原題も「Phenomena」(現象、事件、驚異的、非凡、など)
スイスの女学校にアメリカ人の留学生がやってきて
スコットランド人の昆虫学者と係わり
全編イタリア語という不思議な設定と
昆虫と交信のできる少女が
ハエに誘導され連続殺人の犯人を捜すというリアリティのなさ
&プログレロックのフェチ (笑)
見どころは、当時14歳 のジェニファー・コネリーの美貌
「テス」のナスターシャ・キンスキーや
「プリティ・ベビー」のブルック・シールズと比肩する美少女
(顔も似てるといえば似ている)
そんな彼女が蛆虫だらけにさせられ
目を背けたくなるような汚いシーンを頑張り
(演技はまだ下手だけど 笑)存在感を見せつけています
(窓板を素手で破壊するシーンがある)
撮影中ジェニファーに襲いかかったこともあったそうです
芸能界で生き残るには、子役でもこれくらい根性ないと
可愛いだけじゃだめなんだな
今では、海軍兵士相手のバーの店主(笑)
スイス北部の山間(壮大な自然が無駄に美しい 笑)
観光バスに乗り遅れた少女(アルジェント監督の実娘 )が何者かに殺害され
警察は見つかった被害者の頭部を
車椅子の昆虫学者、マクレガー教授(ドナルド・プレザンス)に
検視してもらいます
教授は蛆虫の生育過程から死後8カ月強経過しているだろうと推測
(もっと早く孵化するだろ 笑)
殺人犯の捜査に協力することを約束
チューリッヒの寄宿制女学校リヒャルト・ワグナーに
有名俳優の娘でアメリカ人のジェニファーが転校してきます
生徒の世話役は(学校職員の)ブルックナー
ルームメイトのソフィは、ジェニファーの父の大ファンですぐに親しくなります
その夜、夢遊病の持病があるジェニファーが就寝すると
奇妙な夢にうなされベッドを抜け出してしまいます
外では少女が何者かに追われ、森の中を逃げ回っていました
ジェニファーは少女が逃げ込んだ古い建物に入り
少女が殺害される現場を目撃しますが、足場の抜けた軒から落下
さらに彷徨っていると、2人の少年に車で連れ去られ
ドアを開け飛び降りたジェニファーは
マクレガー教授の介助ペットのチンパンジー、インガに助けられます
教授の家で手当をうけたジェニファー
籠の虫と戯るジェニファー見た教授は、彼女に不思議な能力を見抜きます
そして、アルプスから吹くフェーン風は人を狂わせることと
何度も自分に言い聞かせることを教えます
学校に戻ったジェニファーは、脳波の検査をさせられると
昨夜の失っていた記憶を、断片的に思い出します
犯人に顔を見られ、狙われてるかも知れない
もし夜中にベッドから出たら、ソフィに起こしてほしいと頼みます
しかしソフィはボーイフレンドと会うため寮を抜け出してしまいます
しかもジェニファーの服を借りて
デートを終えたソフィが寮に戻ろうとすると、何者かに襲われ
悲鳴をい聞たジェニファーが外へ出ると
現れた一匹の蛍が導き、手袋を見つけます
部屋に手袋を持ち帰ると蛆虫が付着していて
蛆虫から殺害されたソフィの姿を感じるジェニファー
ジェニファーは教授を訪ね「手袋の持ち主が犯人」だと主張すると
教授は古代ギリシャの「蝶」の話をします
(「羊たちの沈黙」まんまやん 笑)
蝶は魂の象徴で、昆虫にはお互いが交信するテレパシーのような能力があり
ジェニファーにもその能力が具わっていると
学校では、ジェニファーが父親に宛てた手紙がひとりの生徒によって読まれます
それは「夢遊病は別人格の入り口と医師に言われ、その人格が出始めたの」
「虫と交信し虫を動かせるようになった」というもの
ブルックナーは生徒たちに彼女を監視するように言い
ジェニファーは執拗な虐めをうけるようになります
パニックになったジェニファーは、ハエの群れを呼び寄せ
生徒たちを恐れさせますが、失神
ブルックナーに精神病院に入院させられそうになったジェニファーは
隙を見て逃げ出し、教授のもとに向かうのでした
教授は、蛆虫の正体がわかった
蛆虫は「石棺に棲む虫」という意味をもつ
サルコファゴスという人間の死体にのみにつくハエの幼虫であり
すなわち犯人は死体愛好家
サルコファゴスは、離れた人間の腐臭でも嗅ぎつけるので
ハエを放てばハエが犯人の潜伏場所が見つけてくれるはず
ジェニファーは最初の被害者の頭部が発見された家に行きます
ハエが切断された手首を見つけますがジェニファーは気付かない
管理人が現れ逃げるジェニファー
そこにジェニファーを追ってきたガイガー刑事がやって来て(教授が連絡した)
管理人に保有者を聞き出し、その人物が勤めていた精神病院に行き
15年前に起きた事件を知ります
看護師だったその人物は、重症患者の檻に引きずりこまれレイプされ妊娠
しかも生まれた子どもには奇形があり性格異常だっといいます
その人物とはブルックナーのことした
少女を狙っては殺人を繰り返していたのは彼女の息子だったのです
一方ジェニファーはアメリカへ帰国するために
父の代理人モリスに口座に入金してと電話し
銀行で入金されるのを待っていると、ブルックナーがやって来て
モリスから明日の飛行機で帰国できると連絡が来たから
私の家に泊まってと、息子とふたりで住んでいるという屋敷に
ジェニファーを連れて行きます
そこでジェニファーに触れると熱っぽいと言い、薬を飲むよう差し出します
ジェニファーが拒むとヒステリーを起こし、洗面所で1錠だけ口にすると
洗面所も石鹸もタオルも、蛆虫だらけ
さらに激しい腹痛に襲われ
ジェニファーは水を飲み薬を吐き出すことにします
そこに屋敷を訪ねてきたガイガー刑事
刑事が15年前の真相を問い詰めると
ブルックナーはその時のものだと傷跡を見せ、刑事が同情した隙に一撃
次にジェニファーを洗面所に監禁
ジェニファーは地下へ続く通路を見つけ、歩いていくと
横穴から何者かに引きずり込まれます
それは血まみれになって壁につながれた刑事でした
驚いた拍子にジェニファーは
腐乱した死体で埋め尽くされたため池に落ちてしまいます
そこにブルックナーが現れジェニファーを溺れさせようとすると
刑事は自分の指の骨を折り、手首が手錠を抜けブルックナーに反撃
プールから這い上がったジェニファーが逃げると
泣きじゃくっている子どもを見つけます
ジェニファーが「一緒に逃げよう」と声をかけると
振り向いた子どもの顔は怖ろしく、しかも槍をもって追いかけてきまます
湖に出て、モーターボートがで逃げようとするジェニファー
襲いかかる子ども
ジェニファーが叫ぶと(危機を察知した)大量のハエが襲撃してきて
子どもの肉は剥ぎ落され、苦しみながら湖に落ちてしまいます
しかしジェニファーがモーターボートのエンジンをかけると
ガソリンタンクが炎上
湖に飛びこむと、死んだと思った子どもが再び襲いかかってきました
水中でもみあいになり、ようやく子どもが息絶え沖にたどり着くと
モリスが駆け付けてきて、再会もあっというま
ブルックナーに鉄板で首を切り落とされてしまいます
ブルックナーは刑事を殺し、教授も自分が殺したことを明かし
息子の復讐だとジェニファーを襲おうとしたとき
インガが現れ、ゴミ箱から見つけたメスで
(教授からメスは危険なものだと教え込まれている)
何度もブルックナー切りつけ、教授の仇を討ったのでした
ジェニファーとインガは寄り添い
ジェニファーはインガの頭をなでるのでした
いいところをみんな持って行った気がしますが(笑)
殺人鬼の正体は亡霊でも、魔女でもない
いちばん怖いのは人間の恨みや、憎しみや、復讐心・・
ということですね
【解説】映画.COMより
「サスペリア」のダリオ・アルジェント監督が当時13歳だったジェニファー・コネリーを主演に迎え、昆虫と交信できる少女が連続殺人事件に巻き込まれていく姿を描いたホラー。スイスの全寮制女学校に、有名な映画俳優を父に持つアメリカ人少女ジェニファーが転入してくる。その頃、街では少女ばかりを狙った連続殺人事件が発生していた。ある夜、持病の夢遊病で街にさまよい出たジェニファーは、殺人事件の現場に遭遇してしまう。昆虫と交信できる不思議な能力を持つ彼女は、警察から捜査協力を依頼された昆虫学者マクレガー教授と共に犯人探しに乗り出すが……。共演に「ハロウィン」シリーズのドナルド・プレザンス、「サスペリアPART2」のダリア・ニコロディ。1997年に本編が4分長い115分の「フェノミナ インテグラルハード完全版」が発表されている。2021年6月、4Kレストア版がシネマート新宿・心斎橋でリバイバル上映。
1985年製作/115分/イタリア
原題:Phenomena
配給:TCエンタテインメント
日本初公開:1985年6月8日