2024-01-01から1年間の記事一覧

夜明けのすべて(2024)

「生きるのが辛い でも死にたくない」 特別「面白かった」というわけではありませんが とても「真面目」に作った映画だと感じました 最近映画でこういう誠実さを感じることは少ない 私の見た中で、今年いちばんの邦画だと思います ストレス解消法には大きく…

ミステリと言う勿れ (2023)

「僕は常々思うんですが・・・」 「映画を作るなら、テレビとは違う観客が映画館で2,000円払うだけある それ相応のものを作るのが制作会社の使命ではないでしょうか」 「僕は常々思うんですが・・・」 「映画館にいかず配信で映画を見ている人が言うセリフじ…

ヒッチャー(1985)

「何処出身だ?」「ディズニーランド」 原題は「The Hitcher」(通りがかりの車に(無料で)乗せてもらう旅人のこと) 「ナイトホークス」(1981)「ブレードランナー」(1982)の カリスマ的な悪役でルドガー・ハウアーに惚れてしまった 映画ファンは多いと…

エンゼル・ハート(1987)

原題は「Angel Heart」 原作は1978年に発表されたウィリアム・ヒョーツバーグのホラー小説 「Falling Angel 」(堕天使) アメリカでは発禁運動が起こった問題作ということ 映画のほうもアメリカ映画協会( MPAA )から X指定(主にポルノに関連される指定で…

ラストナイト・イン・ソーホー(2021)

原題は「Last Night In Soho」(ソーホーの最後の夜) 1960年代のロンドンのファッションや音楽を背景に たぶん今、最も将来を期待されている2大女優 トマシン・マッケンジーとアニャ・テイラー=ジョイが入れ替わる タイムリープもののダーク・ファンタジー…

テラー・ファーマー(1999)

「カオスの中から最高なものが生まれる」 原題は「Terror Firmer」(テロリストの強者) いわゆる「トロマ映画」と呼ばれているもの 「トロマ映画」とは映画製作配給会社である 「トロマ・エンターテインメント」で制作された映画で 「クソ映画」「Z級映画」…

とっととくたばれ(2018)

原題は「Папа, сдохни」(お父さん、死ね) 内容もそのまんまでした(笑) 幼いころ自分をレイプした父親を殺してくれと恋人に頼まれた青年 ところが父親はとんでもなく強い現役警察官でした しかもレイプされたという話は嘘で お金に困っていた彼女が、父親…

ハッピーボイス・キラー(2014)

「I'm Sorry I'm Sorry I'm Sorry」原題は「The Voices」(声) 面白かったですね 少年期の不幸な出来事により統合失調症を患ってしまった青年 普段は躁(ハイ)な状態で、ペットの猫と犬とおしゃべりできるし 自宅(廃業したボーリング場の事務所っていうの…

キャビン(2012)

原題は「The Cabin in the Woods」(森の中の小屋) 怖さを楽しむものではないけど、これを「好き~」となれたら かなりのホラーヲタクと言っていい(笑) 前半はしっかりと安っぽい定番ホラーの展開 奥手で 「処女」と呼ばれいてる ダナ 「アスリート」と呼…

ウォンカとチョコレート工場のはじまり(2023)

原題は「Wonka」(ウォンカ) 原作はロアルド・ダールの児童小説 「チョコレート工場の秘密」(Charlie and the Chocolate Factory) ティム・バートン版の「チャーリーとチョコレート工場」は ジョニー・デップ演じるウォンカは人嫌いの変人 毒のあるダーク…

悪魔と夜ふかし(2023)

原題は「Late Night with the Devil」(悪魔との深夜) 「月曜から夜ふかし」じゃないわよ(笑) 1977年、ハロウィンの夜 トークバラエティ番組の低視聴率を打開するため 司会者とプロデューサーがスピリチュアル現象を検証する特集を組む モキュメンタリー…

渇水(2023)

原作は立川市役所職員として勤務するかたわら作家活動を行い 58歳で脳出血により亡くなった河林満(1950生)が 1990年に発表した同名小説(文學界新人賞を受賞し、芥川賞候補にもなった) 原作は未読なので、子どもの貧困やネグレクトなどの社会問題と (そ…

極悪女王(2024)

タイトルの「極悪女王」とは 1980年代に悪役レスラーとして活躍したダンプ松本の愛称のこと 昭和の再現度はかなり高い 特にゆりやんがヒール(興行で観客や視聴者を怒らせる立場のプロレスラー)に 目ざめ松本香からダンプ松本になってからがいい 剛力彩芽と…

ブリジット・バルドー 誤解(2013)

「なぜ愛なしで生きていける人がいるのか?」 原題は「Bardot, La Meprise」 ジャン=リュック・ゴダール の「軽蔑(Le Mépris)」を 15歳で見てBBの虜になった監督のデビッド・テブールの BB愛が高じすぎて作った伝記ドキュメンタリー タイトルも「軽蔑」か…

可愛い悪魔(1958)

原題は「En Cas de Malheur」(不幸なケース) 「ブリジット・バルドー レトロスペクティヴ BB生誕90年祭」で 本命見たかったのが本作 原作はジョルジュ・シムノンの同名小説 脚本はピエール・ボスト 主演はジャン・ギャバンという強力な布陣 実際のところ、…

裸で御免なさい(1956)

原題の「En effeuillant la marguerite」は 「デイジー(ひなぎく)を摘む」=「花占い」のことで ヒロインがA.D.というペンネームで発表した小説のタイトル 10年ぶりの鑑賞でございます (GYAO!でBB生誕80年の特集があったハズ) 田舎町に住む文才の全くあ…

憐れみの3章(2024)

原題は「Kinds of Kindness」(やさしさの種類) 邦題は「哀れなるものたち」にかけたのでしょうね 憐れみというよりは、変態度のほうがかなり高い これをブラックユーモア、またはファンタジーと笑えたら あなたも変態上級者(笑) 同じ登場人物による、全…

恋するオペラ(1955)

原題は「Futures vedettes」(未来のスター) 別題(ソフト題)は「ブリジット・バルドー/恋するレオタード」 原作はヴィッキー・バウムが1920 年に発表した小説 「Eingang zur Bühne」(舞台への入り口) いわゆる#MeTooの先駆けもの BBが(83歳の時)セクハ…

あんのこと(2024)

話題作の配信が話題になっていたので(笑) ヨーロッパ映画には救いようのない絶望映画が多々ありますが 邦画でここまで見る側に感情を強要しない作りは珍しい 人が犯罪を犯すにはそれぞれの家庭の事情があるのかも知れませんが 個々の過去も、本当の気持ち…

いちばん逢いたいひと(2023)

北とぴあ (東京都北区王子)で開催された 「ユニバーサル映画祭 2024」 に行ってきました 全6作品上映された中で私が見たのは「いちばん逢いたいひと」 日本語字幕と音声ガイド付きのバリアフリー上映で アフタートークには監督の丈、プロデューサーの堀と…

ビバ!マリア(1965)

原題は「Viva Maria!」(マリア万歳!) これは最近見た映画で(といっても5年前だった 笑) 私にとってはまだ記憶に新しい映画 気取ったヌーヴェルヴァーグ野郎が(ルイ・マルのことね 笑) 彼のミューズでもあるジャンヌ・モローと ブリジット・バルドーの…

私生活(1962)4Kレストア版

原題は「Vie privée」(私生活) 監督はルイ・マル、カメラはアンリ・ドカエ、共演はマルチェロ・マストロヤンニ そしてブリジット・バルドーがブリジット・バルドー自らを演じる 私生活を追い回される人気女優の悲哀を描いた BBの代表作のひとつですが DVD…

気分を出してもう一度(1959)

「ブリジット・バルドーレトロスペクティヴBB生誕90年祭」第2弾は 「殿方ご免遊ばせ」のミシェル・ボワロンと ブリジット・バルドー×アンリ・ヴィダルが再びタッグを組んだ 「気分を出してもう一度」 原題は「Voulez-vous danser avec moi?」(私と一緒に踊…

「殿方ご免遊ばせ」(1957)4K レストア版

1934年9月28日パリ生まれ、現在は南仏サントロペにある邸宅 “ラ・マドラグ”で暮らしているブリジット・バルドーの90歳を祝い 新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町にて 「ブリジット・バルドー レトロスペクティヴ BB生誕90年祭」開催 BBの愛称をお…

ゴーストランドの惨劇(2018)

原題は「Incident in a Ghostland」(ゴーストランドでの事件) 変態すぎる悪役に、ゴスロリなファッション、トリッキーな展開 怖いというより不快、いわゆる胸糞系ホラーでありますが ビジュアルもいいですし、好きな人はもの凄く好き、というタイプの映画 …

ヴィジット(2015)

原題は「The Visit」 (訪問) 15歳と13歳の姉弟が、初めて会う祖父母の家に滞在することになり 最初は優しい祖父母と楽しく過ごせると思ったものの だんだんと祖父母の奇行が目につくようになる・・という 「こんな老害イヤだ」ホラー(笑) 夜中に全裸で徘…

REC/レック(2007)

原題は「[Rec]」 全編ビデオカメラによるPOV(Point of View Shot=主観撮影)モキュメンタリー (ドキュメンタリー映像のように演出する表現手法) 公開当時は一躍話題となったスペインホラー 消防士の密着取材のため同行したレポーターとカメラマンが 通報が…

「エイリアン:ロムルス」(2024)

原題は「Alien: Romulus」 Romulusとは、軍神マルスの子で双子の弟レムスとともに狼に育てられた ローマの伝説上の建国者(初代王)のことで ここではエイリアンが生存している宇宙船の名称 初代エイリアンへのリスペクトがすご過ぎて、新しいものは何もなか…

シャイニング(1980)

「Here's Johnny!」(お客様だよ!) 原題は「The Shining」(かがやき) ここでは「優れた」という意味で 特別な能力(予知能力やテレパシー)を持っている人のこと 傑作でした まず最初に伝えたいのが、ストーリー云々というより キューブリックの映像美を…

ドクター・スリープ(2019)

原題「Doctor Sleep」 「シャイニング」の40年後を描いた続編 キューブリック版「シャイニング」(1980)は 原作者のスティーヴン・キングが 「嫌いだと記憶している唯一の自分の脚色作品」と お気に召さなかったことで有名(笑) 本作でも「キューブリック版…