刑事マディガン(1967)


 
 
60年代のニューヨーク。
クラシカルな雰囲気がいいですね。
スマートなスーツ姿もスタイリッシュ。
 
物語は意外と地味で、アクションや事件を追うというよりは
刑事の私生活のほうにスポットをあてて描いています。
 
安月給をボヤく
仕事が忙しく、家族との時間がなかなかとれずすれ違い
上司の主催するパーティーにイヤでも出席しなければならない・・
そんな夫に妻は擬似不倫してしまったり
サラリーマン川柳がいくつも出来そうでしたね。笑
 
女性の裸に見とれて銃を奪われるのは情けなかったですが。笑
でもお金のためにガセネタを流す情報屋に
それを知りながら「また頼む」と男に酒をおごるマディガンは
かっこよかったです。
 
ラストの犯人が紙袋を落として発砲する銃撃戦も逸品です。
痺れるショット。
 
全体的には特別面白いという作品ではありませんでしたが
雰囲気は十分。
 
70年代の傑作「フレンチ・コネクション」「ダーティ・ハリー」
「ブリット」・・につながっていく
初期の刑事ものハードボイルドとして貴重な作品でしょう。
 

 
【解説】allcinemaより
 スパニッシュ・ハーレム地区を舞台に、拳銃を奪われた刑事マディガン(ウィドマーク)と相棒のロコ(ガーディノ)の必死の捜査と、様々な問題を抱える警視総監(フォンダ)と主任警部(ホイットモア)の友情を並行して描いたリアリスティックな刑事ドラマ。後の「マンハッタン無宿」を経て「ダーティハリー」へと繋がるアクション作家D・シーゲルの骨格が既にここにある。傍に至るまでキャストが素晴らしいが、やはり太々しいキャラクターを快活に演じるR・ウィドマークが最高だろう。後に彼のキャラクターのみを使用したTVシリーズ「鬼刑事マディガン」が製作されたのも頷ける次第である。
 ニューヨークのスパニッシュ・ハーレム地区。刑事マディガンと相棒のロコは、ギャングのベネシュを捕まえようとしていた。しかし、すんでのところで逃げられ、マディガンの拳銃も奪われてしまう。その拳銃を使った事件が起こることを懸念して捜査に躍起になるが、家庭を顧みないため妻ジュリアから不満を抱かれるマディガン。そんなある日、とうとうマディガンの銃を使った事件が発生する。そして、犯人ベネシュの隠れ家へ踏み込むマディガンとロコだったが…。