原題は「Toutle monde debout」(さあ立ち上がって)
予告でほとんどネタバレ(それもいかがなものか)しているので
期待しなかったのが好かったのか(笑)
素直に感動しました
この恋を、ふたりの未来を、応援せずにいられない
もうすぐ50歳になるジョスランはリッチで社会的な地位のある
美人さんを見れば手当たり次第口説くという女の子大好き男
いわばフランスのマイケル富岡
プライベートのすべてを女の子のために捧げています
しかも嘘八百の身の上話を作り上げ
お相手は後腐れない女性限定の軽薄男
母の訃報で葬式に参列したジョスランは
母の実家でたまたま母の車いすに座り音楽を聴いていた時
引っ越しの挨拶に訪ねてきた、ケアワーカーだというジュリーに
車いす生活だと勘違いされてしまいます
ヨーロッパの女性って、女性らしさや
体系を強調する服選びをしますね(笑)
ジョスランの視線も当然ジュリーの胸や脚に釘付け
なにかお手伝いをしたいと思うジュリーはジョスランを実家に招き
そこで車いすの姉のフロランスを紹介するのです
一目でわかる聡明さ、自分とは真逆の正直に生きている姿
約50年間、テキトー(世渡り上手)に生きていた男に雷が落ちた
キューピットの矢がハートに刺さった瞬間
恋愛の面白さって「価値観が同じこと」も大事だけど
自分にないものを持ってる人に惹かれるのも確か
パラ(障碍者)テニスの選手で、バイオリストでもあるフロランスを
知れば知るほど好きになっていく
だけど親友のマックスも、秘書のマリーも
歩けることを早く打ち明けるべきだとジョスランを説得します
ジュリーにはビンタされ「48時間」以内に解決しろと念を押される
でもジョスランにはその勇気がない
彼がいままで本気で女性と付き合えなかったのもそのため
本当は気が弱くて、女性から嫌われるのが怖かったのです
最初はモテたいだけだった嘘が、彼女を失いたくない嘘になる
しかも招かれた自宅のリビングにあんなプールがあったら
女としても寝るしかない(笑)
姉を心配するジュリー、だけどフロランスは最初から
「わかっていた」と言います
夢を見たかったの、「サヨナラ」よ
いや、こんなにも車いすをマトモにこげない男
誰でもインチキだってわかるから(笑)
だけどジョスランは嘘つきで滑稽だけど、頑張った
フロランスに対して一度も同情の眼差しを向けたこともないし
ひとりの女性としてだけ見つめてきた
ジョスランは(呆けた)父の教えに従い
マックスと秘書のマリーと共にフロランスを誘い
聖地”ルルド”に奇跡の水を求めて向かいます
ここでの神父の言葉には胸を打たれますね
”奇跡”よりも、それを求める人々の心が大切
ジョスランがとても恥ずかしい気持ちになったのは言うまでもありません
そして帰り道の駐車場で、偶然にも”奇跡”がおこってしまうのです
ひとりヒッチハイクでパリに帰ることを選ぶジョスラン
でも本物の恋との出会いこそ、奇跡かもしれません
(マラソンレースで関係者以外がコースに入れるかどうかはおいといて 笑)
神様はちゃんとハッピーエンドを用意してくれました
これには拍手を送るしかない、年齢も障碍も関係ない
私の心にもジャストミートでした
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【ストーリー】MovieWalkerより
フランスの人気コメディアン、フランク・デュボスクが監督・脚本・主演の3役を務めたラブ・コメディ。女性の気をひくため、車椅子生活だと嘘をついたイケメン男性が、1人の女性と出会い、真実を隠したまま本気の恋に落ちていくさまが描かれる。コミカルな演技を得意とするアレクサンドラ・ラミーがヒロインのフロランスを演じる
パリの大手シューズ代理店で働くビジネスマンのジョスラン(フランク・デュボスク)は、イケメンでお金持ち、女性にもモテるが、恋愛に求めるのは一時的な楽しさだけという軽薄な男だった。ある日、亡くなった母の家を訪ねたジョスランが、部屋に残されていた母の車椅子に座っていたところ、偶然その場を訪ねて来た美女ジュリー(キャロライン・アングラード)と遭遇。彼女の気をひくために「自分は車椅子生活を送っている」と嘘をついてしまう。すっかり信じたジュリーは、姉のフロランス(アレクサンドラ・ラミー)を彼に紹介。彼女は、以前事故に遭い車椅子生活を送りながらも、ヴァイオリニストとして世界中を飛び回る快活でユーモア溢れる女性であった。親友のマックス(ジェラール・ダルモン)には興味無いと言いながら、ジョスランはフロランスが出場する車椅子テニスの試合を観戦したり、彼女が演奏するコンサートを観るためにわざわざプラハを訪れるのだった。会うたびに新しい一面を見せてくれるフロランスに、本気で恋に落ちていくジョスラン。やがて、ふたりはデートを重ね距離を縮めていくが、ジョスランはまだ本当のことを言えずに車椅子に乗ったままだった。そんなある日、ついにジュリーに車椅子の嘘がばれてしまう。マックスや秘書のマリー(エルザ・ジルベルスタイン)を巻き込み、奇想天外な計画を立てて嘘を切り抜けようとするジョスランだったが、実はフロランスの方も彼に隠し事があるようで……。