2019-01-01から1年間の記事一覧

自転車泥棒(1948)

ヴィットリオ・デ・シーカのネオレアリズモの名作 ネオレアリズモ(イタリアン・リアリズム)とは ノー・スター(素人俳優)主演でドキュメンタリー風な作品のこと 脚本は「靴みがき」(1946)「ウンボルトD」(1952) 「終着駅」(1953)でも組んだチェーザレ…

エド・ウッド(1994)

「他人の夢を撮ってどうなる?夢の為なら戦え」 「アメリカで最低の映画監督」と呼ばれたエド・ウッド しかし没後、深夜テレビ映画枠で繰り返し放送されたことにより カルト的な人気を得たそうです(いるよね、クソマニアって) タイトルもいいかげんな「原…

王様と私(1956)

「エトセトラ、エトセトラ、エトセトラ」 原題も「THEKING AND I」 「王様と私」といえば、まず浮かび上がるのが ロジャース&ハマースタインの名曲の数々 映画を知らない人でも、挿入歌「シャル・ウィ・ダンス」は 周防正行監督の「Shallwe ダンス?」(1996)…

ゴールデン・リバー(2018)

またもや邦題の罠しかも予告から、キャッチコピーまで違う内容を想像させるもの配給元は映画ファンにケンカを売っているのか?は、とにかく(笑)原題は「TheSistersBrothers」(シスターズ兄弟)フランス人の監督が撮ると西部劇もこうなるのかただのアクシ…

ビバ!マリア(1965)

原題も「VIVAMARIA!」 これがフレンチウエスタン 美女と銃と爆弾、しかも歌って踊って革命達成(笑) ジャンヌ・モローとブリジット・バルドーの共演だけあって 製作者側の”できるだけ脱がせろ”の要求がミエミエで 無駄に”お色気シーン”が多く、正直ダレる部…

影の軍隊(1969)

原題も「L'ARMEE DES OMBRES」(影の軍隊) 第二次世界大戦勃発後に起きたレジスタンス運動を ドキュメンタリー・タッチに描いた ジャン・ピエール・メルヴィルの代表作 凱旋門をバックに、シャンゼリゼ通りを行進するナチスの行列 これはもうオープニングか…

ギャング・オブ・ニューヨーク(2001)

ギャングものと言っても「ゴッド・ファザー」(1972)や 「アンタッチャブル」(1987)のようなマフィアものではなく 1846年と1863年のニューヨークにあるファイブ・ポインツ (現ニューヨーク市クイーンズ、ロング・アイランド・シティ)が舞台 アイルランド系…

マネーモンスター(2016)

「儲かっているときは黙っていただろ」ニューヨークの銀行に強盗に入ったものの、すでに金は持ち出された後ですぐさま警官隊とマスコミに囲まれてしまう人質をとって立て籠るものの唯一の望みはどうにか助かろうとするだけのマヌケなお人好しなのに民衆から…

ソイレント・グリーン(1973)

原題も「SOYLENTGREEN」ソイレントとは「soybean」(大豆)と「lentirl」(レンズ豆)の合成語1973年当時に50年後である2022年にはニューヨークの人口が4000万人を超えるだろうと設定したSF映画(ニューヨークの現在の人口は2000万人強)今となってはツッコ…

フォエバー・フレンズ(1988)

原題は「BEACHES」(ビーチ 海岸)女同士の親友もの喧嘩して、別れて、またくっついてどちらかが難病になって死ぬ、あるあるしかし私の見解では、これでもかというくらい仲の良い女性同士の親友ほど、いったんこじれたらもとに戻らないそれどころか、かなり…

ハウス・ジャック・ビルト(2018)

「ヒトラーのことが理解できるし、少し共感もしているユダヤ人には同情しているが、イスラエルはいらつく存在なので同情しすぎてはいない」2011年のカンヌ映画祭で「メランコリア」を出品したときのこの発言で映画界を干されそうになったラース・フォン・ト…

大脱獄(1970)

原題の「THEREWAS A CROOCKED MAN」(歪んだ男)とは「マザーグース」の一節ので、”不正直”や”ひねくれた”行為をする人間に使われるそうです主人公のパリス・ピットマン(カーク・ダグラス)もまさしくそんな男で仲間と強盗に入り、50万ドルを奪いますが大…

レンタネコ(2011)

「レンターネコ ねこねこ さみしい人に ネコ 貸します」以下、映画にツッコミすることが嫌いな方や荻上直子監督ファンは決して読まないでくださいこの作品も荻上ワールド全開ただ小林聡美が市川実日子に世代交代してもたいまさこが小林克也になっただけスロ…

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(2019)

ゴジラ映画が大好きで、自分もゴジラ映画を撮りたいと 思いながら育った少年が監督になる ゴジラとモスラが人類の味方で、キングギドラは宇宙怪獣という 数々の東宝怪獣映画へのリスペクト クリーチャーデザインにもかなり気を使ったと思います 芹沢博士にオ…

ジャンヌ・ダルク(1999)

ジャンヌ・ダルクといえばフランスの国民的ヒロインで カトリック教会における聖人 有名な絵画にもなっているし 誰でもある程度の知識を持っている偉人 そんな世界的に神聖化されている乙女を、なんのため ベッソンは自己流解釈で描いたのか シスター(カト…

五人の軍隊(1969)

これは見やすい、わかりやすい、面白い西部劇イタリア映画なので「マカロニウエスタン」ですがマカロニのような泥臭さがなく、むしろ洗練された印象ひとりづつ仲間を集めていく序盤は「七人の侍」(1954)騎兵隊を装い鉄道事強奪を図る展開は「ワイルドバン…

スーパー・チューズデー ~正義を売った日~(2011)

「政界に長くいるとひねくれるぞ、俺みたいに」原題は「THEIDES OF MARCH」"IDES"とはラテン語で”半分のところ”という意味で、月でいえば15日戯曲「ジュリアス・シーザー」で、カエサルが占い師に忠告される「Bewarethe Ides of March」(3月15日に用心しろ…

テレフォン(1977)

「森は美しく、暗く、深い だが誓いを果たし、眠るまでの道は遠い・・」のどかで小品なアクションスパイものですが、なかなか面白いむしろこれくらい派手さがないほうがいい(笑)アメリカで相次いで起った、一般市民による謎の自爆テロ1月17日、コロラド州…

デイジー・ミラー(1974)

原作は「ねじの回転」や「ある貴婦人の肖像」で有名なヘンリー・ジェイムズアメリカ人でありながら、晩年にイギリスに帰化するという経歴を持ち1940年に発刊された本作は、日本でも多く読まれてきたそうです無邪気で天真爛漫な美女に振り回される育ちのいい…

ミケランジェロ・プロジェクト(2013)

原題は「THEMONUMENTS MEN」「ミケランジェロ」専門みたいなこの邦題はなんだ(ばかだ)モニュメントとは記念碑や(歴史・考古学上の)重要記念物のこと原作はロバート・M・エドゼルの「ナチ略奪美術品を救え」歴史的美術品を戦争から守ろう、というテーマ…

インサイダー(1999)

インサイダーとは、集団や組織の中の人 (内部の事情に通じている人)のこと 実際にあった煙草産業による組織ぐるみの犯罪隠しを 告発者とTVプロデューサーの視点で描いた社会派映画 煙草が有害で中毒性があることは誰でも知ってることですし 私の場合は非喫…

グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札(2014)

「おとぎ話のような人生こそ、おとぎ話だわ」グレース・ケリーグレース公妃の自伝的作品という触れ込みですが、実はほぼフィクショングレース・ケリーを聖人化しようとした演出なのでしょうがモナコの王室は不快感を示し、現大公であるアルベール2世は(父で…

パリ、嘘つきな恋 (2018)

原題は「Toutle monde debout」(さあ立ち上がって) 予告でほとんどネタバレ(それもいかがなものか)しているので 期待しなかったのが好かったのか(笑) 素直に感動しました この恋を、ふたりの未来を、応援せずにいられない もうすぐ50歳になるジョスラ…

アラン・ドロン/ラストメッセージ~映画 人生 そして孤独~(2018)

「”アクター”(俳優)とは役を生きる者、役を演じるのは”コメディアン”」 (ここで言うコメディアンとは”芸人”ではなく”役者”のこと) 伝説の俳優アラン・ドロン(82)への独占インタビュー 『アラン・ドロン生誕83年記念祭/シネマ・ライブVOL6』の2次会…

太陽はひとりぼっち(1962)

「愛し合うのに互いを知る必要ないわ ・・・愛し合う必要もないかも」 原題は「L'ECLISSE」(日蝕)で (名声などからの)失墜という意味もあるそうです 邦題は同じアラン・ドロンの「太陽がいっぱい」(1960)の 成功にあやかって付けたもの(ばかだ) ミケ…

暗黒街のふたり(1973)

ギャバンとドロンがこれまでに組んだ ギャング映画を想像させるような、この邦題はなんだ(笑) 原題は「DEUXHOMMES DANS LA VILLE」で 直訳すれば”都市のふたりの男”という意味 監督になる前のジョゼ・ジョヴァンニは本物のギャングで しかもゲシュタポに協…

仁義(1970)

まるで東映ヤクザ映画の邦題ですが(笑) 原題は「LECERCLE ROUGE」(セルクル・ルージュ=赤い輪) 冒頭で紹介される「人はそれと知らずに必ずめぐり逢う たとえ互いの身に何が起こり、どのような道をたどろうとも 必ずや赤い輪の中で結び合う」というブッ…

ギャラクシー・クエスト(1999)

これは面白い胡散臭いオープニングから徐々に盛り上がり絶妙なパロディ、巧妙な伏線張り登場人物を成長させるという作り込まれた脚本最後には感動して泣きそうにさえなる(笑)でも超!超!超!くだらない!!20年前に打ち切りになった宇宙探査局所属(NSEA)…

ワン・フロム・ザ・ハート(1982)

原題も「ONEFROM THE HEART」(かけがえのない大切なもの)コッポラの「ゴッド・ファザー」(1972)「カンバテーション」(1973)「ゴッド・ファザー2」(1974)「地獄の黙示録」(1979)に続くメロドラマ的ミュージカルですが「地獄の黙示録」とほぼ同じくらいの…

終電車(1980)

タイトルの「終電車」は大戦中のナチ占領下のパリでは夜間外出禁止のため 地下鉄の「終電車」に人々が殺到したことに由来しているそうです 実際ストーリーとは関係ないですが ラブロマンスっぽいタイトルではあります トリュフォーの最大のヒット作品という…