーエンは「ゼロの定理」を解析するという条件で在宅勤務を許可されますが
あまりに複雑な数学的公式への苛立ちから
ハンマーでコンピューターを壊してしまいます
コーエンの様子を見に来た上司はコーエンに助けが必要だとベインズリーを送り込み
看護師服姿でやって来たベインズリーはコーエンから話を聞きます
人生の意味を教えてくれる電話を待っていることを教えられた彼女は
すぐ戻ると言い去っていきました

次にマネジメントの息子でハードウエアの天才という
ボブ(ルーカス・ヘッジズ)という若者がやってきて
コーエンのコンピューターを修理
ベインズリーが報酬目的で会社に雇われていること教え
ゼロ定理の解析を続けることに同意すれば
コーエンの待つ電話の相手を探すことを約束します

ベインズリーが戻ってくると、彼女はコーエンにVRスーツ渡し
自分に会いたいときはウェブサイトから申し込めると伝え出て行きます

コーヘンがベインズリーのリンクをクリックすると
ふたりは仮想のビーチでデートしていました
現実でないと心配するコーヘンに、ベインズリーは「現実よりも良い」と
彼にキスするのでした

翌日、再び訪ねて来たボブに
コーエンはゼロ定理を証明すれば
生命も無意味であることも証明されると説明します

つまりゼロ定理の証明とは死
存在はゼロになるけれど、魂は残るということでしょうか
その魂、人間の感情や想像力や愛とは
はたして仮想なのか現実なのか

コーエンは再びベインズリーのウェブサイトを訪れると
マネジメントのことを非難
ベインズリーに仮想世界で一緒に住み続けようと誘うと
強制的にシステムは切断され、VRスーツは破壊されてしまいました

壊れたVRでベインズリーのウェブサイトに再びアクセスするコーエン
すると彼女はウェブストリッパーとしてサービス中でした
コーエンに見られていることに気がついたベインズリーはログオフ
2度とアクセスできなくなってしまいます

しばらくして、新しいVRスーツを持って現れたボブは
(AIセラピストによると)コーエンが待つ電話は妄想だけれど
バージョンアップしたVRはコーエンの魂と繋がることができる
(妄想との接続が可能?)といいます

コーエンがVRスーツを身につけるとベインズリーが現れ
彼女は上司の命令でコーエンを誘惑したけれど、本当に愛するようになった
一緒に駆け落ちしようと誘いますが、コーエンはそれを断ってしまいます
コーエンの行動が理解できないボブに
彼はかつて結婚に失敗し、離婚したことを明かします

するとボブの体調が急に悪化し
マネジメントに雇われた2人の男がやってきて、ボブを連れ去ります
ボブを心配したコーエンはVRスーツで
会社のメインコンピューターにアクセスしようとしますが
強大な電力に感電してしまい

気がつくと巨大なニューラルネット
(人間の神経回路を模倣したスーパーコンピューター)の前で
会社の経営陣に迎えられていました
マネジメントはコーエンに
ボブはもともと慢性疾患の持ち主で、入院して安全であることを告げます

コーエンの「マネジメント」は存在しているかの問いには
それは重要ではないと答え
自分はニューラルネットの一部であり
ゼロ定理を研究する目的は、宇宙の絶え間ないカオス状態
(宇宙が生まれ、存在し、最終的には混沌に戻る)を証明し
それから利益を得ること

コーエンがゼロ定理の研究者として選ばれたのは
(彼の電話を待ち続ける執着心から)
信念の人であり、金儲けとは無縁の人間だから
しかしコーエンの電話を待ち続ける行為は、幸せになるどころか
人生を無駄にしてしまっている
これ以上コーエンの協力は必要ないと、マネジメントは姿を消してしまいます

コーエンがニューラルネットを破壊しようとすると
ニューラルネットは爆破、ブラックホールが現れコーエンはその中に飛び込みます

その先にはベインズリーと過ごした仮想ビーチがあり
砂浜に彼女の水着を見つけ拾い上げると
大きなビーチボールを空中に投げて遊び
やがてビーチボールは太陽となり沈んでいきます

ベインズリーがコーエンの名前を何度も呼ぶのが聞こえ
コーエンの家では彼が破壊したはずの監視カメラが再び作動していました
テリー・ギリアムはAIによる情報社会(監視社会)で生きる現代の若者に
「自分なりの世界を見つけて欲しい」とこの作品を作ったそうです
案外と真面目なことも考えているのね(笑)
【解説】映画.COMより
「未来世紀ブラジル」「12モンキーズ」の鬼才テリー・ギリアム監督が、「イングロリアス・バスターズ」「ジャンゴ 繋がれざる者」のクリストフ・ワルツを主演に描いたSFドラマ。コンピューターに支配された近未来を舞台に、謎めいた数式を解くため教会にこもって生きる孤独な天才技師の人生が、ある女性との出会いから変化していく様を描いた。世間になじめない天才コンピューター技師のコーエンは、「ゼロの定理」という謎めいた数式を解くことを義務付けられ、ひとり教会にこもって定理の解明を続ける。ある日、パーティに連れていたれたコーエンは、そこで魅力的な女性ベインスリーと出会う。自分と同じく天才と呼ばれるボブとの交流やベインスリーとの恋を通じて、コーエンは生きる意味を知っていくが……。
2013年製作/107分/G/イギリス・ルーマニア・フランス・アメリカ合作
原題または英題:The Zero Theorem
配給:ショウゲート