「君のために、5つの州の全てのお花屋さんから取り寄せたよ」
原題も「BIG FISH」
”ビッグ・フィッシュ”とは、誰も信じないホラ話のこと
年寄りの何度も何度も繰り返す同じ昔話に
聞き飽きて、もううんざり・・という経験は
誰にでもあるのではないでしょうか
ついにはイラついて顔も見たくなくなってしまう
でもいつか、親のそんなくだらない話を
ちゃんと聞いてあげればよかったと後悔する日がくる
もしかしたら、若い頃親に反抗した人ほど
ジーン・・とくる物語かもしれません
ただし前半は繰り返すホラ話の映像だけなので
睡魔に襲われてしまう可能性も大(笑)
ちなみに私の場合バートンの作品すべて、相性がいいのか悪いのか
途中で寝てしまいます(笑)
ウィルの父親エドワード(アルバート・フィニー)も昔話が大好き
しかも話し上手なので、初めて聞く相手を魅了してしまいます
自分の結婚式でも主役は楽しいホラ話を続ける父親のほう
頭にきたウィルはそれ以来、父親と疎遠になってしまいます
その父親が病気で倒れたという
さすがに心配で身重の妻と見舞いに行ったウィルだけど
病床でも父親はホラ話ばかり
ウィルは父親の人生は本当はどんなだったのだろう
と、疑問に思うようになるのです
そして父の古い荷物の中の証書から”ジェニファー”という女性の名前を見つけ
ウィルは”ジェニファー”に会いに行く決意をします
幼いとき、魔女と呼ばれる女性の眼帯に隠された片目で自分の最後を知る
人々が恐れる巨人カールと生まれ故郷を出て旅をする
森の奥にある「スペクター」という住民が裸足の街に迷い込み
ジェニファーという少女に靴を奪われる
カールとサーカスに入団し、運命の女性サンドラにプロポーズ
戦時招集で朝鮮戦争へ出兵、兵役を短縮するため北朝鮮で命懸けの任務を果たす
退役後セールスとして働いていると、スペクターのノザーに銀行強盗に誘われる
が、強盗を諦めるよう説得すると、ノザーはウォール街の投資家となり成功
ある大雨の仕事帰り、車ごと人魚のいる湖に沈んでしまい
翌日水が引くとそこは退廃した裸足の街「スペクター」でした
エドワードは資金を集めて「スペクター」を
元通り美しい街に再建することに成功します
ただ一軒残っていたボロ屋敷をリフォームするため説得に向かうと
そこに住んでいたのは、かってエドワードの靴を盗んだジェニファーでした
ジェニファーはエドワードを愛していましたが
エドワードは妻子のためにジェニファーを受け入れられず
「スペクター」を去り二度と戻ることはありませんでした
やがて老いたジェニファーは魔女と呼ばれるようになったのです
ウィルはいかに父親が妻と息子を愛し、多くの人々から愛されたか
ジェニファーの話から知ることができました
しかしやっとウィルが父親を許せたとき、父親はすでに危篤でした
そしてウィルに「俺の最期の話をしてくれ」と頼みます
病院を抜け出したお父さんは
川で「ビッグ・フィッシュ」になり泳いで去っていくんだ
息子の考えた結末にエドワードは満足しながらこの世を去り
彼の葬儀に集まったのはなんと、彼のホラ話に登場した人々でした
親父のホラ話やつまらんジョークに「勘弁して」という人も多いだろうけど
ヘタに昔の思い出かも知れないフィギュアや漫画本大人買いされたり
偽物かも知れない骨董品集められたりするより
残すなら現金とホラ話のほうがよっぽどマシだと思う(笑)
最後に息子がお父さんに孝行できてよかった
って、息子が勝手に怒っていただけなんだけどさ
お気の毒なのは、幼い頃からエドワードを好きで待ち続けたうえ
魔女にされたジェニファーのほうよね
【解説】allcinema より
お伽話のように奇想天外な人生を振り返る父とその息子の絆を描いた心暖まるファンタジー・ドラマ。ダニエル・ウォレスの著書『ビッグフィッシュ 父と息子のものがたり』を、「シザーハンズ」「スリーピー・ホロウ」のティム・バートン監督が映画化。父が語る不思議なホラ話の数々をイマジネーション溢れる映像で綴る。主演は「ムーラン・ルージュ」のユアン・マクレガー。
出産間近の妻とパリで幸せに暮らすジャーナリストのウィル・ブルーム。彼の父エドワードは自分の人生を幻想的でマジカルな話として語り、聞く人を魅了し楽しい気分にさせる名人だった。ウィルも子どもの頃はそんな父の話を聞くのが大好きだった。しかし3年前の自分の結婚式で喧嘩して以来、父とは不和が続いていた。そんなある日、母から父の病状が悪化したとの報せを受け、ウィルは妻を連れて実家へと向かう。しかし、病床でも相変わらずホラ話を繰り返す父と、父の本当の姿を知りたいと願う息子の溝はなかなか埋まらなかった…。