ミケランジェロ・プロジェクト(2013)



原題は「THEMONUMENTS MEN
ミケランジェロ」専門みたいなこの邦題はなんだ(ばかだ)

モニュメントとは記念碑や(歴史・考古学上の)重要記念物のこと
原作はロバート・M・エドゼルの「ナチ略奪美術品を救え



歴史的美術品を戦争から守ろう、というテーマは悪くないと思います
だけどこの「アメリカ”だけ”が正義」という相変わらずの描き方は鼻につく

同じテーマでも略奪された側のフランスか、略奪した側のドイツが
制作したならもっと重厚で戦争の悲劇について考えさせられる
作品になったと思います



これはただのドイツ人は悪人で、ソ連も悪者で
アメリカ人とイギリス人はの正義の味方という
オーシャンズ」シリーズ美術品版(笑)

しかも美術のプロ集団が奇想天外な作戦でナチスの裏をか
欧州各国のユダヤ人から奪った(ココ特に強調)美術品を
奪還していくのかと思わせておきながら

ドイツ軍が撤退した後に残された美術品を回収するだけ(笑)



全く盛り上がらず、女スパイも話に絡まず
メンバーが死んでもどうでもいい
これってアメリカ人見れば面白いのかしら

実際にモニュメントマンが7人だったかどうかは知りませんが
ナチス美術館からなど略奪した美術品を塩鉱隠していたのは
有名な話ということ



塩鉱の塩が水分を吸うため、鉱山のなかは湿度と温度年中一定しており
抗菌作用もあることから、大量の絵画を保管するのに適していたそうです

そんなドイツが敗戦間際に、ほかの国に美術品が渡るのを阻止するため
すべての美術品を燃やそうとするのはちょっと考えにくい



 
ソ連が来る前に、アメリカとイギリスのほうが先に略奪して
ただ”いい話”風にしているだけじゃないかと思ってしまいます

そんなアメリカも、戦後は全て美術品を元のパリ美術館や博物館や
元の持ち主に本当に返したのならいいですけど
(作中で返されたのは廃墟にただ一枚だけ)

豪華なキャストで、ビル・マーレイなんか、いい味だしているんだけど
邦題と同じで”残念”のひとことでした

実際のモニュメントメン



【解説】allcinemaより

ロバート・M・エドゼルのベストセラー・ノンフィクション『ナチ略奪美術品を救え』をジョージ・クルーニーの監督・脚本・主演で映画化した歴史エンタテインメント・サスペンス。第二次大戦下のヨーロッパを舞台に、ナチスによって略奪された世界的美術品の数々を救出するために結成された実在の特殊部隊“モニュメンツ・メン”の決死の戦いをスリリングに描き出す。共演はマット・デイモンビル・マーレイケイト・ブランシェットジョン・グッドマンほか。
 第二次世界大戦末期のヨーロッパ。ヒトラーの命を受けたナチスドイツは、侵攻した各国で歴史的名画や彫刻をはじめとする数々の美術品の略奪を繰り返していた。これに危機感を募らせたアメリカのハーバード大学付属美術館の館長ストークスは、時の大統領ルーズベルトに直談判し、ナチスに奪われた美術品の奪還作戦を認めさせる。こうして結成されたのが特殊部隊“モニュメンツ・メン”。集められたのはメトロポリタン美術館主任学芸員ジェームズ・グレンジャーをはじめとする芸術のエキスパート7人。ただし戦場ではズブの素人ばかり。それでも貴重な美術品の行方を追ってヨーロッパ各地の前線へと乗り込んでいくモニュメンツ・メンだったが…。