クレアモントホテル(2005)


 
 
理想の老後ってどんなのでしょう?
やっぱりお金に余裕があって
健康で、好きな趣味ができて
そして素敵な異性の友達がいたらいいですよね。
 
そんな老後ファンタジー
 
老い先短い余生を、ロンドンのプチホテルで過ごそうとやってきた
サラ・パルフリー夫人。
しかしそこは憧れたホテル生活とは違いさびれていて
どちらかといえば有料老人ホームに近い場所でした。
同じホテルに宿泊する老婦人たちに
何かとプライベートを詮索されることにも少しうんざり。
ロンドンに来たら逢いたかった孫息子とも連絡がつきません。
 
ある日転んで膝をけがしてしまったところを
作家志望のルードヴィク・メイヤーという青年に助けられます。
 
彼は貧しいけれど親切で、とても心のやさしい若者でした。
そして好きな詩や音楽の話を理解してくれる
パルフリー夫人の知性を刺激する相手でした。
しかも超ハンサム。笑
 
ホテルの仲間に孫と偽り紹介する。
カッコいい孫にみんながチヤホヤ。
それは彼女の寂しくみじめだった気持ちを
幸せで満たしてくれました。
 
年齢は離れているけれど、とても気の合う友人。
メイヤーのことを仲の好い孫として
パルフリー夫人はみんなに嘘をつき続けます。
だけれどそこに本物の孫がやってきてしまいます・・
 
パルフリー夫人、少し頑固だけれど知的で素敵な老婦人でしたね。
おばあちゃんファッションもとても上品で
いくつになってもこんなふうに綺麗でいたいなあと思います。
 
でもきっと私は同じホテル仲間のご婦人派になるだろうなあ。
「セックス・アンド・シティ」を鑑賞して
チャタレイ夫人の恋人」を愛読・・・笑
 
そして眠るように死ぬのです。
かって愛した人に迎えられて。
 
物語はそれなりという作品でしたが
主演者のみなさんは個性的で魅力的。
 
特にメイヤー役のルパート・フレンド
絶対日本人女性のドンピシャの好みだと思います。
ご婦人のみなさん、彼だけでもぜひご鑑賞を。笑
 

 
【解説】allcinemaより
フランソワ・オゾン監督「エンジェル」の原作でも知られるイギリスの女性作家エリザベス・テイラーが71年に発表した小説を映画化したヒューマン・ドラマ。ロンドンの長期滞在型ホテルを舞台に、晩年を迎えた老婦人と偶然出会った青年との心温まる交流を綴る。主演はベテラン女優ジョーン・プロウライト、共演は本作後には「ヴィクトリア女王 世紀の愛」「わたしの可愛い人―シェリ」などにも抜擢されたイギリスの新鋭ルパート・フレンド。監督はこれが長編3作目となる「草の上の月」のダン・アイアランド。
 ロンドンの街角にひっそりと佇むクレアモントホテル。この長期滞在型ホテルに一人の老婦人サラ・パルフリーがやって来る。最愛の夫に先立たれた彼女は、人生の晩年を娘に頼ることなく自立して生活していこう考えていた。ところが、想像とかけ離れたホテルの現実とクセ者揃いの滞在客に落胆してしまう。周囲からすっかり取り残されたようなこのホテルの長逗留者たちにとって、外からかかってきた電話と訪問客は何よりの関心事。そんな彼らを相手にロンドンに住む孫デズモンドのことを自慢げに話すサラだったが、肝心のデズモンドからは待てど暮らせど音沙汰なし。すっかり困り果てたある日、サラは作家志望の青年ルードヴィックと出会う。そして、ひょんな成り行きから彼にデズモンドのフリをしてもらうことになるのだが…。