2019年11月9日(土)銀座タクトにて12:30(開場12:00)から
チェイサーさん主催する「アラン・ドロン生誕84年記念祭」の
勝手に前夜祭(笑)
4回目はこれもドロンさまの代表作のひとつ
原題は「LE CLAN DES SICILIENS」(シチリアの一族)
やはり冒頭の警察の護送車から脱出させるシーンと
宝石強盗のアイディアが秀逸
警部の禁煙もこれでは続かない(笑)
宝石泥棒のロジャー・サルテット(ドロンさま)が逮捕され
裁判所に連れて行かれます
そこに一組の警官と囚人がやってきて、サルテットのポケットに何かを入れた
裁判官の尋問後(一室づつ区切ってある)コンパートメント使用の
護送車に乗せられ、そこで先ほどポケットに入れられた鍵で手錠を外し
組み立て式の小さな弓ノコで車の床を切ります
交差点では女性の運転する車が立ち往生
その間に床に空いた穴からサルテットは逃げ出し
ヴィットリオ家に匿われることになるのです
ドン・ヴィットリオ(ジャン・ギャバン)への謝礼は
サルテットの妹、モニークが一家に渡した小包み(価値のある切手)と
ローマの ボルゲーゼ美術館で展示されている”世界大宝石展”の
セキュリティシステムに関する手書きの設計図
ル・ゴフ警部(リノ・バンチュラ)はこの設計図を書いた囚人を見つけ
当然ここから犯行がバレると思うわけですが
ヴィットリオは旧友で、ニューヨークで組長をしている
トニー(アメデオ・ナザーリ)を呼び
美術館のセキュリティを確認しますが、到底破れるものではありません
トニーは違う案を考えてみると、半分に破いた札の片方を持ち
ニューヨークに帰ります(かっこいい)
そんな緊迫したなか、サルテットだけは呑気に売春婦を買いに行ったり
ヴィットリオの息子のアルドの嫁のジャンヌ(イリナ・デミック)に
手を出そうとします(フランス公開版ではしっかり不倫しているそうです)
それをヴィットリオの孫に見られてしまう
これが伏線になっていて、このバカ嫁の行動が
完全犯罪だったはずの宝石泥棒を、すべてぶち壊してしまうのです
ちなみにドロンさまが海岸で岩に叩きつけていたのは
ウツボだということ
ドロンさまにはこういう残虐なお姿がよく似合う(笑)
宝石を盗むのが、宝石を積んだ飛行機まるごと
ハイジャックするというのが凄いですね
偽造パスポートのくだりも緊迫感があって面白い
サルテットはダイヤモンドディーラーのエヴァンスを誘拐し
エヴァンスになりすまし搭乗します
そこにやってきたのが「夫と約束をしている」という本物のエヴァンスの妻
ヴィットリオは電話でパリ警察を名乗り、エヴァンスの妻に
秘密だが輸送は明日に変更になったと知らせます
だけどホテルに行っても本物のエヴァンスはいない
警察の取り調べで妻は、サルテットが機内にいたと供述するのです
警察はすぐにニューヨークに連絡
しかしその頃一家は乗組員を銃で脅し
ジャック(シドニー・チャップリン=チャップリンの次男)が
副操縦士の代わりニューヨークに降りてきました
警察は空港に集まり重大な警戒がひかれます
しかし飛行機が向かった先は閉鎖された高速道路
そこで待っていたのはトニー率いるニューヨークのギャングたちでした
乗員乗客誰ひとり殺さず宝石の山を手に入れる鮮やかな手口
だけど、ファミリーはファミリーを裏切った人間だけは許さない
孫がテレビで男女が抱き合うラブシーンを見て
「サルテットとジャンヌだ」と叫んでしまうのです
息子の嫁を寝取った男をこのままにしておくわけにはいかない
ヴィットリオはサルテットをパリに呼ぶことにします
そこでまたこのバカ嫁が、サルテットの妹に
彼の飛行機の到着時間を(盗聴されているのに)電話で教えてしまう
兄弟たちは逮捕され、サルテットとジャンヌを撃った
ヴィットリオを待っていたのはル・ゴフ警部でした
(このツーショットが渋すぎてたまらない 笑)
アンリ・ドカエのカメラがいちいちカッコいいですし
エンニオ・モリコーネの音楽も映画の雰囲気にぴったりで
「アラン・ドロン生誕記念祭」では毎年やってほしい作品のひとつ
しかも特別バージョンで、ギャバンさまとバンチュラさまの
出番が多ければ、かなり歓喜しちゃうかも(笑)
【解説】KINENOTEより
シシリーの秘密結社マフィアの犯罪をめぐって展開されるフィルム・ノワール(暗黒映画)。「ダンケルク」のジャック・ストラウスが製作を担当。監督は「サン・セバスチャンの攻防」のアンリ・ヴェルヌイユ。オーギュスト・ル・ブルトンの原作を、「オー!」のジョゼ・ジョヴァンニ、ピエール・ペルグリ、アンリ・ヴェルヌイユが共同脚色。撮影は「大反撃」のアンリ・ドカエ、音楽は、「ウエスタン」のエンニオ・モリコーネが担当。出演は「パリ大捜査網」のジャン・ギャバン、「ジェフ」のアラン・ドロン、「ベラクルスの男」のリノ・ヴァンチュラ、「天使のいたずら」のイリーナ・デミック、「オー!」のシドニー・チャップリン、「雨あがりの天使」のカレン・ブランゲルノン、アメディオ・ナザーリ、マルク・ポレル、イブ・ルフェーブルなど。