犯人に告ぐ(2007)




「今夜は震えて眠れ」

現職の警察官がテレビのワイドショーに出演。
公務員がそんなことするなんて絶対ありえないと思いつつ
そう頑なになっても映画が楽しめないと思い目をつむる。笑

冒頭から緊迫感はあります。
誘拐された子どもの身代金引き渡し。
新宿の人混みの中、一般人に化けた大勢の捜査官が犯人を捜します。

なのに本部では神奈川県警と警視庁の確執しあい
お偉いさんはあれこれと口を挟んでくる。
身代金を抱えた子どもの母親だけが正気を保てない。

川崎での多摩川河川敷で殺害された
中1の男の子の事件が大々的に報道されていた後に鑑賞したので
子どもの死体が出てきた場面はさすがに気分が暗くなりました。
年齢に違いはありましたが
現実に亡くなった子と映画の中の死体が被ってしまいます。

それから6年後、再び3件の幼児誘拐殺人事件が発生してしまいます。
事件解決も出世のためだけの警察幹部。
視聴率至上主義のマスコミには格好のネタ。
事件が凶悪であればあるほど
残酷であればあるほど、それは美味しいご馳走。
事件を捜査する捜査官との温度差は大きい。

主人公の巻島警視(トヨエツ)を陥れようとする
微妙に石原裕次郎似の植草刑事総務課長(小澤征悦)が
イヤミで怪演でしたねえ、髪形もヘンで。
これじゃあ滝川クリステルちゃんにフラれちゃってあたりまえと
余計なお世話が頭をよぎる。笑

決してつまらないわけではないのですが
どこか物足りない作品でしたね。
いつの間にか奥さんが元気になるなら
あんな病気のシーンはなくていいし
ラストの目を見開くシーンも意味不明。

不要な部分はカットしてシンプルにしたほうが
もっと良い映画になった気がします。



【解説】allcinemaより
雫井脩介の同名ベストセラー小説を豊川悦司主演で映画化したサスペンス・ミステリー。連続児童殺害事件の捜査を任された刑事が、テレビを使った前代未聞の“劇場型捜査”で犯人を追い詰めていく中、地位や名誉を優先する警察幹部や視聴率至上主義にはしるマスコミ人それぞれの思惑が複雑に絡み合っていくさまをスリリングに描いていく。監督は「樹の海」の瀧本智行
 6年前、誘拐事件で犯人を取り逃した末、人質の少年を殺された責任を取らされ左遷された刑事・巻島。ある日、彼のもとに神奈川県警時代の上司で現・県警本部長の曾根から連絡が入る。巻島に、難航している川崎連続児童殺人事件の捜査責任者となり、テレビで視聴者に情報提供を呼びかける大役を任せるというのだ。さっそく生放送のニュース番組に出演した巻島は、とつぜん“BADMAN”と名乗る犯人に直接語りかけ始め、犯人を挑発する。案の定、視聴者からは抗議の声が殺到するが、番組の視聴率は倍増、ライバル局も巻き込み報道は過熱していく。