スーパー・チューズデー ~正義を売った日~(2011)



「政界に長くいるとひねくれるぞ、俺みたいに」


原題は「THEIDES OF MARCH

"IDES"とはラテン語で”半分のところ”という意味で、月でいえば15

戯曲「ジュリアス・シーザー」で、カエサルが占い師に忠告される

Bewarethe Ides of March315日に用心しろ)から



モリス ペンシルベニア州知事(ジョージ・クルーニー

演説では広報官スティーヴン(ライアン・ゴズリング)の作った

シナリオを力説し支持を上げていきます


日本でいうなら、国会の議員答弁を官僚たちが用意するのと

同じ仕組みなのでしょう


大統領選の長いキャンペーン活動を勝ち抜いていくのは候補者よりも

広報官の腕にかかっているといっても過言ではありません




敵対陣営の参謀であるダフィ(ポール・ジアマッティ)は

有能なスティーヴンに目を付け工作を仕掛けます


それを知ったもうひとりの広報官

ポール(フィリップ・シーモア・ホフマン)は

ティーヴンをクビにするのです



時を同じくして選挙スタッフのインターンである

モリーエヴァン・レイチェル・ウッド)がモリス知事の子を妊娠


ティーブンはその娘を病院に連れていき、堕胎させ

そのネタで知事をゆすり、知事への忠誠心に溢れる

ポールのポジションを奪うのです




汚い手を使ったもの勝ち


実際の政治家も観ていて気分が悪くなりますが

この映画も後味が良ろしくない(笑)


しかも政治家がトップを切ってセクハラしたり

女好きなのも、どこの国も同じ




モリーは簡単に自殺するよりも、知事に否定され

ティーブンには見捨てられ

キリスト教右派の父親に悩まされるというような、もっと

救いようのないラストのほうがよかったと思いますが(私って残酷)




勝利した人物が大統領に相応しいかどうかは関係ない

そんな誰もが矛盾を感じている現実をサスペンス調に

わかりやすく描くことには成功しているでしょう




【あらすじ】KINENOTEより

アメリカ合衆国大統領の座をめざし、民主党予備選に出馬したマイク・モリス(ジョージ・クルーニー)は、選挙ツアー最大の正念場を迎えようとしていた。ペンシルベニア州知事として政治家の実績を積んだモリスは、ハンサムで弁舌に優れ、カリスマ性も十分。そのうえ清廉潔白な人柄と揺るぎない政治信条で多くの有権者を魅了し、ライバル候補のプルマン上院議員をじわじわと引き離しつつある。来る315日のオハイオ州予備選に勝利すれば、その勢いに乗って共和党候補をも打ち破り、ホワイトハウスの主になることはほぼ確実。いよいよ一週間後に迫ったスーパー・チューズデーの決戦に全米の注目が集まっていた。モリスを支えるのは、ベテランのキャンペーン・マネージャー、ポール・ザラ(フィリップ・シーモア・ホフマン)と、広報官スティーヴン・マイヤーズ(ライアン・ゴズリング)。ある日、スティーヴンのもとに、プルマン陣営の選挙参謀トム・ダフィ(ポール・ジアマッティ)が電話をかけてくる。極秘の面会を求められ、一度は拒んだスティーヴンだが、何らかの情報提供をちらつかせるダフィの言葉巧みな誘いに負けてしまう。ダフィの目的は、スティーヴンを自陣営に引き抜くことだった。だがモリスに心酔しているスティーヴンは、その申し出を即座に拒絶。その夜、スティーヴンは選挙スタッフのインターンである若く美しい女性モリー(エヴァン・レイチェル・ウッド)とホテルで親密な一夜を過ごす。翌日、スティーヴンはダフィとの密会の件をポールに打ち明け、謝罪するが、何より忠誠心を重んじるポールの怒りは想像以上だった。二人の間には亀裂が生じ、ダフィとの密会は新聞記者アイダ(マリサ・トメイ)にも嗅ぎつけられてしまう。圧倒的優勢を見込んでいたスーパー・チューズデーの雲行きも怪しくなり、スティーヴンを取り巻く状況はまたたく間に悪化していった。そんな中、ポールからクビを宣告されたスティーヴンは、プルマン陣営への寝返りを決意するが、態度を豹変させたダフィにすげなく門前払いされてしまう。怒濤の嵐が吹き荒れるスーパー・チューズデー前夜、正義を売る者たちの最後の壮絶な駆け引きが始まった……。