次郎長三国志 第三部(1964)




「おせんちゃ~ん!
 おせんちゃん・・・」


次郎長一家が清水に帰ってきて、新居を構え
いよいよ次郎長一家の看板を掲げることになります
次郎長の親分としての貫禄も十分
一方で恋女房であるお蝶(佐久間良子)への気遣いも忘れません

大政や三五郎など2作目まで演じた役者が
交代しているのは少々残念でしたが
それを感じさせない勢いがありました

おせんちゃん(藤純子)も堅気と結婚が決まり
落ち込む綱五郎(松方弘樹)と鬼吉(山城新伍
それでも「そーれ!ワッショイ!ワッショイ!」と盛り上がり
一家の絆はますます深まっていきます


次郎長の義兄である大熊(水島道太郎) の賭場を狙う
甲斐の裕天仙之助(加賀邦男) 、猿屋の勘助、大岩(楠本健二)
そして助三の再(三芦屋小雁 )
大熊は彼らの道理に外れた行いに困り果てていました
しかし背後で糸を引く大物、黒駒勝蔵(丹波哲郎)に楯突くことは厳しいのです

そこで次郎長は黒駒の様子を伺うために
大政(中村竹弥)、綱五郎、鬼吉を
お仲(丘さとみ)とともに、甲府へと旅立たせます


丹波哲郎さんのオーラがとにかく凄いです
次郎長親分を完全に圧倒しています
そこまで存在感出しちゃだめでしょ(笑)


入れ違いで清水一家にやってきたのが、石(長門裕之)と三五郎(品川隆二)
騙されて行き倒れ寸前の相撲取り、数十名を引き連れて現れます
次郎長夫婦は、力士たちに食事を振舞うために知恵を絞り
相撲興行の実現にも一肌脱ぐことにします


そこで、活躍してくれるのが漁師である豚松ちゃん
次郎長LOVEで、子分になりたくてしょうがない(笑)
こんな豚松ちゃんにも許嫁がいて(笑)「ばか!ばかばか~」と
やくざになりたい豚松ちゃんを追いかけては泣くのです

相変わらず口だけでまかせ男の三五郎に騙され
十両をもらえると相撲大会で横綱を倒し優勝してしまいます
そんな豚松ちゃんに、ちゃんとお金を払おうとする次郎長
もちろん豚松ちゃんは受け取りません


そして、人質となったお仲さんを助けるために
甲州へ向かうラストシーン!
フィナーレの最終回を迎えるのにぴったりな
ワクワクとする終わりかたです

娯楽要素が盛り込まれ、主演者全員が活き活きと描かれて
これ1本だけでも充分に充実に楽しめました