メイド・イン・USA(1966)

「私には全てが中国」

原題は「Made in U.S.A.

原作は実際に起こったモロッコの左翼政治家失踪事件

「ベン・バルカ事件」をヒントに書かれた

リチャード・スタークの「悪党パーカー/死者の遺産」(The Jugger

相変わらず意味不明で、噛み合わない会話(笑)

舞台のように場面と人が入れ替わり、スカした哲学的なセリフ

(一片のピザを誰と食べるについてひたすら言及している)

誰が警察で、ギャングで、敵か味方なのか

理解しようとするだけでもテンテコ舞い

わかったのは、アンナ・カリーナが、寄りも引きのカメラも可愛いということ

真っ青のアイシャドウと囲みメイク

バーで歌うマリアンヌ・フェイスフルも可愛い(出番は少ない)

ローリング・ストーンズの「As tears go by」を歌うニクさよ

ギターで弾き語りする日本人女性の名前は「mizoguti」(笑)

病院で包帯ぐるぐる巻きの女が誰かはまったくの謎

 

そして「メイド・イン・USA」とは一体何だったのか

1968年、ジャーナリストのポーラ(アンナ・カリーナ

ボーイフレンドのリシャールからの電報を受け取り

彼にうためアメリカのアトランティック・シティに向かうと

彼が(おそらく心臓発作で)死んでいるのを発見します

リシャールの同僚だったというエドガー(エルネスト・メンツェル)

ポーラにリシャールの死を調べる協力を申し出る

彼女は彼を殴りつけ隣の部屋に引きずり込みます

そこにはエドガーの甥であり作家のデヴィッド

デヴィッドの彼女ドリス・ミゾグチがいました

リシャールは共産党員向けの週刊誌の論説主幹で、党の指導者でした

同じようにアトランティック・シティの前市長で共産党員だった

ラクロワも暗殺されていたことがわかります

独自に捜査を続けるポーラを

地元警察のウィドマーク警部(ラズロ・サボ)と

彼の部下のシーゲル(ジャン=ピエール・レオ)が尾行

ポーラが何者かに殴られ、目が覚めるとそこはガレージで

ウィドマークもいました

ウィドマークはポーラに、リシャールラクロワの死に関する証拠

隠し場所を知ってるか尋ね

リシャールが共産党政治的支持してい音声テープを聞かせます

ポーラとウィドマークがホテルに帰ると

エドガーとドリスが殺害されていて大騒ぎ

パリからアルドリッチ警部が捜査に呼ばれて来ています

ウィドマークはアルドリッチ警部から

リシャール殺しの犯人だとわれているので

リシャールが隠した証拠品を探すのを手伝って欲しいと頼みます

しかしポーラも彼が犯人だと疑っていました

アルドリッチ警部はポーラを尋問しますが

デヴィッドがエドガーとドリス殺しの犯人は彼女ではないと評言し釈放

(権力のある何者かにより)捜査中止の命令を受けたアルドリッチ警部は

パリに戻ることをポーラに告げます

さらにポーラが調査を続けていくと

リシャールが秘密の別荘を所有していたことがわかります

部屋で証拠品を捜索しているところをポーラに見つかったシーゲルは

エドガーとドリスを殺したことを教え

金と引き換えにリシャールの秘密の別荘に連れて行くと申し出ると

ポーラは彼を射殺します

リシャールを殺したのもウィドマークとシーゲルだと感づいたポーラは

ウィドマークとリシャールの別荘へ行くことにします

そしてお互い信頼方法として

ポーラはエドガー殺害告白

ウィドマークはリシャール殺害の告白を書き交換することにします

ウィドマークの告白文を受け取ったポーラは

エドワード・ルートヴィヒ博士という共産党の大物議員が関係していて

地元共産党内の左翼過激派が権力掌握するため

穏健派の左翼一掃しようと、リシャールラクロワ市長の殺害を依頼

(リシャールが断ったためウ、ィドマークがシーゲルが殺した?)

さらに事件を隠蔽するためリシャールも殺したのです

ポーラがポケットに隠している銃に手を伸ばす

それに気付いたウィドマークは彼女を撃とうとします

そこに、後ろから近づいてきたデイヴィッドがウィドマークを撃ち殺

ポーラはデビッドを撃ち殺すのでした

高速道路の料金所に立っていポーラは

友人のフィリップ・ラブロ車に乗り込みます

フィリップファシストの蜂起が起こるとは思ないと言う

ポーラは必ずあると答え、彼らに反撃する力を持ちたいと答えます

結局、政治的には左翼も右も同じ

違う呼び方にするべきだというフィリップ

ポーラはその問題を議論すべきか尋ねるのでした

つまり「メイド・イン・USA」はアメリカ人の原作であること

そして穏健派の共産党員暗殺が

アメリカの象徴のひとつとだということなのです(たぶん)

 

 

【解説】映画.COMより

内務省直属の秘密警察とギャング組織の、つながりと機構を一挙に露出して、仏、モロッコ両政府を揺るがす暗黒事件となった《ベン・メルカ事件》を素材に、架空の都市で謎の死をとげた愛人の死因を調べる女事件記者が刑事やギャングにまとわりつかれる。そして、暴力と殺戮と政治の世界が展開される架空の劇に彼女は如何にして解決をつけるか?製作はローマ-パリ・フィルムのジョルジュ・ド・ボールガール、監督・脚本は「カラビニエ」のジャン・リュック・ゴダール、原作はリチャード・スタークの小説“ザ・ジャガー”、撮影は「カラビニエ」のラウール・クタール、音楽はベートーヴェンロベルト・シューマンから、またマルアンヌ・フェイスフルが自身で出演してローリング・ストーンズの“As tears go by”を歌う。編集はアニエス・ギュモが各々担当。出演は「アルファヴィル」のアンナ・カリーナ、ラズ口・サボ、「夜霧の恋人たち」のジャン・ピエール・レオー、その他イヴ・アルフォンソ、ジャン・クロード・ブイヨン、小坂恭子、マリアンヌ・フェイスフル、エルネスト・メンジェル、声だけのゴダールなど。イーストマンカラー・テクニスコープ。

1966年製作/フランス
原題:Made in U.S.A.
配給:フランス映画社
劇場公開日:1971年1月15日