カリートの道(1993)

「アディオス 弁護士さん」

 

原題もCarlito's Way

原作はニューヨーク州最高裁判所の元判事エドウィン・トレスの

同名小説カリートの道」とその続編「それから」

ものすごく面白かったんですけど(笑)

ブライアン・デ・パルマ節炸裂

傑作「スカーフェイス」や「アンタッチャブル」にも決して引けを取らない

丁寧で臨場感のあるカメラワーク

秀逸で分かりやすいプロット

なんてったってアル・パチーノ(当時53歳) の存在感とかっこよさ

黒革のロングコート

ドアのチェーン越しに恋人との会話(ハスキーボイスの声がまた堪らんのよ)

鏡越しの挑発からのドアを破ってキスの一連のシーン

地下鉄からグランドセントラル駅のエスカレーターでの攻防

ラストの「baby

揺れるパラダイスの看板に痺れる

カメラはスティーヴン・ヘンリー・ブラム

そしてショーン・ペンの小物感

ショーン・ペンだと全く気付かなかったんですけど(笑)

金髪クルクルパーマの(突然このスタイルでやって来たらしい)

裏切り者のクソ野郎

アル・パチーノが拳銃の弾を抜いていたシーンが超スッキリ

脇を固めるジョン・レグイザモルイス・ガスマンは最高だし

情けないヴィゴ・モーテンセンも見どころ(笑)

プエルトリコ系元麻薬王カリート・ブリガンテ(アル・パチーノ)は

親友の弁護士クラインフェルド(ショーン・ペン)のおかげで

30年の刑期を5年で出所することが出来ました

カリートはヤクザから足を洗い、ムショ仲間の紹介で

ハバマでレンタカー店を営もうと思っていましたが

その資金調達のためクラインフェルドに頼まれたクラブで

昔なじみの パチャンガルイス・ガスマン)を用心棒に雇い

オーナーをすることになります

しかしすぐに、運び屋の従弟に付き合ったせいで

抗争に巻き込まれてしまいます

(殺された従弟が用意していた麻薬の代金をネコババする)

ある日カリートの店で、クラインフェルドが

ベニー・ブランコ (ジョン・レグイザモ)の女を寝とったことで

トラブルになりますが
カリートはベニー殺害することができず、彼を逃します

さらにクラインフェルドがイタリアンマフィアの金を横領したことから

服役中のマフィアのボストニーの脱獄を手伝うことになり

カリートは手を貸してくれと頼まれます

恋人ゲイル(ペネロープ・アン・ミラー)からは

(ブロードウェイのダンサーになるのが夢だが、ヌードバーで踊ってる)

クラインフェルドと関りを持たないでほしい

さらに妊娠をしたことを付けられますが

クラインフェルドにはムショから出してもらった恩があるため

カリートは断ることが出来ませんでした

しかしあろうことか、ボートで脱獄したを救助に向かうと

クラインフェルドはトニーと、トニーの長男フランキーを殺してしまい

(コカイン中毒で正常な判断ができなくなっている)

そのとき負った怪我で病院に運ばれます

カリートは検察からトニーの次男がお前を探してる

クラインフェルドの裏切りを聞かされ、司法取引に応じるよう説得されます

しかしカリート取り引きに応じず

自らクラインフェルドにけじめをつけることにします

トニーが雇った殺し屋は必ず病院に来る

カリートはクラインフェルドを油断させ銃から弾を抜くと病室を去り
入れ替わりに殺し屋がやって来て、クラインフェルドは撃ち殺されます

カリートクラブの金庫から金を持ち出し

ゲイルの待つグランド・セントラル駅向かいますが
イタリアンマフィアの追っ手は迫り、駅で激しい銃撃戦となります

やっとホームにたどり着き、ゲイルと列車に乗ろうとしたその時

バチャンガとベニーが待ち構えていました(用心棒のバチャンガが裏切った)

 

仁義を通す時代はとうに終わっていた

愛した女のため、堅気の道を歩もうとしただけなのに

それさえも誰も許してくれなかった

カリートはベニーの銃弾に倒れ泣き崩れるゲイルに金を渡すと

病院へ運ばれるストレッチャーの上

南国のビーチで遊ぶゲイルと子どもの幻を見るのでした

 

そこに流れるジョー・コッカーの「You are so beautiful」(美し過ぎて)

You are so beautiful, to me  きみは美しい 僕にとって
You are so beautiful, to me  きみは素敵だ 僕にとって

(泣いているようなかすれた歌声が特徴)

映画としてとにかくお見事、マフィア映画の隠れた傑作

アクションが素晴らしいのはもちろん、正統なギャングものでありながら

純粋にロマンチックで、哀れ

 

アル・パチーノは神だな(笑)

お気に入りを献上させていただきます

 

 

【解説】映画.COMより

1975年、ニューヨーク。麻薬ビジネスで名を馳せた暗黒街の大物カリートが刑務所から出所。彼は犯罪から足を洗うことを決意し、クラブの経営者に収まる。かつての恋人ゲイルとよりを戻すこともできたが、捜査当局からは執拗にマークされ、さらにブロンクスの新興マフィア、ベニーとのいざこざも絶えない。そんな折、カリートはマフィアに脅迫されていた弁護士デイブを助けるが、それがきっかけで命を狙われるハメに……。パチーノとデ・パルマ監督が「スカーフェイス」以来、久々に手を組んだアクション・ドラマ。

1993年製作/145分/アメリ
原題:Carlito's Way