マネーモンスター(2016)



儲かっているときは黙っていただろ


ニューヨークの銀行に強盗に入ったものの、すでに金は持ち出された後で

すぐさま警官隊とマスコミに囲まれてしまう

人質をとって立て籠るものの

唯一の望みはどうにか助かろうとするだけの

マヌケなお人好し


なのに民衆から、なぜかヒーローのように祭り上げられていく

狼たちの午後(1975)




犯人の動機はゲイであったため、性別適合手術をするための費用を

恋人にプレゼントするためでした


本作もアプローチは「狼たちの午後」に似ています

ただ銀行が大金を保管する時代は過去になり

金融取引はネットに変わり、誰でもボタンひとつで

何でも売買ができる


消えたお金はどこにいくのか




リー・ゲイツジョージ・クルーニー)が司会をする

マネーモンスター」という財テク番組に

ピストルとプラスチック爆弾をもった、カイルと名乗る

テレビ局ハイジャックがやってきます


要求はひとつ

「株が暴落する仕組みを答えろ」




警察はすぐさま射撃手と交渉人と爆弾処理班を手配し

カイルの妊娠中の恋人を探し説得させようとしますが

彼女は「クソ野郎!自殺して死ね!!」と叫び

そのまま帰ってしまいます(笑)


ディレクターのパティ(ジュリア・ロバーツ)は株が暴落した

アイビス社の広報のダイアンの協力を得て

バグを起こしたというプログラム開発者を探し出しますが

プログラマーは、コンピューターの悪さには限界がある

暴落を操ったのは人間だと言うのです




株を操っていたのは行方不明になったいた

アイビス社のCEOでした


一方ゲイツは、気弱なカイルに同調していくようになり

テレビ中継を見ていた大勢の人々も

爆弾がいつ爆破するかわからないのにもかかわらず

路上に集まりカイルを応援しだします




ジョディ・フォスターの監督作品って見るのが初めてなんですけど

男はみんな軽薄で情けなくて

一方仕事ができて、解決能力があるのは女性女性ばかり


ちょっとジョディの願望を主張しすぎている気がします(笑)


彼女ほど実力とキャリアと頭の良さがあれば

文句は言えませんけど




そして、そういう頑固で気難しそうな女性と相性のいいのが

ジョージ・クルーニー(だから女性遍歴も多いのか 笑)

ジュリア・ロバーツとも息がぴったりです


アメリカなど海外の資本主義経済のシステムでは

CEOのやってることも、ゴーン被告のやってることも

間違っていないのかも知れない




でも私たちの何十億という消えたお金が

そういう一部の人間に自動的に入っていくシステムを

許せる人間はそう多くありません


犯人は狙撃されて絶命

裁判にかけてももらえない




結局、投資で破産したただのバカな男の話


投資は余裕のあるお金でするもの

生活費まで賭けてみても、最後に困るのは自分なのだから




【解説】allcinemaよりジョディ・フォスターが監督を務め、ジョージ・クルーニーを主演に迎えて贈る社会派サスペンス。生放送中に拳銃を持った男にジャックされた人気経済番組を舞台に、人質に取られた司会者がカメラの前で犯人と繰り広げる緊迫のやりとりと、その過程で図らずもウォール街の深い闇が暴かれていくさまをスリリングに描く。共演はジャック・オコンネル、ジュリア・ロバーツ

 人気司会者リー・ゲイツの軽妙なトークがウリの投資情報番組“マネーモンスター”。番組ディレクターのパティは、ゲイツの功績を認めつつも、生放送をいいことに台本を無視して暴走する彼に毎回手を焼いていた。そんな中、いつものように生放送が始まるが、そこへ銃を持った若者が乱入、ゲイツを人質に取り、番組をジャックしてしまう。犯人はゲイツが番組で推奨した株に投資して全財産を失ったと主張。カメラが見守る中、興奮する犯人を必死でなだめようとするゲイツだったが…。