フランスのシシリアン・マフィアもの
モリコーネの曲ではじまるオープニングから雰囲気はばっちり
パリの裏町の風景や人々も実にリアルで
アンリ・ドカエのカメラが冴えています
ギャバン×ドロンといえば、まず「地下室のメロディ」を思い出しますが
こちらの作品でもやはり魅力的
美貌の裏にある禍々しさ、危ない男の香り
演技だけではだせない天性の才能なのでしょう
フランスのパリ、ロジェ・サルテ（ドロン）は
宝石店を襲い、警官を2名殺害して留置されるものの
ヴィットリオ・マナレーゼ一（ギャバン）の助けを借り脱走します
そして、ローマで行われている大宝石展の
宝石5000万ドル相当を盗むことを提案します
ヴィットリオはニューヨークにいる友人、トニーにも協力を依頼
トニーの立てた作戦は完璧でした
いったいどうやってハイジャックした飛行機から
宝石を盗み出すのだろう？
空港についたとたん警察に包囲されてしまうと思いますが
ギャバンのように「なるほど」と唸ってしまいます
しかしサルテの女好きが、一家を窮地に立たせてしまう
救われない皮肉なラスト
サルテのような男と仕事をしたことが
そもそもの失敗だったのです
男の哀愁が胸に詰まります
やはりギャバンはすごい
暴力シーンばかりの近頃のギャング映画とは違い
味わいがありましたね
ギャバンが出てたら、もうそれだけで名作に間違いないでしょう
【ストーリー】ｳｨｷﾍﾟﾃﾞｨｱより
通称“五月の蠅”こと一匹狼の殺し屋サルテ（アラン・ドロン）は、シシリアン・マフィア組長のヴィットリオ・マナレーゼ（ジャン・ギャバン）の力を借りて刑務所から脱獄した。パリに潜伏したサルテは、マナレーゼの息子アルドの妻であるジャンヌ（イリナ・デミック）と恋仲になる。
マナレーゼは、サルテが持ちかけた宝石の強奪話に乗り、ニューヨーク・マフィア組長のトニー・ニコシアを仲間に引き入れた。宝石展の展示物を、アメリカへの空輸中に飛行機から奪うという大胆な計画は、見事に成功した。
老齢のマナレーゼは、この仕事を最後に勇退し、故郷のシシリー島に戻る予定だった。しかし、サルテとジャンヌの不倫が、ファミリーの知るところとなった。マナレーゼはサルテをパリに呼び戻し、殺害する計画を立てるが、ジャンヌの機転でサルテは危機を回避した。
