五人の軍隊(1969)



これは見やすい、わかりやすい、面白い西部劇

イタリア映画なので「マカロニウエスタンですが

マカロニのような泥臭さがなく、むしろ洗練された印象




ひとりづつ仲間を集めていく序盤は七人の侍」(1954

騎兵隊を装い鉄道事強奪を図る展開は「ワイルドバンチ1969

そこにTVドラマ「スパイ大作戦」のテイストが加わります


脚本はなんと!ホラー映画の神様

”鮮血の魔術師ダリオ·アルジェント




サーカス団出身の指名手配犯でメキシコ人ルイス

(にんにくのアイディアには唸った)

ダッチマンの指示で1000ドル稼げる仕事があると


怪力のメシート

ダイナマイトの天才、オーガスタス

ナイフ投げと剣の達人の日本人、サムライを集め

ダッチマンが待つへ向かいます




そこで政府軍50万ドルの砂金を積んだ列車を襲い

盗んだ砂金を革命軍に渡すという計画を知らされ3


しかし列車には大勢の兵士機関銃、大砲まで装備する走る要塞でした




5人のアウトローでプロフェッショナルな男たちは

どう考えても不可能な砂金強奪作戦に挑むことになります


007は二度死ぬ」1967)でタイガー田中”

海外での評判がよかったそうで

丹波哲郎さんが主役ばりに出演しています



ブルース・リー並みにかっこいいし

村一番の美女(1966年のミス・イタリア)に惚れられるという

なんとも儲け役(ただしセリフはなし 笑)


全力疾走で列車を追うシーンも大迫力




ほかのメンバーも個性豊かで、好ましい

終盤にダッチマンの裏切りというドンデン返しが起こりますが




二転三転し、最後はなんだか祝祭的で微笑んでしまう

こういう終わりかたは気分がいいですね




これも
隠れた名作に間違いありません



【解説とあらすじ】KINENOTEより

メキシコ革命にまきこまれた五人の男の活躍を描いたアクション映画。監督は「ダイヤモンド・ジャック」のドン・テーラー、脚本は「野獣暁に死す」のダリオ・アルジェントとマーク・リチャーズの協力書下し。撮影は「ガンクレイジー」のエンツォ・バルボーニ、音楽はエンニオ・モリコーネが担当。製作は「無敵の斗士」のイタロ・ジンガレリ。出演は「第7の暁」の丹波哲郎、「テキサス」のピーター・グレイヴス、「悪女のたわむれ」のジェームズ・ダリー、「野獣暁に死す」のバッド・スペンサー、「恋人たちの世界」のニーノ・カステルヌオーボ、ミス・イタリアのダニエラ・ジョルダーノなど。メトロカラー、メトロスコープ。

メキシコ人ルイス(N・カステルヌオーボ)は、メシト(B・スペンサー)、オーガスタス(J・ダリー)、サムライ(丹波哲郎)の三人をつれて彼等の雇い主ダッチマン(P・グレーブス)とある集落で落合った。そこで五人は、メキシコ軍に処刑されそうになっていた革命党員を助け、村人に歓迎された。その中でもマリア(D・ジョルダーノ)は特にサムライに心を奪われた。金目当の彼等はさっそく大仕事にとりかかった。その仕事とは軍隊の護送する莫大な砂金を奪取することであった。五人のプロフェッショナルたちは、それぞれの特技--ダッチマンの頭脳、ルイスのアクロバット、メシトの列車運転の能力、オーガスタスのダイナマイト、サムライの剣--をもってまんまと獲物を手中にした。だがここで配分に関して争いが起りかけた。その時、メキシコ兵が砂金を取り返しに来た。五人は再び力を合せて、これを全滅させたが、仲間どうしの争いはもはや避けられないものとなっていた。だが、彼等の醜い争いを知らない村人の歓迎と歓声につつまれて、彼等はすべての報酬をあきらめるのだった。人は自分達の救いの神である五人の英雄を肩にかつぎあげ、いつまでも、喜びつづけていた。