チェイサーさん主催の「アラン・ドロン生誕84年記念祭」も明日と迫り
(2019年11月9日(土)12:30~(開場12:00)銀座タクト)
勝手に前夜祭も、今夜で終わり(笑)
最後を飾るのは原題も「BORSALINO」
アラン・ドロンとジャン・ポール・ベルモンドの
三つ揃いのスーツやコートの着こなしが素敵すぎて
モデルのようです
ブリテッシュスタイルのダブルブレスト(ボタンが2列になっている上着)と
ピークドラペル(テーラードジャケットの代表的なラペル(襟)の形)のスーツは
アメリカ禁酒法時代の ギャングスタイルと
フレンチシックをミックスしたデザイン
コーディネートが効いていて、帽子やマフラーなどの小物使いもお洒落
ふたりを見ているだけで幸せになれます(笑)
軽妙で印象的な音楽はクロード・ボリン
マフィアの紛争ものですが、ゆったりとしたペースと
時にユーモアのある展開にとてもマッチしています
1930年マルセーユ
3ヵ月の刑を終えた出所したロッコ・シフレディ(ドロンさま)は
ローラ(カトリーヌ・ルーヴェル)という女が働いていたバーにきます
しかし店主に男と出て行き、どこに行ったか知らないと言われ
手下と共にバーに放火します
ローラはフランソワ・カペラ(ベルモンド)という男と一緒でした
ローラを巡り派手な殴り合いが始まりますが
同時にダウンした瞬間笑いだし、意気投合
はじめはボッカスという親分に気に入られ、小賢しさと運の良さで
小遣い稼ぎをする程度のチンピラにすぎなかったふたり
それがボッカスの黒幕であるリナルディ弁護士(ミシェル・ブーケ)から
魚市場の大半を支配するエスカルゲルに手を貸すよう頼まれます
フランソワは迷ったときコインを投げる
このときはエスカルゲルの奥さんが美人だったから
依頼を引き受けることに決定(笑)
話し合いの日、フランソワはマダム・エスカルゲルに
花束をプレゼントするため花屋に寄りました
そこにテニスに行く途中の若い女性ジレットが現れ彼女に一目惚れ
マダム・エスカルゲルとの約束も忘れてナンパ(笑)
花束はジレットに渡されます
遅刻したフランソワはマダム・エスカルゲルから
ロッコは時間に正確で、花も持ってきたのにと嫌味を言われ(笑)
それでも「腐った魚作戦」(勝手にネーミングしています)に乱闘
エスカルゲルに魚市場の利権全てを与えることに成功します
そのことに気を良くしたロッコは、ポリの肉市場を襲う計画を持ってきます
ポリとマレロはマルセイユを支配する二大親分
あまりに危険な賭けに(コインで)フランソワは断りますが
ロッコとローラ、そして手下たちと湖に泳ぎに行った場所に
ポリ一家と一緒に可愛いジレットの姿がありました
フランソワはポリ親分の目の前でジレットをボートに誘い、ジレットも従う
ジレットはポリ親分が目をかけていた愛人でした
ふたりがボートから戻るとロッコも、ポリ一家もすでに帰ったあとでした
そこにポリの手下が現れジレットを殴り
フランソワはボコボコにされてしまう
フランソワはロッコの、ポリの資金源の食肉倉庫を
襲撃するという計画に乗ることにします
(「ロッキー」(1976)に出てくるような肉のぶら下がった)倉庫で
牛肉に火をつけ燃やすフランソワとロッコと手下たち
そこにポリの手下たちが現れ銃撃戦となり
襲撃は失敗してしまいます
フランソワはジレットにこの計画を話したのです
そのジレットはフランソワの泊まるホテルの部屋で射殺されていました
フランソワとロッコはマユセイユから逃げ
ひとまず田舎の隠れ家にひきあげ、仲間が武器を集めます
そんなときリナルディ弁護士が
マユセイユの助役になったと新聞で知ります
まずレストランを出るポリを暗殺
フランソワとロッコはポリの後釜として肉市場を牛耳ります
マレロは自分はポリほど馬鹿じゃないし
リナルディを殺すことだけは許さないと警告します
ふたりはリナルディを殺すのは市長選挙のあとにしようと約束します
なのにリナルディは背中から撃たれ瀕死の重体
リナルディは病院で刺殺され、マレロ一家との抗争が始まり
フランソワはロッコが裏切ったと思うわけですが
リナルディ夫人が「真犯人を知っている」とロッコに告げに来ます
それはマレロの側近で「ダンサー」と呼ばれる男の罠でした
フランソワとロッコは再び手を組み、マレロの経営するカジノに行き
フランソワが賭けている間、ロッコはマレロの部屋に行き
マレロに銃で撃たれる前に、彼の机の上の(ペーパーナイフと思われる)
ナイフを投げつけます
これでマルセイユのボスとなった、フランソワとロッコ
ロッコは豪邸を建て、豪華なパーティを開いていました
フランソワはマルセイユを出ていくと言います
「争いはとめどない」やがてふたりの殺し合いになると
じゃあ俺が出ていくと言うロッコ
どちらが旅立つか、またもやコインで決めようとするふたり
だけどロッコは最初からコインのトリックに気が付いていたのです
ボスの座はロッコに譲ろう
そしてフランソワが建物を出た瞬間、何者かの銃弾が彼を襲う
フランソワの死体を抱きしめ、叫ぶロッコ
「その後ロッコ・シフレディの名を聞いたものはいない」
で、陽気に流れるテーマ曲(笑)
この作品はたぶん、ジャン・ポール・エドモンドとアラン・ドロンの
正反対なキャラクターと個性の違いを楽しむことを目的としていて
「ゴッド・ファーザー」(1972)と比べるのは無意味だと思います
ちなみに5年後の続編は、フランソワの葬式から始まるそう
来年の「アラン・ドロン生誕84年記念祭」までには
観賞したいと思います(笑)
残念だったのは肝心の「太陽がいっぱい」(1960)
「冒険者たち」(1967)「地下室のメロディー」(1963)の
再見とレビューが今回間に合わなかったこと(涙)
過去記事は以下の通り
今読んだら自分でも恥ずかしいものもあるかも知れませんが(笑)
もし気が向いたら時間のある時にでもどうぞ
「太陽がいっぱい」(1960)
https://burizitto.hatenadiary.jp/entry/2013/02/09/120552_1
「太陽はひとりぼっち」(1962)
https://burizitto.hatenadiary.jp/entry/2019/05/31/222940_1
「地下室のメロディー」(1963)
https://burizitto.hatenadiary.jp/entry/2018/02/08/115726_1
「山猫」(1963)
https://burizitto.hatenadiary.jp/entry/2018/06/23/171657_1
「危険がいっぱい」(1964)
https://burizitto.hatenadiary.jp/entry/2014/02/17/145835_1
「冒険者たち」(1967)
https://burizitto.hatenadiary.jp/entry/2013/04/18/162527_1
「仁義」(1973)
https://burizitto.hatenadiary.jp/entry/2019/05/26/163315_1
「暗黒街のふたり」(1973)
https://burizitto.hatenadiary.jp/entry/2019/05/29/201100_1
「フリック・ストーリー」(1975)
https://burizitto.hatenadiary.jp/entry/2014/07/10/202803_1
「スワンの恋」(1984)
https://burizitto.hatenadiary.jp/entry/2018/10/14/164219_1
それではみなさま
銀座で、新橋で、ドロンさまで盛り上がりましょう(笑)
【解説】KINENOTEより
一九三〇年代のマルセイユに、青春の野心とロマンを生きた二人の男の物語。製作はアラン・ドロン、監督は「太陽が知っている」のジャック・ドレー。ユージェーヌ・サコマノの原作をジャン・クロード・カリエール、クロード・ソーテ、ジャック・ドレー、ジャン・コーが共同脚色。撮影はジャン・ジャック・タルベス、装置はフランソワ・デ・ラモティエ、衣裳はジャック・フォントレー、音楽はクロード・ボラン、編集はポール・カイヤットがそれぞれ担当。出演は「暗くなるまでこの恋を」のジャン・ポール・ベルモンド、「シシリアン」のアラン・ドロン、「暗くなるまでこの恋を」のミシェル・ブーケ、「めざめ」のカトリーヌ・ルーヴェル、「5時から7時までのクレオ」のコリンヌ・マルシャン、フランソワーズ・クリストフなど。