ボーン・コレクター(1999)

原作はジェフリー・ディーヴァーの同名小説

原題は「The Bone Collector」で”骨の収集家”という意味ですが

ここでは劇中に登場するミステリー小説の書名のこと

 

事故より寝たきりになった敏腕の科学捜査官が、女性巡査現場捜査させ

連続猟奇殺人鬼の逮捕に挑むというもの

アンジェリーナ・ジョリーが「17歳のカルテ」で注目をあびる

1本前の作品ですね

この頃のアンジー、演技が巧いというわけではないけど

圧倒的な存在感がありますよね

デンゼル・ワシントンに決して引けを取らない

すっぴんメイクでもこの出来高(笑)

ちょっとコミカルなバディぶりもGOODです

ただラストでわかる犯人の種明かしがガッカリ

しかも、驚異的な記憶力の持ち主のデンゼルが

なんで自分が投獄した犯人のことだけ覚えていない(笑)

しかも支えてくれた仲間を殺してしまう演出の意味がわからない

特に看護師の死は納得いかない、絶対納得いかない

ラストにどうやって回復したのかも不明(愛のチカラってやつ?)

 

アイディアもキャストも良かっただけに

終盤イッキに失速したのは残念なところ

ニューヨーク工事現場で他殺とみられる遺体が発見され

科学捜査官リンカーン・ライム(デンゼル・ワシントン

証拠を採取するためひとりトンネルの奥に潜り込むと

上から降ってきた金属製のパイプに首の骨を砕かれてしまいます

寝たきりになったリンカーン

住み込みで看護しているセルマ(クィーン・ラティファ)に

遺産は全て君に残すように遺言状を書いたと言

医師のバリー(ジョン・ベンジャミン・ヒッキー)には

今度発作が起き植物状態なったら

生命維持装置を外し、尊厳死させてくれ頼んでいます

(自殺願望があるが自分では死ねない)

その頃、一組の夫婦が空港でタクシーに乗り込んでいました

夫婦は旅の疲れから寝てしまい

夫人が目を覚ますとタクシーは全く知らない場所を走っています

夫婦はすぐに車を止めるように要求しますが、運転手は無言のまま

ドアの取っ手も中から開けられないようになっていて

タクシーは走り続けます

ニューヨーク市警のアメリア・ドナヒー巡査(アンジェリーナ・ジョリー)は

現職警察官だった父親が拳銃自殺したことで心に深い傷を負っていて

恋人から求婚されても断るばかり

地域課から少年課に配属されることになったアメリアは

地域課最後のパトロールで、少年が死体を発見したという無線連絡を受けます

現場に急行したアメリアは、線路脇の土砂に埋まった男の顔と指を発見

犯人のものと思われる足跡

線路内には犯人が残したと思われる白い粉とボルト

アメリアは少年にお金を渡し、使い捨てカメラを買いに行かせると

やって来た列車を急停車させ、全て写真に収めます

翌日、殺人課のセリート刑事エド・オニール

ソロモン刑事マイク・マッグローン

事件の捜査協力を求めるためリンカーンに会いに来ます

殺されたのは富豪のルービンで、指には夫人の結婚指輪がはめられていたと聞くと

リンカーンは身代金目的の誘拐事件だと推測します

しかしアメリアが撮影した証拠写真を見ていくうち

これは単純な事件ではないと

(ソリの合わない)チェイニー警部マイケル・ルーカー説得し

捜査に必要な機械と人員をアパートに配置させ

アメリアに捜査の協力を要請するようソロモン刑事に頼みます

そして写真からルービン夫人はパイプの通る地下通路に監禁されていて

パイプから高熱の蒸気が排出される「11月9日午後4時」まで

生きていると割り出します

リンカーンに説得され、ひとり現場に向かうアメリ

その直後、間近で蒸気を浴び絶命したルービン夫人を発見

自分には無理だと逃げ出そうとするアメリアでしたが

一方でリンカーンに惹かれていきます(デンゼル様だもん 笑)

次に犯人は大学生の青年を誘拐し、傷を負わせると鼠の餌食にし

タクシーでの営業中、職務質問しようとした警官も殺します

犯人が犯行のたび現場に残していく小さな紙切れ

その紙切れを繋ぎ合わせると(ジグソーパズルが好きな)セルマが

何かのロゴマークであることを読み解きます

それは「ボーン・コレクター」のという古い本の表紙で

図書館で「ボーン・コレクター」を探し出したアメリアは

本の挿絵通りに事件が起こっていることに気付きます

次の事件は老人と娘の溺死

満潮の桟橋に縛りつけられた老人と孫娘を見つけると(孫娘だけ助かる)

桟橋近くの地下鉄跡で5桁の数字を発見します

それはリンカーンの部屋に飾られていた彼の警察識別番号と同じでした

次のターゲットはリンカーン

アメリアは急いで彼の元に向かうことにします

犯人はリンカーン医療機器技師トンプソンリーランド・オーサー)でした

彼が犯人と知る由もなセルマは刺し殺され

リンカーン訪ねてきたチェイニー警部喉を切り裂かれます

(それまではチェイニー警部が一番怪しかったんだけどね 笑)

トンプソンは偽名で、かってリンカーンと同じ科学班の調査員

元警察官のマーカス・アンドリューズでした

彼は6件の殺人事件で証拠を捏造したことで有罪になり

冤罪だと主張したものの聞き入れてもらえず

投獄されたのはリンカーンの仕業だと逆恨みしていたのです

ベッドのリクライニングを解除して、襲ってくるマーカスの右手を潰したり

噛みついて必死に抵抗するリンカーン

(医療技師じゃなくても機器を外せば簡単に殺せるものをバトルにする謎 笑)

そこに銃声が鳴り響き、アメリマーカスを射殺したのでした

やがて季節は変わり、クリスマス

リンカーンは車椅子で生活できるほど回復

傍にはアメリが寄り添い、友人たちとパーティを楽しんでいます

そこに疎遠になっていたが夫と娘と共に来てくれました

アメリアが呼んでくれたことを知り

リンカーンは今までにない幸せを感じたのでした

 

 

【解説】KINENOTEより

連続猟奇殺人鬼に挑む寝たきりの体の科学捜査の姿を描くサスペンス。ジェフリー・ディーヴァーの同名ベストセラー小説(文藝春秋刊)を「N.Y.殺人捜査線」のジェレミー・アイアコンが脚色。監督は「今そこにある危機」のフィリップ・ノイス。撮影は「フラッド」のディーン・セムラー。音楽はクレイグ・アームストロング。出演は「悪魔を憐れむ歌」のデンゼル・ワシントン、「狂っちぃないぜ!」のアンジェリーナ・ジョリーほか。

リンカーン・ライム(デンゼル・ワシントン)は全米でも有数の犯罪捜査官だったが、4年前の事故で寝たきりになっていた。パトロール警官のドナヒーアンジェリーナ・ジョリー)は男の惨殺死体を発見、証拠を残す手際のよさをライムにかわれ、助手に任命される。犯罪現場に残っていたのは奇妙な骨と紙片。それを分析するため、ライムの部屋が科学捜査班の対策本部となる。現場の証拠を元に次の犯罪を予測したライムだが、ときすでに遅く第二の犯罪が行なわれる。犯人は、ライムたちに挑戦しているようだった。無線でドナヒーに指示を送り、二人三脚で事件に挑むライム。捜査線上に浮かんだのは1900年代初頭の出版社のロゴマーク。事件はいよいよ混迷の度を深めるが、ライムは屈せず事件の解決に乗り出すのだった。