太陽がいっぱい(1960)

 
 
サスペンス映画の金字塔。
ムービーファンから圧倒的な支持を受けている作品だけに
レビューするのは少し勇気がいりますね。笑
 
働かずに親の金で遊んで暮らすフィリップ。
働かずにフィリップの側で彼の金目当てに暮らしているトム。
 
ナイフの使い方が間違っていると、トムはフィリップに指摘されます。
上品ぶることが下品だと。
魚用と肉用のナイフの持ち方が違うとは、実は私も最近知りました。
ティファニーのテーブルマナーは近年また注目されているそうです)
 
フィリップの死体を、帆の布に包み嵐の海に流す場面は
緊迫感ある素晴らしいシーン。
 
この作品は10代の頃にいちど観ているのですが
トムはフィリップ殺害後に豪遊をしていたような気がしたのですが、
そうではありませんでした。
 
彼はフィリップになりたかったのです。
フィリップの名を語り、フィリップの服を着て
彼の恋人を自分のものにする・・それこそが目的なのです。
 
フィリップの友人フレディに疑惑を感じられ、トムはフレディを撲殺しますよね。
その死体の傍らで、オーブンからチキンを取り出し
何事もなかったように食べるシーンには、トムの残虐さが伺えます。
 
「殺したのはフィリップさ」
 
完全犯罪のはずだったのです。
マルジュに口づけするトムの目が、妖しくあまりに美しい。
 
太陽がいっぱい、最高の気分さ。酒をくれ。」
 「リプレーさん、電話です」
 
ラストもお見事。
もちろんお気に入りです。
 

 
【あらすじ】ウィキペディアより
悪友フィリップ(モーリス・ロネ)を、彼の父親の頼みで連れ戻しに来た貧乏な若者トム(アラン・ドロン)。しかし放蕩息子であるフィリップは父の元へ戻る気はなく、親の金で遊び回っていた。トムはフィリップの金目当てに彼と行動を共にするが、トムやフィリップの恋人マルジュ(マリー・ラフォレ)に対してフィリップが時折見せる傍若無人な態度に怒り、フィリップを殺害する。死体を海に捨てた後、トムはフィリップになりすまして彼の財産を手に入れようと画策し、計画を実行していく