邦画・サスペンス/犯罪

クレイジークルーズ(2023)

クレイジーというにはおおげさな(笑) 豪華客船で起こった殺人事件をめぐるミステリーロマンス 豪華客船での下克上ものといえば 「逆転のトライアングル」(2022)ですが それよりはお下劣やお下品はないので、安心して見れます 遺産相続と使用人をめぐる殺…

護られなかった者たちへ(2021)

「声をあげてください そうすれば誰かが助けてくれる」 原作は中山七里の同名小説で「宮城県警シリーズ」の第1作 テーマは震災後遺症と生活保護 佐藤健は見るからにヤバそうな雰囲気を醸し出し 清原果耶は静かだけど確かな怒りを目から感じる いい演技してい…

ノイズ(2022)

原作は「グランドジャンプ」に2018年から2020年まで連載された 筒井哲也の漫画作品 藤原竜也、松山ケンイチ、神木隆之介を見るという感じ サイコ役の渡辺大知は上手かった(笑) なにもしていなくても怖い怖い怖い 愛知県の猪狩島 農園を営む藤原竜也と妻の…

新聞記者 (2019年)

「君なら、自分の父親にどっちを選択して欲しい?」 原案は東京新聞の記者、望月衣塑子(いそこ) の同名ノンフィクション 望月衣塑子記者は前川文部科学省前事務次官や 元TBS記者からのセクハラ被害を訴えた伊藤詩織氏のインタビューで注目され 2017年から…

スパイの妻(2020)

英題も「WIFE OF A SPY」 日中戦争での731部隊の生体実験と それに関わった夫婦の騙し合い ヴェネチア国際映画祭では銀獅子賞(監督賞)を受賞 スリリングで目が離せないシーンもあったものの 戦時中の謝った情報や地下活動を見せることも 最後まで核心に…

空白(2021)

行き過ぎた行動ばかりだったけど 古田新太の気持ちに寄り添いました ある日突然子どもを失ったら、気が違っても 世界中の人間を敵に回しても当然 いい人になんてなれない 猟師の添田(古田新太)は腕は一流だけれど 粗野で頑固で融通が効かない、口も悪い 妻の…

怒り(2016)

信じていた人に裏切られたことへの怒り愛する人を信じてあげられなかった怒り そもそも人間は人間を何の疑いもなく 本当に信じることができるのでしょうか 2007年、千葉県市川市で英語講師をしていたイギリス人女性 リンゼイ・アンホーカーさん(当時22歳)…

罪の声(2020)

1984年3月から約1年半にわたって世間を震撼させた 「グリコ森永事件」に基づいたフィクション 「三億円事件」と並ぶ昭和の2大未解決重大事件ですね そのなかの「わかっていること」「新たにわかったこと」を 極力史実通りに再現しながら 事件に関わった人た…

病院坂の首縊りの家(1979 昭和54)

市川崑×石坂浩二、金田一シリーズ(リメイク版除く)最後の作品 例のごとく犯人は大物女優、配役でわかってしまうけれど (笑) パスポート写真を撮るため、古びた写真館を訪れた金田一(石坂浩二)は 病院坂にある廃墟になった病院の廃屋の別邸で 婚礼写真…

女王蜂1978年(昭和53年)

「あ・か・い・け・い・と・の・た・ま 」 市川崑の金田一シリーズ4作目 犯人捜しは佐久間良子が登場した瞬間に終わり(笑) 「よ〜し、分かった」の加藤武の警部もいつも通り(笑) 主役の石坂浩二 脇を固めるのは仲代達矢に(学ラン姿に失笑) 岸恵子、高…

紙の月(2014)

「お金が紙で架空なら、あなたが求めたものも架空」滋賀銀行の9億円横領事件(1973年奥村彰子(当時42歳)9億円)栃木県の足利銀行2億円横領事件(1975年大竹章子(当時23歳)2億1000万円)大阪の三和銀行(現三菱東京UFJ)横領事件(1981年伊藤素子…

砂の器(1974) デジタルリマスター版

ミステリー映画史上の傑作、脚本家橋本忍氏の代表作邦画ではマイベストに選ぶムービーファンも多い本作松本清張氏はこの映画を大変気に入り原作をしのいでいるという発言までしたとかfpdさんのブログの邦画ランキングでも2位という評価の高さこれを見なくて…

ソロモンの偽証 前篇・事件/後篇・裁判(2015)

ソロモンとはイスラエル統一王国3代目の王のことヘブライ語で「平和な人」を意味するそうです東京のある中学校で起きた、男子生徒柏木卓也(望月歩)の転落死警察は自殺と断定しますが学校と第一発見者の藤野涼子(藤野涼子)宛てに柏木君は大出君(清水尋也…

獄門島(1977)

市川崑監督×石坂浩二主演での金田一耕助シリーズ第三弾このシリーズの市川組のキャラ設定に殺し方は現実的ではないにしても、よく考えられていて実に見せてくれるとしみじみ思いますバカっぽい3人娘大原麗子さんに司葉子さんの美しさ太地喜和子さんの妖艶さ…

黒い十人の女(1961)

スタイリッシュな映画ですねえ。日本版フィルムノワールというのでしょうか冒頭からクールでシャープな映像に驚かされます。サスペンスタッチのお洒落なブラックコメディ。テレビプロデューサーの風はとにかく相手が女性であれば口説くような男。女性の年齢…

鍵(1959)

カメラは宮川一夫さん撮影はさすが、一見の価値ありです。機関車の連結だけでまるで男女の情交を連想させます。全編に漂う隠微な雰囲気印象的なシーンが多いですね。物語はテーマである「老いと性」をブラックコメディー的に描いています。古美術鑑定家とし…

日本の黒い夏─冤罪(2000)

松本サリン事件、覚えています。この事件で初めてサリンという薬物の名を知りました。すぐさま容疑者として第一通報者でもある神部(河野義行氏)という男性が逮捕されます。それは容疑者宅近くで猛毒ガスが発生したということそのうえ自宅には何十種類もの…

犯人に告ぐ(2007)

「今夜は震えて眠れ」現職の警察官がテレビのワイドショーに出演。公務員がそんなことするなんて絶対ありえないと思いつつそう頑なになっても映画が楽しめないと思い目をつむる。笑冒頭から緊迫感はあります。誘拐された子どもの身代金引き渡し。新宿の人混…

悪人(2010)

「目の前に海があると、何処へも行けない気がするんだよ」 みじめな男と女の刹那。 なんの娯楽もない地方の田舎町。金髪の青年がGTRで峠道を走ります。これも日本のひとつの風景。ストリーそのものに共感する部分はありませんでしたがでも最後までいっき…

金環蝕(1975)

1965年に表面化した九頭竜ダム入札事件に基づいたフィクション。池田勇人、佐藤栄作、黒金泰美、鹿島建設に青山組という実在した人物や企業がモデルになっているということです。 外側は輝いているけれど、内側は真っ黒で腐っている・・そんな腹黒さを金環…

誰も守ってくれない(2008)

ドキュメンタリー風なオープニングはいいですね。 被害者家族は保護しないのに加害者家族を保護するというモチーフに納得したわけではありませんがなかなか参考にはなりました。 4人家族のごく普通の家庭の18歳の長男が突然小学生姉妹の殺人容疑で逮捕さ…

ゼロの焦点(2009)

なにがこの作品をつまらなくしているのでしょう?豪華な盛り付けだけれど味気がない、そんな料理のよう。 戦後の酷い時代。アメリカ兵に身を売る「パンパン」として生き抜いた二人の女性、佐和子と久子。その過去を知る元警察官の鵜原。 久子と再会した鵜原…

人間の証明(1977)

松田優作さんが出演してアメリカで撮影もいるせいでしょうか。リドリー・スコット監督の「ブラック・レイン」を思い出しました。 70年代はまだ敗戦の傷跡が色濃く人々の心の中に残っていたのですね。敗戦直後、女性はアメリカ兵に集団でレイプされ男性は…

悪魔の手毬唄(1977)

市川組は殺し方が最高!笑 死体の見せ方がとにかく巧い。囲炉裏で焼かれた男の顔。漏斗を咥えさせられた少女。たったワンカットだけで、脳裏に残るシーンを映し出します。たとえストリーがわからなくても怖い。 田舎の閉鎖的な村の、妖気ある雰囲気を作り出…

不毛地帯(1976)

「ロッキード事件」 学校の教科書にはのってるのでしょうか? 今の子ども達は戦争という言葉くらいは知ってるかもですが 日本とアメリカやロシアが戦争していたなんて 社会の教科書の数行で知らされるだけで 日本がかって戦争していた事自体 新発見の世代な…

犬神家の一族(1976)

(この画像以外ないのかなあ?笑) 「犬神家の一族」、何十年かぶりに鑑賞しましたが改めて見てみると、とても面白い作品でした。 オープニングのタイトル(文字の表記)に、大野雄二さんの音楽出だしからとてもいい。 映画史にも人々の記憶にも残る名場面…

真夜中まで(2001)

ジャズ・トランペット奏者の守山(真田広之)のステージを憧れのジャズマンであるG.P サリヴァンが聴きに来る特別な日。殺人事件を目撃し、殺人犯から逃げている中国人ホステスのリンダ(ミッシェル・リー)に偶然遭遇しまい事件に巻き込まれてしまいます。…

ハゲタカ(2009)

「地獄だよ日本は・・・生温い地獄」 日本の大手自動車会社の企業買収が舞台。一寸先が闇のマネーゲームの世界。私のように経済や社会問題や金融に詳しくない人間でも「日本の企業を外国に食われたくない」と思う感情の生まれる作品ではありました。 企業買…

アフタースクール(2008)

「男は最初の男になりたがり、女は最後の女になりたがる」という言葉がありますね。「男は過去に生き、女は今日を生きる」とも言いますが。この作品でもそうですね。男性とはこうも、初恋の相手が忘れられないものなのでしょうか?(みんなはどう?笑) と…

突入せよ!あさま山荘事件(2002)

「人質は必ず生きて救出せよ」「犯人は全員生け捕りにせよ」「銃器の使用は警察庁許可事項」 負傷者24名、殉職者4名、民間犠牲者1名を出した「あさま山荘事件」を警察側の視点からのみ描いた物語。 警視庁とか地方警察の警察組織の問題点を描いた作品の…