白い恐怖(1945)

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「恋する女性は理性が低下する」

原題は「SPELLBOUND 魅せられて


ヒッチさん登場は35分ごろ、タバコを吸いながら

エンパイア・ホテルのエレベーターから出てきます

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ダリのシーンは、「アンダルシアの犬」(1928)と違い

ダリの絵画をそのまま映像にした、と言う感じですが

ダリが提供したアイデアのほとんどが映像化不可能で
ボツになってしまったそうです(笑)

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イングリッド・バーグマンはカラーより白黒のほうが断然美しさが映える

30歳くらいで彼女自身がいちばん綺麗で女盛りの頃

グレゴリー・ペックは映画デビューして間もないということもなり

初々しく感じます(大根という評もあるけど)

ハンサムで背が高いので(190cm

美人だけどガタイのいいバーグマンの相手役にぴったり

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ヒッチさんらしく掴みはOK

ひとりの色っぽい女性(ロンダ・フレミング)が看護師の男に連れられて

コンスタンス(イングリッド・バーグマン)のところにやってきます

黒い服を着た精神病(色情狂)のファム・ファタール

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一方のコンスタンスは白衣に眼鏡

男にも恋愛にも興味はなく、何でも冷静に分析してしまう精神科医

これ一瞬、ロンダをバーグマンと見違えてしまうんですね(笑)

たぶんロンダにバーグマンと似たメイクをさせていると思うんですけど

ふたりの対比でコンスタンスがいかに堅物かがわかりやすい

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なので男性ばかりの職場で上司に口説かれたり、圧をかけられても

仕事一筋、決して動じない

そんな彼女が、新しく病院長に赴任してきた

エドワーズ博士(グレゴリー・ペック)に一目惚れしてしまいます

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このエドワーズ博士がやたらと怪しい

白地のテーブルクロスに書かれた線を見たとたん不機嫌になり

ガウンの縞模様で発作を起こしてしまう

そのうえエドワーズが書いたサイン入りの本と本人のサインが全く違う

明らかにエドワーズと名乗る男はエドワーズじゃない

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しかし愛は盲目 、しかも一目惚れほど動じないものはない(笑)

コンスタンスは「彼」のトラウマを探り記憶を取り戻そうと

NYに逃げようとしていた「彼」を追い

恩師ブルロフ博士のところで匿ってもらうことにします

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そして博士の治療で、「彼」の名前がジョン・バランタインであること

幼少期に弟を誤って殺してしまったこと

エドワーズ博士はスキーで事故死したことを思い出します

(当時はスーツ姿のままでスキーしたのか 笑)

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が、本物のエドワーズ博士の死体から銃弾が見つかり

ジョン・バランタインに殺人容疑がかけられるわけですが

ジョンのコンスタンスによる夢診断により

真犯人は元所長のマーチソンだと判明するのです

後から来た、若くて才能ある後継者が邪魔だったんでしょうな

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ラストの銃口を向けるPOVpoint of view) 視点のカメラは

実は巨大な銃の模型を使って撮影したものだそうです

観客側に向かって発砲したり、ワンカットだけ赤いコマを挟んだり

心理的な揺さぶりかたがニクイですね

カメラはジョージ・バーンズ

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ただし最後まで、ジョン・バランタインエドワーズ博士と

マーチソンの詳しい関係は不明

掴みは上手いけど、詰めが甘いのがいつものヒッチさん(笑)

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気になったのは作中でバーグマンが作ろうとした”卵入りコーヒー”

I'll make you coffee with an egg in it

めっちゃ不味そうだと思ったんだけど(笑)

日本でも「カフェ・ウフ」という名でメニューがあるそうです

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作り方は1CUPの濃いめのコーヒーに(卵が固まらないよう熱すぎない)

砂糖(2杯くらい)、といた卵黄1個、好みでラム酒少しを入れる

ポイントはよく混ぜて早めに飲むこと(笑)

バーグマンに淹れてもらったと思って

試してみてはいかがでしょうか




【解説】allcinema より

新しく病院にやってきたバランタインという医師は、白地に縞の模様を見ると発作を起こすという奇癖を持っていた。やがて、彼の代わりに来るはずだったエドワーズ博士が、行方不明になるという事件が起こる。バランタインが疑惑の渦中に立たされる中、病院の女医コンスタンスだけは彼の無罪を信じ、発作の原因を追究するが……。ニューロティックなサイコ・スリラー。主人公が垣間見る幻想シーンのビジュアルにはサルヴァドール・ダリが協力している。