アラン・ドロン/ラストメッセージ~映画 人生 そして孤独~(2018)


「”アクター”(俳優)とは役を生きる者、役を演じるのは”コメディアン”」

(ここで言うコメディアンとは”芸人”ではなく”役者”のこと)

 

 

伝説の俳優アラン・ドロン82)への独占インタビュー

 

アラン・ドロン生誕83年記念祭/シネマ・ライブVOL6』の2次会で

ドロンファンの皆様から、いかにこの番組が素晴らしかったを聞かされ

(台風でアンテナが壊れて見れなかった)

悔しい思いをしたのですが()
 

NHKさん、再放送していただき本当にありがとうございます
 
119日(土)に行われる予定のチェイサーさま主催による
アラン・ドロン生誕84歳記念」(Vol.7)には

しっかりとネタもっていけます(遅いよ 笑)

 

まず、引退すると宣言したドロンの最後の作品として

パトリス・ルコント監督の「Lamaison vide」がクランクイン間近 

ルコント監督がインタビューに登場

 

監督いわく「アラン・ドロンは映画界のストラディバリウスだ」

そして「映画が完成したらドロンと日本に行くよ」と答えます

 

ちょっと!ドロンとルコントが日本に来たら

あたしゃ成田空港で出待ちしちゃうよ(笑)

 

レナウン(ダーバン)CMのエピソードについても
当時の制作スタッフが裏話を語ってくれました
アランドロンしかいないという案に
そんな大スターが来るわけがないと笑われたそうですが


「レッドサン」(1971)で共演した三船敏郎

自分も(サッポロ)ビールのCMに出演しているし

チャールズ・ブロンソンも「マンダム」のCMをやっている

日本でCMに出ることは凄いことなんだ、と口説いてくれたおかげで

あっさり出演が決まったといいます

 

キャッチコピーは、「ダーバンおとなの心」

だけど「大人の」という意味の”アダルト”はドロンに合わない

代わりに「D'urbanc'est l'elegance de l'homme moderne

(ダーバンは男のエレガンス)というセリフにしたそうです


当時の日本のオジサマの中にはドロンのおかげで

ファッションに目覚めた人もいたのかも知れません(笑)

 

そしてやっとドロンが登場

タキシードを着崩すってどうよ?お洒落すぎる

 

しかもインタビュアーが女性のせいか

82歳にしてプレイボーイ感もまだまだたっぷり(笑)

活き活きとしたトーク、サービス精神の旺盛さ

そして彼の過去が語られていきます

 

ドロンは成長するまで、幸福とは無縁でした

4歳で両親が離婚、両親とも再婚し里子に出されます

里親によって寄宿舎に入学させられますが

問題児で素行が悪く、放校と退学の繰り返し

 

結局実の母親の元に戻りものの、折り合いがあわず

インドシナ戦線に従軍、帰還後はパリで暮らします

軍隊での体験は人間として成長するとても貴重なものになり

 
 
そして「どこに行っても、私は女性にモテた」

(誰も否定はいたしません)

 

美しい外見の裏側にある、複雑さ

幼少期や青年期の苦しさ

それがまた女心にはたまらんのだろうな(笑)

 

そんな中で知りあったひとり、女優のブリジット・オベールからの

「俳優の道に進めば?」と言われてデビュー

俳優の仕事は自分にピッタリとあてはまり

太陽がいっぱい」(1960)の成功から

スター街道をトントン拍子に進みます

 

という名匠たちとの素晴らしい仕事
(ジャック・ドレーに触れていないのが気になる)
 

共演したジャン・ギャバンは神のような存在で

 

タリードロンロミーシュナイダー
最期まで友人でいてくれたミレーユダルク

愛し愛された女性たちのこと

 

「でも、みんな死んでしまった」



もしドロンが死んだ時は、どの新聞社も見出は

「サムライが死んだ」になるそうです

(自身の主演作でいちばん好きな映画が「サムライ」(1967))



愛犬家でも有名で、死んだあとは

今まで飼っていた三十数匹の愛する犬たちのお墓の隣に

埋葬してもらうことが唯一の望みだと言います

 

輝きが明るければ明るいほど、影も濃くなる

それは人生でも同じこと


孤独なスターが年齢とともにさらに孤独になり

「死」ばかりを感じるようになる


それでも、やっぱりドロンはドロン

いつまでもカッコよくて、素敵で

長い年月が彼に柔らかさとまろみを与えてくれました

 

いつまでもお元気で

念願の東京オリンピックでの柔道観戦が叶うことを祈ります

 

 

 
【解説】もっとNHKドキュメンタリーより

昨年、引退を表明したアラン・ドロン。1960年代から70年代にかけて、圧倒的な人気を誇ったドロンは今、最後の映画出演を控え、パリ郊外で犬と静かに暮らしている。“マスコミ嫌い”で知られるが、今回、独占インタビューが実現!波乱万丈の生い立ちから、自分を育ててくれた映画や監督、女性遍歴に磨かれたキャリアまで、胸中を吐露する。自らの引き際に、何を思い、何を語るのか…。“世紀の美男子”の最後のメッセージ。