続・次郎長三国志(1963)




前作の続きとはいえ、鶴田さんも山城さんも松方さんも
いきなり腹巻とステテコ姿(笑)

まずは増川仙右衛門の駆け落ち相手の家に行き謝り
着物を贈られ赤鬼一家へと出向きます
しかし赤鬼の金平(堀正夫) が全く話の分からない男
次郎長一家初の喧嘩になりますが
小川(近衛十四郎)の助っ人もあり勝利を収めます

その小川一家では盛大な賭場が開かれていましたが
役人に嗅ぎつけられた小川の身代わりに、次郎長一家が牢に入ります
牢には、畳や布団を我が物にしている牢名主(芦屋雁之助がいました





しかし物語の大半を占めるのは、森の石松長門裕之)と
追分の三五郎(大村文武)、そして女やくざのお仲さん(丘さとみ)です
次郎長一家はちょっと脇という感じ

この三五郎が本当に駄目な奴なのです
いまでいう「オレオレ詐欺」のような輩です
女を泣かせる、他人の金を湯水のように使う
人を騙して生きる、口だけ達者な最低の男

石は剣の腕は絶つのの、単純で素直な男
しかも吃ってうまく話すことができません
お仲さんというサイコロ振りに惚れてしまうものの上手く言えない
それでも酒を酌み交わしながら「惚れて~惚れられて~惚れて~♪」と唄い
ふたりで旅に出る約束をします

でも飲むと忘れぽいお仲さん(笑)
三五郎は石に嘘をつき、自分がお仲さんと旅に出ようとします
しかも石のお金を盗んで
文無しになった石は宿でただ働きをするのです
そこにしゃあしゃあと帰ってくる三五郎

この作品のアウトローに対する眼差しは、とても温かい

牢名主に仕返しをした次郎長一家のもとに
黒駒の勝蔵(丹波哲郎)が大熊の縄張りを横取りしようという知らせが入ります
一家は百叩きの刑を受け釈放され、清水港へと向かうのでした


一作目同様、とても面白く楽しい内容でしたが
次回作へのつなぎ的な作品なので、やや印象は薄いという感じです
次郎長親分の活躍が少なかったからかも知れません(笑)