ビバ!マリア(1965)


原題も「VIVAMARIA!

これがフレンチウエスタン

美女と銃と爆弾、しかも歌って踊って革命達成(笑)


ジャンヌ・モローブリジット・バルドーの共演だけあって

製作者側の”できるだけ脱がせろ”の要求がミエミエで

無駄に”お色気シーン”が多く、正直ダレる部分はあるものの

 

監督はヌーベルバーグの旗手、ルイ・マル

カメラは天才、アンリ・ドカエ

ジョルジュ・ドルリューのテーマ曲に

衣装デザインはピエール・カルダンという一流揃い

よくまとめたと思います

(ごめんなさい、1作も見ておりません 笑)の

お気に入り映画としても有名な作品だそうで

 

セルジオ・レオーネにいたっては「夕陽のギャングたち」(1971)で

完璧にオマージュしていますね(笑)


旅芸人一座の花形であるマリア(モロー)

相方が男にフラれて自殺して落ち込んでいるところに

突然舞い込んできたアイルランドの革命家マリア(BB

 

マリアマリアは意気投合し、一緒にショーに出ることになります

だけど歌も踊りもまともにできない革命家マリアは

一枚、一枚、衣装を脱いでごまかします

花形マリアも一枚、一枚、脱いでいくハメに


観客は盛り上がり、ショーは大ヒット

ふたりのマリアも男性からモテまくり

(しかもBBのお相手が一度に3人って 笑)

 

しかし時代はメキシコ革命

独裁者と聖職者がグルになり、村人たちは貧しく苦しんでいました

 

マリア(モロー)は、イケメン革命家フロレスに恋してしまい

死んだフロレスの代わりに村人を率い独裁者に戦いを挑もうとします

それを黙っては見てはいられない、生まれ持っての革命家マリア(BB

 

ガトリング銃を撃ちまくるドヤ顔のBBがかっこいいですなあ

しかも敵の陣地を爆破するために、ターザンのばりに蔓を伝う

フランス映画のひとつの時代を築いた大女優にここまでやらせるか(笑)


そんな数々のムチャぶりはあるものの

モローとBBも親友か?というくらい息もぴったり

とても楽しそうに演じています

 

しかし実際はカメラマン嫌いで、取材もNGBB
モローばかりが多くの雑誌の表紙になっていることを知り

この作品に限っては、朝でも、夜でも

自宅のドアまで開放して写真を撮らせたとか(笑)

 

BBもモロー先輩だけには相当なライバル心を持っていたようです

それでもBB自身、最も好きな主演作のひとつということ

 

畑のネギを抜けば弾丸とか

銀行を爆破すれば金貨の雨

吹き飛ばされた神父首を抱えて歩くという(笑)

フレンチ・ギャグの連続が最後まで飽きさせませんし


モローとBBが揃っての登場は、女性から見ても目の保養で

その貫禄と実力にはやはり圧倒、女の美学も学べるでしょう

 

映画的にはもう少しコンパクトに編集したほうが

もっと傑作になったと思いますが


個人的にはお気に入りで

だって、やっぱりBBがいいんだもん(笑)

 




【解説とあらすじ】

地下鉄のザジ」のルイ・マルが、ジャン・クロード・カリエールと共同でシナリオを執筆、自ら監督したアクション・コメディ。撮影は「シベールの日曜日」のアンリ・ドカエ、音楽は「軽蔑」のジョルジュ・ドルリューが担当した。出演は「軽蔑」のブリジット・バルドー、「小間使の日記」のジャンヌ・モロー、「偽りの心」のジョージ・ハミルトン、ほかにグレゴアール・フォン・レッツォリ、クラウディオ・ブルックなど。

マリー(B・パルドー)は刑務所生まれ。スジ金入りのアナーキストの父を助けて破壊活動をつづけていたか、父に死なれて官憲に追われるうちある小さな町に来た。そこではいましも旅芸人ロドルフォ一座が開演中。花形はマリア(J・モロー)という歌手で、コンビの相棒が自殺して困っていたところ。空腹で迷いこんで来たマリーをスペイン語式にマリアとしてマリア・コンビを作った。たちまち人気者になった。この中南米の架空の国では、悪政に耐えかねた民衆の暴動がひんぱんとあった。一座がある村を通りかかったとき暴動が始まり、一同高見の見物。ところが血筋は争えぬマリー、鉄砲で政府軍の兵隊をブッ放してしまった。おかげで一座もろとも捕われの身となり、死刑囚フロレス(G・ハミルトン)らと牢獄にぶちこまれてしまった。この男、マリアのファンでかつて彼女の所に日参していた。二人は銃殺を前に愛の一夜を送った。翌日、二人のマリアはこの辺の権力者にロドリゲスの所に呼び出され、そこに機関銃のあるのを見たマリーはそれでバリバリやってまんまと脱出した。が、この騒ぎの中でフロレスが銃弾を浴び、マリアに「戦いをつづけてくれ」と言い残して死んだ。俄然マリアは革命にめざめ、美女二人のリードのもとに勝利に向ってまっしぐら。ロドリゲスも大砲までもち出して猛反撃。だが二人の力の前にアエなく屈した。こうして革命の恩人二人のマリアは聖母マリア以上の人気。こうなると教会側も捨ててはおけない。マリアたちは捕えられ、殺されかかったところを革命軍側の総反撃で助け出された。ついに革命は成功、花吹雪と歓呼の中をフロレスの銅像に別れをつげ、一座は旅立って行った