悪魔の手毬唄(1977)


 
 
市川組は殺し方が最高!笑
 
死体の見せ方がとにかく巧い。
囲炉裏で焼かれた男の顔。
漏斗を咥えさせられた少女。
たったワンカットだけで、脳裏に残るシーンを映し出します。
たとえストリーがわからなくても怖い。
 
田舎の閉鎖的な村の、妖気ある雰囲気を作り出すのもうまい。
夜中にこんな村の山道をドライブしたら
絶対にバックミラーで後ろなんか見れません!
 
二つの旧家の勢力争いが続く村で20年前に起こった
未解決事件の捜査を依頼された金田一
 
「迷信のたぐいをバカにしちゃいかん。
 妊み女が強い火の気に近づくと生まれる子に赤痣がつたわる言うが
 あれは本当じゃ」
 
娘の里子の顔にあざがあることが不憫だったリカ。
同じく同級生として生まれた腹違いの姉妹は皆、容姿端麗なのです。
ひとりなどは有名な歌手にまでなり脚光をあびています。
その恨みはやがて強い殺意になっていきます。
古い手毬歌の歌詞に触発されて。
 
夫の浮気、男の性欲の犠牲、不憫な娘・・
不幸と怨念がリカを悪魔にしてしまったのです。
好きな女性が殺され、母親が殺人犯と知った時の息子も可哀相でした。
 
「磯川さん、あなたリカさん愛してらしたんですね」
 
磯川警部が、もっとちゃんと気持ちを伝えていれば良かったのに。
誰かに愛されたならば、やさしくされたならば、大切にされたならば
悲しみは恨みは消えなくても
もしかしたら殺人まではしなかったかも知れない。
人間には恩という感情もあるのだから。
 
磯川警部のばか。
 
 

 
こういう日本人形もコワイです。
昔、髪が伸びる日本人形ってテレビで紹介されていたよね?
今でもあるのかなあ?
(あのまま伸び続けていたら、現在はさぞかし長髪に・・・笑)
 

 
【解説】allcinemaより
文明社会から隔離され、古い因習がいまも力を持つ鬼首村(オニコベムラ)。村に伝わる手毬唄。その歌詞に見立てた殺人事件が発生する。事件解決を依頼された金田一耕助。やがて、事件の背後に村を二分する二大勢力、由良家と仁礼家の存在が浮かび上がってくる。金田一は真犯人を見つけ出すため、失われた手毬唄の秘密を追うが……。石坂浩二金田一耕助シリーズ第二弾。