不毛地帯(1976)

 
 
 
 
 
 
学校の教科書にはのってるのでしょうか?
今の子ども達は戦争という言葉くらいは知ってるかもですが
日本とアメリカやロシアが戦争していたなんて
社会の教科書の数行で知らされるだけで
日本がかって戦争していた事自体
新発見の世代なのかも知れませんね。
 
そんな私も「佐藤栄作」も「岸信介」も「藤山愛一郎」も
「記憶にございません」の世代ではありますが。笑
 
第二次世界大戦の戦後の大借金を抱えた日本の復興
戦争では負けたけれど、経済成長では負けられないそんな企業の願い。
しかしアメリカという大国の威力、あきらかな国力の違い。
 
敗戦国、日本の戦犯のシベリアでの長年の拘留は
とても辛いものだったのでしょう。
寒さに飢え、しかしロシア兵にしてもそれは同じなのです。
「規則違反だけれど・・」とウォッカを分け与えるシーンには
敵味方関係なく人間の人としての心に感動するシーンでした。
 
だけれど戦中も戦後もズルイ奴らは私腹を肥やし高笑いをしていたのです。
国を思い正義を信じた者が生贄にされる・・
自分を犠牲にして民がいかに裕福になるかを願っただけなのに。
家族を、親友を、戦友を、戦争で苦労した人々の未来を
少しでも裕福にしてあげたいと考えただけなのに。
 
黒い、黒い、腹黒なブラックな奴が所詮勝つのか・・
 
東京大空襲で何ひとつ残らなかったような焼け野原だった東京も
今はロンドン、ニューヨーク、パリ・・そして東京というくらい
どこの国からみても恥ずかしくないくらい洗練された街になりましたね。
 
私のような地方出身者でも大手町あたりに行くと
本当にグローバルスタンダードというか
洗練されていて、紳士淑女的で、とても親切。
順番待ちのような場面でもレディファーストで
そのスマートな対応には実に感心してしまいます。
 
でもそれもかって戦後、努力した人々の甲斐があってのことなのでしょう。
とてつもない苦労があったことと思います。
口で文句ばかり、権利ばかり、そんなこと言うだけの人間とは違うのです。
 
21世紀、人々も企業も国際的にずいぶん変わったでしょう。
でも案外、政治とマスコミだけは何十年も
もしかしたら進化していないかもしれません。
 
私腹を肥やすのがまず第一だから。
不毛地帯とはいったいどこのことなのでしょうか・・
 

 
【解説】allcinemaより
二次防の主力戦闘機選定をめぐり暗躍する商社とそれらと癒着する政財界の暗部を描いた山崎豊子の同名小説を映画化した社会派ドラマ。近畿商事は、総予算一兆円を越すとも言われる二次防主力戦闘機選定をめぐって、他商社との血みどろの攻防を繰り広げていた。やがて、その攻防は当然のように政界への“実弾”攻撃合戦へと発展していく……。目的のためには手段を選ばない商社、同じく私利私欲に走る政治家たちの姿をダイナミックに描く。