原題は「THE BIG SHORT」
株などを売ることや、売りポジションを保有することで
市場価格が下がることで利益を獲得できると方法のひとつ
2020年以降も、コロナ禍によって
国内外経済が大きな打撃を受けているのにもかかわらず
景気の鏡とも言われる株価は高値を続けています
景気が悪いのに株価が上がる理由は何なのか
破綻しそうな企業からどうやって儲けるのか
私たちにはわからない
その複雑な仕組みのせいで
ごく一部の頭のいい金儲け至上主義者たちだけが大金を稼ぎ
全世界が迷惑をかけているのです
映画は2007年から発生したサブプライム住宅ローン危機をいち早く予見し
リーマンショックによる金融危機で多額の利益を得た投資家たちの物語
深刻な題材にお茶目なユーモアをプラスしているところは
「俺たちシリーズ」のアダム・マッケイらしい
最初にサブプライムローン危機と不動産バブルの崩壊を予見したのは
投資家で医師のマイケル・バリー(クリスチャン・ベイル) でした
マイケルが大手銀行や証券会社に
サブプライムローンのCDS(債務不履行保険=倒産保険)を買いに行くと
サブプライムローンが破綻するとは思ってもいない銀行家は
喜んで彼の提案を受け入れます
マイケルが大量のCDSを買っているという噂を聞いた
ドイツ銀行のジャレッド(ライアン・ゴズリング)は
マイケルの予想を分析し、サブプライムローンの崩壊が近いと確信すると
ヘッジハンドのマネージャー、マーク(スティーブ・カレル)にも
CDSを買うよう話を持ち掛けます
マークも最初はジャレッドの話を信じていませんでしたが
銀行が返済が出来そうもない低所得層に審査もせず
複数のサブプライムローンを組ませていること
住宅バブルどころか(金利で)ローンが払えなくなり空き家ばかりなこと
嘘の「AAA]評価をしていたことがわかります
同じ頃、ウォール街で大きな取引をするためにやってきた
ベンチャー企業のチャーリーとジェイミーの若者二人は
相談に行った銀行でCDSの資料を見つけ(こんな大事な書類忘れないよな)
友人で元トレーダーのベン(ブラット・ピット)に相談します
そしてふたりはベンのコネで買えるだけのCDSを手に入れます
なのに投機バブルは続き、株価もなかなか下がらない
マイケルは投資家たちの反乱に見舞われ
マークは国と銀行がグルになって国民を騙している事実に悩まされる
だけどついにその日はやって来ました
サブプライムローン危機を始めとした資産価格の暴落
リーマン・ブラザーズの破綻
サブプライムローン危機って
日本でいえば山一證券の経営破綻みたいな感じだったんだな
国は銀行は救済しても国民は助けない
金持ちの、金持ちによる、金持ちのための政治
マイケルも、マークも、チャーリーとジェイミーも
大金を手にしますが、そこにカタルシスはありませんでした
関係ないけど、ブラピがジョージ・ルーカスに似ている件について
ジョージ・ルーカスも髭を剃るとプラピに似ているのかが気になる
【解説】allcinema より
「マネーボール」の原作者マイケル・ルイスのベストセラー・ノンフィクション『世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち』を映画化した社会派金融群像ドラマ。サブプライム・ローンの破綻を引き金としたリーマンショックの舞台裏で繰り広げられた驚きの実話を基に、デタラメな錬金システムを編み出し、バブルに浮かれるウォール街を尻目に、いち早くその矛盾を見抜き、バブルの崩壊に賭ける世紀の大バクチを打ち、巨万の富を手にした4人のはみ出し者たちの戦いの行方をスリリングに描く。出演はクリスチャン・ベイル、ライアン・ゴズリング、スティーヴ・カレル、ブラッド・ピット。監督は「俺たちニュースキャスター」「アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!」のアダム・マッケイ。
2005年。風変わりな金融トレーダーのマイケルは、格付けの高い不動産抵当証券に信用力が低いはずのサブプライム・ローンが組み込まれていることに気づき、破綻は時間の問題だと見抜く。だが、好景気に沸くウォール街で彼の予測に真剣に耳を傾ける者など一人もいなかった。そこでマイケルは、“クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)”という金融取引で、バブル崩壊の際に巨額の保険金が入る契約を投資銀行と結ぶ。同じ頃、若き銀行家ジャレッドやヘッジファンド・マネージャーのマーク、引退した伝説のベンもまた、バブル崩壊の足音を敏感に察知し、ウォール街を出し抜くべく行動を開始するが…。