インサイダーとは、集団や組織の中の人
実際にあった煙草産業による組織ぐるみの犯罪隠しを
告発者とTVプロデューサーの視点で描いた社会派映画
煙草が有害で中毒性があることは誰でも知ってることですし
私の場合は非喫煙者に配慮さえしていただければ
吸う、吸わないは本人の自由だと思います
でもこの頃のアメリカの反煙草運動は、確かにすごかった記憶があります
煙草より麻薬の常習性のほうが、ずっと怖い気がするし
健康にしても肥満より喫煙者のほうが絶対危険とは思えない
アメリカの喫煙者と煙草会社に対する厳しさはどこからくるのでしょう
ブラウン&ウィリアム社(B&W)の
(ラッキーストライク、マルボロ、KOOLなどの煙草メーカー)
重役地位をいきなり解雇されたワインガンド博士(ラッセル・クロウ)
高級住宅街に住み高級車、贅沢な暮らしに慣れた妻はショックを隠せません
そんな時、タバコの失火による火災について調査していた
CBSテレビのプロデューサーのバーグマン(アル・パシーノ)は
入手したタバコ会社の資料の解説を、ワイガントに依頼します
ワイガントは機密保持契約があるので答えられないと断りますが
B&Wの経営者たちから呼び出され、新たな守秘義務を守るため
契約を持ちかけられます
一方的な保身に屈辱のあまりキレてしまうワイガント
(このキレてしまうのが解雇の理由のひとつなんだけどね)
それからは(会社が雇ったと思われる人物による)
過去の失態や、女性関係まで調べ上げられる
当時は内部告発がいかに困難なものだったのかが伺えます
妻はそんな生活に耐えきれず、家を出て行ってしまう
私はそれが正解だったと思います
守るべきものがなくなったからこそできる、本当に戦う準備
何の害も中毒性もないと言い切る煙草会社に
ワイガントは科学者という立場で煙草の有害性を訴えます
しかもB&Wでは、さらに中毒性を上げるための
有毒な物質を使っていたと評言するのです
しかし今度は煙草会社の圧力によって
特番がオンエアできないという
やっぱりアル・パチーノはかっこいいなあ(笑)
主人公を粘り強く説得し、煙草会社の妨害をくぐり抜け収録に漕ぎ着ける
凄まじいテレビ局内部抗争の中でも、「自由の権限」のため
プロデューサーとしての信念を貫く爆発的な迫力に痺れます(笑)
アメリカ映画なので主人公が最後に勝のは
当然わかっているのですが
潔くCBSを去っていく姿がまたかっこいい(笑)
ワイガントは娘たちとの面会の日には料理を作るようになり
教え子たちからも正義の知識人として信頼され
”ベストオブ教師”として評価されるのです
この告発を契機に、アメリカの煙草産業は巨額な賠償金を負い
煙草の健康被害に対する認識が、さらに広まったということです
確かに内容は面白く、主演のふたりも最高
でも煙草会社が有害性を認めるのはいいとして
好きで煙草を吸っている人が健康を害したとき
煙草会社が賠償金を支払うってどうなんでしょう
それは何の病気になっても、企業を訴えることができるという
前例を作ってしまったということ
ということは、もし私が肝臓でも悪くしたら
(サッポロビールさん、よろしく♡)
CBSの人気報道番組『60ミニッツ』のプロデューサー、ローウェル・バーグマン(アル・パチーノ)はタバコ産業の極秘資料を入手。彼は全米第3位の企業ブラウン&ウィリアム(B&W)社の元研究開発部門副社長ジェフリー・ワイガンド(ラッセル・クロウ)と接触。彼はB&W社が利潤追求のためタバコに不正な手段で人体に有害な物質を加えているという秘密を握っていたが、病気の娘の医療手当をはじめ家族の生活を守るため、B&W社の終身守秘契約に同意していた。彼がマスコミと接触したことを知った社は、陰日向に彼とその家族に圧力と脅迫を加える。信念と生活への不安の板挟みでワイガンドは苦悩するが、ついに『60ミニッツ』のインタヴューに応じ、法廷で宣誓証言することを決意。番組の看板ジャーナリスト、マイク・ウォレス(クリストファー・プラマー)のインタヴュー収録も終わったが、ここで問題が発生。CBS上層部はタバコ産業との訴訟沙汰を恐れ、番組ではワイガンドのインタヴューをカットして放映する決定を下したのだ。さらにタバコ産業はワイガンドの旧悪を暴露するアンチキャンペーンを展開。バーグマンも『60ミニッツ』を降板させられた。だが、彼は事件の真実を『ウォールストリート・ジャーナル』にリーク、全てを表ざたにして、ついに番組の放映を実現させるのだった。