原題も「VIVAMARIA!」
美女と銃と爆弾、しかも歌って踊って革命達成(笑)
ジャンヌ・モローとブリジット・バルドーの共演だけあって
製作者側の”できるだけ脱がせろ”の要求がミエミエで
無駄に”お色気シーン”が多く、正直ダレる部分はあるものの
監督はヌーベルバーグの旗手、ルイ・マル
カメラは天才、アンリ・ドカエ
ジョルジュ・ドルリューのテーマ曲に
衣装デザインはピエール・カルダンという一流揃い
よくまとめたと思います
お気に入り映画としても有名な作品だそうで
セルジオ・レオーネにいたっては「夕陽のギャングたち」(1971)で
完璧にオマージュしていますね(笑)
旅芸人一座の花形であるマリア(モロー)
相方が男にフラれて自殺して落ち込んでいるところに
突然舞い込んできたアイルランドの革命家マリア(BB)
マリアマリアは意気投合し、一緒にショーに出ることになります
だけど歌も踊りもまともにできない革命家マリアは
一枚、一枚、衣装を脱いでごまかします
花形マリアも一枚、一枚、脱いでいくハメに
観客は盛り上がり、ショーは大ヒット
ふたりのマリアも男性からモテまくり
(しかもBBのお相手が一度に3人って 笑)
しかし時代はメキシコ革命
独裁者と聖職者がグルになり、村人たちは貧しく苦しんでいました
マリア(モロー)は、イケメン革命家フロレスに恋してしまい
死んだフロレスの代わりに村人を率い独裁者に戦いを挑もうとします
それを黙っては見てはいられない、生まれ持っての革命家マリア(BB)
ガトリング銃を撃ちまくるドヤ顔のBBがかっこいいですなあ
しかも敵の陣地を爆破するために、ターザンのばりに蔓を伝う
フランス映画のひとつの時代を築いた大女優にここまでやらせるか(笑)
そんな数々のムチャぶりはあるものの
モローとBBも親友か?というくらい息もぴったり
とても楽しそうに演じています
しかし実際はカメラマン嫌いで、取材もNGなBBが
この作品に限っては、朝でも、夜でも
自宅のドアまで開放して写真を撮らせたとか(笑)
BBもモロー先輩だけには相当なライバル心を持っていたようです
それでもBB自身、最も好きな主演作のひとつということ
畑のネギを抜けば弾丸とか
銀行を爆破すれば金貨の雨
吹き飛ばされた神父を首を抱えて歩くという(笑)
フレンチ・ギャグの連続が最後まで飽きさせませんし
モローとBBが揃っての登場は、女性から見ても目の保養で
その貫禄と実力にはやはり圧倒、女の美学も学べるでしょう
映画的にはもう少しコンパクトに編集したほうが
もっと傑作になったと思いますが
個人的にはお気に入りで
だって、やっぱりBBがいいんだもん(笑)
【解説とあらすじ】
「地下鉄のザジ」のルイ・マルが、ジャン・クロード・カリエールと共同でシナリオを執筆、自ら監督したアクション・コメディ。撮影は「シベールの日曜日」のアンリ・ドカエ、音楽は「軽蔑」のジョルジュ・ドルリューが担当した。出演は「軽蔑」のブリジット・バルドー、「小間使の日記」のジャンヌ・モロー、「偽りの心」のジョージ・ハミルトン、ほかにグレゴアール・フォン・レッツォリ、クラウディオ・ブルックなど。