フォエバー・フレンズ(1988)



原題は「BEACHES」(ビーチ 海岸)


女同士の親友もの

喧嘩して、別れて、またくっついて

どちらかが難病になって死ぬ、あるある




しかし私の見解では、これでもかというくらい仲の良い

女性同士の親友ほど、いったんこじれたらもとに戻らない

それどころか、かなり険悪なムードになり

相手の悪口を言いふらすことになるのです


いくら慣れ親しんだ親友でも、一定の距離や気配りが必要だし

友人の好きな異性を、自分も好きになるなんてもってのほか

それができないなら、その人は本当の友達ではありません




性格も環境も違うふたりの少女が浜辺で出会い

ペンフレンドとして友情を育んでいきます


大人になり歌手を目指すCCベット・ミドラー)と

大学に進学し、弁護士になったヒラリー(バーバラ・ハーシー




ある日突然、自由を求めて家出してきたというヒラリー

CCのアパートでふたりで暮らすようになります


少女時代のふたりを演じた子役が、すごく似ていて全く違和感がない(笑)

しかし無邪気さはやがて消え、ふたりの関係は揺れ動いていきます




CCお気に入りの演出家ジョン(ジョン・ハード)と寝てしまうヒラリー

しかし父親の病気で実家に戻り

そこで裕福な弁護士の男性と結婚し娘を儲け

CCはジョンと結婚し歌手としても成功

ブロードウエイで主役も務めます



ベット・ミドラーが好きな人にとっては

ベットの歌がたくさん聞けるので嬉しいと思います


しかも「育ちの悪さ」を演じるのがとてもうまい

この役を演じれるのは彼女しかいない




そして何年かぶりに、感動の再会をしたはずなのに

思いやりを忘れ、妬みや僻みで喧嘩別れしてしまうふたり

ヒラリーと絶交してしまうが、ほかの何を失うよりつらいと悟ったCC

ヒラリーに手紙を送り続けますが、ヒラリーはそれを無視します


これはヒラリーのほうが悪いな(笑)




ここからはお決まりのパターンで

夫の浮気が原因でシングルマザーとなり

しかもウィルス性の心筋症という難病にかかってしまう


助けてくれるのはCCしかいない

ヒラリーを見送る日まで共に過ごそうと誓うCC




逝く友に感謝の気持ちを込めた、テーマ曲の

WindBeneath My Wings」(邦題”愛は翼にのって”)が

すごくいい曲


私の葬式でも流してもらうように頼もう(終活には早いけど)




ゲイリー・マーシャルはラスト作りが本当にうまいと思う

どの作品も最後は気持ちよく見終われる


でも本当は大切な人とは最初から喧嘩しないのがいちばん

貴重な出会いは、人生の中でそう多くはないのです




【解説とあらすじ】KINENOTEより

57年のアトランティック・シティの海岸で出会った11歳の2人の少女の、その後30年に及ぶ愛と友情、そして別れを描く。エグゼクティヴ・プロデューサーはテリー・シュワルツ、製作はボニー・ブルックハイマー・マーテル、主演のベット・ミドラーとマーガレット・ジェニングス・サウス、監督は「潮風のいたずら(1988)」のゲイリー・マーシャル。アイリス・レイナー・ダートの原作を基に、脚本はメアリー・アグネス・ドナヒュー、撮影はダンテ・スピノッティ、音楽は「サマーストーリー」のジョルジュ・ドルリューが担当。出演はほかに、「最後の誘惑」のバーバラ・ハーシーなど。オリジナル・タイトルは“Beaches”

57年、夏のアトランティック・シティ。父親としつけの厳しい叔母に連れられ、サンフランシスコからやって来たヒラリー・ホイットニー(マーシー・リーズ)は、海岸で迷子になってしまったところを、マネージャー兼母親のレオナ(レイニー・カザン)とともにニューヨークからやってきた歌手志望のCC・ブルーム(メイム・ビアリク)に助けられ、同じ11歳ということもありすっかり仲良しになる。CCのオーディションについていったヒラリーは、そこで彼女の歌に大感激し、離れ離れになっても必ず手紙を書く一番の友だちになることを誓いあう。それから10年、CC(べット・ミドラー)は売れないクラブ歌手、一方のヒラリー(バーバラ・ハーシー)は大学を卒業し弁護士になっていた。箱人り娘で何不自由なく育ったヒラリーは、ある日ついに自分の意志で行動できない不満を爆発させ、ニューヨークのCCのアパートに家出同然で転がり込み、2人の共同生活は始まった。CCは舞台演出家のジョン(ジョン・ハード)と出会ったことで、やがて端役を経て彼の劇団で主役を演じ、脚光を浴びることになる。ところが彼女が好意を抱いていたジョンとヒラリーが一夜を共にしたことから2人の仲は気まずくなり、ヒラリーの父が病気になったこともあり、彼女は実家に戻ってしまう。それでも2人の文通は続いた。父の死後、ヒラリーは弁護士のマイケル(ジェームズ・リード)と結婚し、CCもジョンと結ばれた。夫の強い要望で専業主婦として家庭に入ったヒラリーには、ブロードウェイ進出までに成功したCCが妬ましく、ついに2人は喧嘩別れし、文通もとだえた。友情の崩懐はCCの精神の均衡を失ってゆき、次第に落ち目になり、ジョンとも離婚する。一方のヒラリーも、マイケルの浮気の現場を目撃し、離婚を決意した時、彼女は妊娠していた。ある日実家近くのクラブにCCが来ることを知ったヒラリーは、早速そのクラブに足を運んだ。最初はわだかまる2人だったが、お互いの心情をぶちまけた後は、昔と変わらぬ友情を取り戻していた。CCとともにおなかの赤ちゃんを育んでゆくヒラリー。やがてCCとヒラリーの担当医ミルスタイン医師(スポルディング・グレイ)のロマンスが生まれたある日、CCは舞台復帰のチャンスをジョンから与えられ、見事にカムバックに成功する。一方のヒラリーも無事に女児を出産した。しかしその頃から、ヒラリーの体調は異常をきたし、CCのハリウッド・ボウルでのコンサートのある日、ヒラリーが倒れたという知らせが届く。やがて時を経ずして、ヒラリーはCCに看取られ息をひきとった。彼女にヴィクトリア(グレイス・ジョンストン)という一人娘を託して…。