2024-01-01から1年間の記事一覧

市子(2023)

杉咲花演じるファム・ファタールもの 大絶賛です、杉咲花ちゃんがとにかくヨカッタ これが是枝裕和なら社会に取り残された「可哀そうな若者」の ファンタジーにしてしまうのでしょうが(笑) 脚本は上村奈帆、素晴らしいですね どんな事情があろうとも、無用…

シティーハンター(2024)

「下品なアラジン」(笑) 令和の新宿に蘇った昭和のスイーパー(始末屋)冴羽リョウと 相棒の妹、槇村香がバディになるまでの「はじまりの物語」 素直に面白かったです 漫画原作の実写版として、今までにないクオリティの高さ ギリギリまで追及したお下劣と…

正欲(2023)

「自分がこんな人間だとバレる前に親が死んでくれて良かった誰にもバレないように無事に死ぬために生きてる夜寝る時は、明日自分以外の誰かになっていることを願う」 原作は朝井リョウの同名小説 水フェチの男女 異性恐怖症の女子学生 登校拒否の児童とその…

バービー(2023)

「マーゴット・ロビーが言っても説得力ゼロ」(笑) (Margot Robbie is not the actress to get this point across.) 原題は「Barbie」 「バービー」の世界観を忠実に再現したと評価が高く ワーナー・ブラザースの長い歴史の中で最も稼いだということです…

白い花びら(1999)

「ふたりは子供のように幸せでした」 原題は「Juha」(ユハ=男の名前) 原作はフィンランドの国民的作家、ユハニ・アホによる古典小説で アキ・カウリスマキによるサイレント映画で4度目の映画化 アキラらしい妙にコメディと、悲惨なラスト セリフ無しでも…

籠の中の乙女(2009)

原題は「Κυνόδοντας」(犬歯=牙) 常に「性」と「暴力」というのが ヨルゴス・ランティモスの作品テーマだと思うのですが これは「哀れなるものたち」より、さらに”哀れなるものたち”の物語でした(笑) 「プロパガンダ」を「家庭」という小さな世界に置き…

ラ・カリファ(1970)

原題は「La califfa」(カリファ夫人) 「エンニオ・モリコーネ特選上映 Morricone Special Screening×2」2本目 なぜ今まで日本未公開だったのか しかもロミー人気が絶大なドイツでさえ あまり知られていない映画ということ ロミーのフィルモ・グラフィーの…

「死刑台のメロディ(1971)4Kリマスター英語版

「無名で一生を終えたであろう自分たちが アナーキストとして後世に名を残すことができたことを 検事と裁判官に感謝する」 原題は「Sacco e Vanzetti」(サッコとバンゼッティ) 「エンニオ・モリコーネ特選上映 Morricone Special Screening×2」 にて鑑賞 …

不思議惑星キン・ザ・ザ(1986) デジタル・リマスター版

「あそこに自分は宇宙人だと言ってる人が居るんですけど」 原題は「Kin-dza-dza!」 知る人ぞ知るシュールな脱力系SFコメディ 私はこういうしょうもないB級C級映画も好きなのですが(笑) この奇妙な映画が国際的に高い評価を受けたのは 旧ソ連の厳しい検閲…

リンダはチキンがたべたい!(2023)

原題は「Linda veut du poulet!」 国際的に高い評価を受けたフランス・イタリア合作の 「アート系」アニメ-ジョン 素描に色を重ねただけという、カラフルでシンプルな作画スタイルですが キャラクターが個々に色分けされているので 多人種を表すのにうまく…

続・夕陽のガンマン 地獄の決斗(1967)4K復元版

原題は「Il buono, il brutto, il cattivo」(善玉、卑劣漢、悪玉) 邦題は「墓場の決斗」でよかったと思う (夕陽が出てくるシーンもいっこもない 笑) 南北戦争の時代、墓地に隠された金貨を3人の男が奪いにいくという 至ってシンプルなストーリーですが …

夕陽のガンマン(1965)4K復元版

原題は「Per qualche dollaro in più」(もう数ドルのために) セルジオ・レオーネ監督作品の中で、本作が一番好き というオールドファンも多いのではないでしょうか 顔のクローズアップを多用し、目で演技させる巧みな演出 イタリア映画の伝統を感じさせる…

荒野の用心棒(1964)4K復元版

原題は「Per un pugno di dollari」(一握りのドルのために) ドル3部作の4K復元版が公開され 劇場で見れる日がくるとは夢にも思いませんでした 本当に素晴らしかったです セルジオ・レオーネがまだ無名の頃 イタリアで公開された黒澤明の「用心棒」(1961)…

オッペンハイマー(2023)

「物理学300年の成果が大量破壊兵器か?」 「ノーベルもダイナマイトを発明した」 原題は「Oppenheimer」 原作はピュリッツァー賞受賞の 「オッペンハイマー 「原爆の父」と呼ばれた男の栄光と悲劇」 (American Prometheus: The Triumph and Tragedy of J. R…

せかいのおきく(2013)

「惚れた女に言ってやれ ”せかいで一番お前が好きだ” ってな」 毎日映画コンクール 日本映画大賞、脚本賞、録音賞 キネマ旬報ベスト・テン 1位(日本映画作品賞)、脚本賞 高崎映画祭 最優秀作品賞と2024年の映画賞を賑わせている本作 一緒に高崎映画祭に参…

デューン 砂の惑星 PART2 (2024)

原題は「Dune: Part Two」 フランク・ハーバートのSF小説「デューン」(Dune) を映画化した 「DUNE/デューン 砂の惑星」の続編で、スタッフは前作とほぼ同じ IMAXで鑑賞して正解、これはもうケタが違う 未曾有の映像体験でした キャストは全員主役級 壮大な…

君たちはどう生きるか(2023)

第96回アカデミー賞長編アニメーション賞を獲得し 日本語字幕付き(英語吹替版)が公開されたので 今更ですが鑑賞してきました 受賞の結果を受けた鈴木敏夫プロデューサー氏によると 「旧約聖書のような物語ですので、もともと アメリカのお客様のほうが受け…

第37回高崎映画祭 授賞式に行ってきました

群馬・高崎市 高崎芸術劇場で行われた 第37回 高崎映画祭 授賞式に行ってきました 最優秀作品賞「せかいのおきく」 「これからも映画の世界で生きたい」 「また戻ってこられるよう頑張りたい」と 阪本順治監督 黒木華(本物) 「すごくうれしい」 石橋蓮司(…

ボーン・コレクター(1999)

原作はジェフリー・ディーヴァーの同名小説 原題は「The Bone Collector」で”骨の収集家”という意味ですが ここでは劇中に登場するミステリー小説の書名のこと 事故により寝たきりになった敏腕の元科学捜査官が、女性巡査に現場捜査させ 連続猟奇殺人鬼の逮…

遅ればせながら♡ハッピー・ホワイトデー

3月14日はホワイトデー ちょっと旅に出ていて、お礼が遅くなっちゃいましたが 今年もブロ友さんから素敵なプレゼントをいただきました♪ ALWAYS四丁目 ギドラのお城のギドラ伯爵から 宇治抹茶焼きモンブラン いつもながらセンスの良さは抜群 金色のリボ…

死霊のはらわた(1981)

原題は「The Evil Dead」(邪悪な死者) 森林地帯にある人里離れた別荘に、休暇を過ごすためやって来た5 人の大学生 地下室で「死者の書」と、オーディオテープを見つけテープを再生すると 悪霊が解放され4人が憑依されてしまいます 生き延びる方法は宿主の…

レザボア・ドッグス(1992)

原題は「Reservoir Dogs」(貯水池の犬たち) ”貯水池”転じて”閉じ込められて行き場のない”「吹き溜まりの犬たち」という 意味 ダイナーで、犯罪組織の元締めジョー(ローレンス・ティアニー)のもとに 集められた黒服の7人の男たち ジョーは(万が一逮捕され…

メイド・イン・USA(1966)

「私には全てが中国」 原題は「Made in U.S.A.」 原作は実際に起こったモロッコの左翼政治家失踪事件 「ベン・バルカ事件」をヒントに書かれた リチャード・スタークの「悪党パーカー/死者の遺産」(The Jugger) 相変わらず意味不明で、噛み合わない会話(…

6才のボクが、大人になるまで。(2014)

「それで要点は?」 「要点なんかないよ」 原題は「Boyhood」(少年時代) まるでどこかの家庭のドキュメンタリーを見せられているようですが(笑) れっきとしたフィクション 12年もの間、毎年同じスタッフ同じキャストが集まり 脚本にミーティングで出た…

私のちいさなお葬式(2019)

原題は「Karp otmorozhennyy」(解凍された鯉) 最近には珍しく邦題のほうがしっくりくるタイトル 「エスパース・サロウ」は知らない配給会社でしたが スタッフがちゃんと映画を見ている会社なのはわかりました(笑) ロシアの田舎町、73歳の寡婦エレーナは…

落下の解剖学(2023)

原題は「Anatomie d'une chute 」(落下(転落)の解剖) 第76回カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドール 第81回ゴールデングローブ賞で脚本賞と非英語作品賞を受賞 第96回アカデミー賞では作品賞を含む5部門にノミネート 人里離れた雪山に立つフランスの山荘…

ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語(2023)

原題は「The Wonderful Story of Henry Sugar」 原作はロアルド・ダールの1977年に発行された同名短編小説 (日本では「ヘンリー・シュガーのわくわくする話」小野章訳 1979年) 絵本や紙芝居のような、定点映像な構図に ウェス・アンダーソンらしいキュート…

ニモーナ(2023)

原題は「Nimona」 原作はNDスティーブンソンによる同名グラフィック・ノベル NDスティーブンソン(女性として生まれる)はノンバイナリーでトランスジェンダー 双極性障害とADHDであることを公表しており2019年女性と結婚 (Netflixでシリーズ化された「シー…

彼方に(2023)

原題は「The After」 最愛の妻と幼い娘が、連続通り魔事件の犯人と遭遇したことによって 亡くしてしまった男の物語 いわゆる「感動ポルノ」ものになるのでしょうが (英語の「ポルノ(porn)」には、視聴者の感情を誘引させるため ”意図的に作られたコンテン…

ボーはおそれている(2023)

「みんな、どん底気分になればいいな」 アリ・アスターのSNSによる発信 原題は「Beau Is Afraid」 A24史上最高の製作費(3500万ドル=約53億円)をかけた超大作 批評家からは好意的な評価を受けたものの、興行収入は 1,100 万ドルという大赤字 それでもすで…