ハリーの災難(1955)

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原題は「THE TROUBLE WITH HARRY」(ハリーとのトラブル)

 

ヒッチコックのコメディ風サスペンス

ヒッチさんが「疑惑の影」(1943)と並お気に入りに挙げているそうですが

アメリカでは人の死を笑いのネタにするという(英国風?な)

ブラックユーモアが受け入れられず興行は最悪

一方、ヨーロッパでは大ヒット

どうにか採算が取れたそうです(笑)

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シャーリー・マクレーンの映画デビュー作としても有名で

「ワタシが育てた」と、後年ヒッチさんは大いに自慢したそう(笑)

ヒッチさん登場は、始まって22富豪の車の向こうを散歩

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バーモンド州の小さな田舎町

アーニー少年が森の中で男の死体を見つけ母親を呼びに行きます

時を同じくして森で狩りをしていた船長(エドモンド・グウェン)は

男が自分の撃った弾で死んだと思い、死体を隠そうとしていると

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そこにミス・グレイヴリー(ミルドレッド・ナトウィック)がやって来て

船長は死体を見なかったことにしてくれと頼み

快く引き受けたミス・グレイヴリーは船長を午後のお茶に誘います

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再び遺体を隠そうとすると、今度は少年アーニーと

母親のジェニファー(シャーリー・マクレーン)がやって来た

ジェニファーは「ハリーだわ」と言い

そのまま「何もなかったこと」にして、息子を連れて帰ってしまいます

死体はジェニファーの夫だったのです

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医者は男につまずいて転ぶものの

読書に夢中で死体に気付かない

浮浪者も無関心で死体の靴を盗み

そのまま履いて去ってしまう

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船長は思わずウトウト、寝てしまいます

気が付くとウィッグス夫人の雑貨屋で売れない絵を飾ってもらっている

画家のサムが死人の顔をスケッチしていました

船長はサムに死体を一緒に埋めようと提案します

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森の紅葉のカラーが最高に美しく

映像だけならダグラス・サーク(笑)

 

すべてのエピソードが伏線になっていて

田舎の小さな町なのに、住人同士がお互いの素性や

ファーストネームを知らないという不自然さにも
決して触れることはありません(笑)

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4人の老若男女、誰もが証拠隠滅に加担した容疑者になってしまい

何度もハリーを埋めては掘り起こす(笑)

そしてお互いのことを知っていくうち、好きになってしまう

サムはジェニファーにプロポーズし、ジェニファーもそれを受けますが

ハリーが死んだことにならないと結婚できない

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泥だらけのハリーを洗い、元に戻そうと決断した4

その時また医師が通りかかって、今度はハリーを見つけてしまう

 

4人は医師にハリーの検死を頼み、死体をジェニファーの家に運びます

そこに雑貨屋の息子で警察官のカルヴィン(ロイヤル・ダノ)がやって来て

サムが雑貨屋に忘れたスケッチブックに描かれている男の顔と

死体から靴を盗んだ浮浪者の評言が一致しているという

そこでサムと船長は、ハリーの似顔絵も靴もなかったことに(笑)

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医師の診断によりハリーの死因は心臓発作

ジェニファー やミス・グレイヴリーに殴られたせいでなかったのです

 

お風呂に入れられ、スーツとシャツにはアイロン

靴を履いたハリーは、翌日同じ場所に倒れていました

そして再び死体を見つけた少年は走るのでした

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明日の昨日は今日、今日は昨日の明日

昨日の明日は今日


トムの絵も売れたことだし

ハリーが死んでくれたおかげでみんなハッピー

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そして今日の名言(新しいコーナーか 笑)

シャリー・マクレーンがキスするときの

「そっとね のぼせやすいの」

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これは使える(使う機会はもうないがな 笑 笑 )

 

 

【解説】KINENOTEより

泥棒成金」に次いでアルフレッド・ヒッチコックが製作・監督した、死体をめぐるスリラー喜劇。原作はアメリカの新進作家で異色題材を扱うことで知られているジャック・トレヴァー・ストーリー。脚色は、「泥棒成金」のジョン・マイケル・ヘイス、撮影は「裏窓」のロバート・バークスと、いずれもヒッチコック作品ではお馴染みのスタッフの他、音楽はバーナード・ハーマンが担当している。なお、歌曲“旗をふって列車をタスカルーサへ”はマック・デイヴィッド作詞、レイモンド・スコット作曲。主な出演者は、ブロードウェイの舞台でダンサーとしての才能をうたわれたシャーリー・マクレーンの抜擢をはじめ、「北京超特急」のエドモンド・グウェン、「ブラボー砦の脱出」のジョン・フォーサイス、「ダニー・ケイの黒いキツネ」のミルドレッド・ナットウィック、「セールスマンの死」のミルドレッド・ダンノックなど。

もみじの美しいヴァーモント州の森の中で不思議な事件がおこった。4つになった男の子アーニー・ロジャース(ジェリー・マシューズ)が森に遊びに行って、男の死体を見つけた。村の人々のなかにこの男を殺す動機を持っていると疑われるものがいた。死体はハリーという男だった。映画の主役はこのハリーの死体なのである。死体が発見された時、もと船長であったアルバート・ワイルスという中年の男(エドモンド・グエン)は、兎を射っていて、あやまって殺人を犯したものと信じてしまった。ミス・グレヴリーという中年女(ミルドレッド・ナットウィック)は森の中でハリーに襲われ、ハイ・ヒールのかかとで頭をなぐりつけたので、それが死因であると思い込んでしまった。ジェニファー・ロジャー(シャーリー・マクレーン)という若く美しい後家も、疑われるだけの理由を持っていた。ジェニファーは死体を見つけたアーニー少年の母親で、ハリーはジェニファーの2度目の良人だった。アーニーの父親である最初の良人ロバートが死んだ時、ロッバートの兄のハリーが無理にジェニファーと結婚、ジェニファーはハリーに愛情がないことを知って、ヴァージニアの田舎に身を隠したのだが死体を発見した朝、ハリーが突然訪れてきて家に入り込もうとしたので、牛乳のビンでなぐりつけた。ハリーは眼がくらんで、ふらふらと森の中に姿をかくし、その後死体となって発見された。もう1人疑われる理由を持っていたのはサム・マロー(ジョン・フォーサイス)という青年画家だった。サムはジェニファーを愛していて、ジェニファーもサムに想いをよせていたので、名目だけの良人であるとはいえ、ハリーの存在が邪魔であるのは当然のことだった。こうして、4人のものがそれぞれの立場を考えて、夕方から朝にかけてハリーの死体を埋めたり掘り返したりした。ワイルス船長ははじめに兎とまちがえて射殺したと思ったが、しとめた兎をアーニーが拾っていたことがわかって、自分に罪がないことを知ったし、ミス・グレイヴリーは死体を埋めることをたのんでからワイルス船長と親しくなり、かねてからひそかに想い合っていたことがわかると、晴れて夫婦になりたいと思い、それには埋めた死体を掘り出して正統防衛を主張した方がいいと考えた。サムはワイルス船長に話を持ちかけられて、死体を埋める手伝いをしたが、ジェニファーと結婚するとなると、ハリーが死んだことを明らかにしなければならないので、埋めた死体を掘り出さなければ都合が悪かった。そのうちに、ハリーの死体の靴を盗んだ浮浪者がつかまって、シェリフの手伝いをしているカルヴィン(ロイヤル・ダノ)が活躍をはじめた。ハリーの死体に共通の関心を抱いた4人は相談のあげく死体を森の中のもとの所へ置いて、改めてアーニーに見つけさせようと企てた。この企てはどんな結果になるか。